スイッチを入れても真っ暗?蛍光灯は切れる前に取り換えよう

人間は、蛍光灯もない生活から、さまざまな技術を駆使して、現代では夜でも明るく過ごせる生活をすることができるようになりました。

現代の暮らしには、電気があるのが当たり前になっています。

しかし、スイッチを入れても点灯しなかったり、蛍光灯が切れる前にチカチカして、イライラした気分になってしまうことがあります。

この厄介な状態を避けるために、できれば早めに交換したいですね。

それでは、「蛍光灯について」「仕組みや寿命」「システム」などをご紹介していきます。

仕組みを知れば蛍光灯が切れる前にわかる?

蛍光灯は、蛍光管と、蛍光管内の両端に付いている「フィラメント」と呼ばれる電極からできてます。

そして、このフィラメントには、熱電子を放電して持続させる電子放射物質が塗られております。

また、真空にされた蛍光管内には、少量の水銀と、放電を開始しやすくなるためにアルコンガスなどが封入されてるのです。

このようにして、電気が点くよう設計されています。

それでは、次に仕組みについてご説明していきます。

電気のスイッチを入れると、蛍光管内で、両端のフィラメントに電流が流れて加熱され、お互いの熱電子の方向へ飛び出していきます。

その後に、同じ蛍光管の中にある水銀電子と衝突をして、水銀電子が紫外線を発生させます。

そして、この紫外線が、蛍光管の内側に塗られている蛍光塗料に当たり、私たちの目に見える光となって、灯りを灯してくれます。

このようにして電気が点くのです。

また、内側に塗られている蛍光塗料の種類によって、白色や昼光色など光の色を変えることができます。

それでは、どうして、蛍光灯がつかなくなるのでしょうか。

その理由は、蛍光灯内にある水銀・アルコンガス・電子放射物質のいずれかが消耗してしまことで、寿命が訪れてしまうことが理由です。

しかし、この物質が消耗しているかどうかは、蛍光灯が切れる前に私たちには判断ができません。

やはり仕組みを知ることだけでは、寿命の判別することは難しいということです。

知っておきたい蛍光灯の寿命

では、どのようにしたら蛍光灯が切れる前に、寿命を知ることができるのでしょうか。

蛍光灯の平均寿命の数値を「定格寿命」といいます。

これは、たくさんの蛍光灯を2.75時間点灯して、0.25時間消灯する作業を繰り返した時の平均値を表したものです。

しかし、記載されている定格寿命が6000時間だとしても、使用状況や環境によっては、その数字を上回ったり、下回ったりする場合もあります。

通常、点けたり消したりする頻度が高ければ高いほど、寿命は短くなる傾向にあり、また、電圧などにも影響されます。

しかしながら、蛍光灯は電球よりも同じ電気量を使っても、その5倍から6倍も持続性があるのです。

なぜなら、蛍光灯は電球よりも熱量が少ないからです。

反対に、蛍光灯が切れる前なのに、弱っている形跡もない丸形の蛍光灯付きの照明器具にあるナツメ球の寿命は、通常2000から3000時間と言われています。

このナツメ球は電球ですが、点けたり消したりする回数は、本体の蛍光灯よりも少なく、たとえ切れていてもあまり気にならないことから、寿命が長く感じる場合もあるでしょう。

蛍光灯が切れる前に自分の目でもチェックしてみよう

このように、数値などで蛍光灯が切れる前の目安がわかりましたが、実際に自分の目でもチェックをしてみましょう。

蛍光灯が切れる前になると、両端部が黒くなってくるのでわかりやすいのではないでしょうか。

このような状態になると、明るさに力がなくなり暗く感じたり、チカチカと点いたり消えたりを繰り返すこともあります。

蛍光灯は、電球のように一瞬で消えてしまうわけではなく、徐々に光が暗くなっていくので、そろそろかなと思ったら気を付けてみるとわかりやすいかもしれません。

「まだ、使えるんじゃない?」と粘りすぎて、全く点かなくなってしまっては遅いです。

蛍光灯が切れる前に、もったいないと思わずに新しいものに取り換えましょう。

そして、蛍光灯が切れる前には、取り換え用の蛍光灯も忘れずに常備するようにします。

しかし、取り換え用の蛍光灯を買う時に、付いている蛍光灯の種類を確認しないで、迷った経験がある人も多いことでしょう。

蛍光灯の点灯システムを知っておくと便利

それでは買い物に行く前に、蛍光灯の点灯システムを確認しておきましょう。

蛍光灯の点灯回路には、みなさんも聞いたことがある「グロースターター式」「ラピッドスターター式」そして、「インバーター式」の3つの点灯回路の方法があります。

グロースターター式は、グローと呼ばれる点灯管があり、点灯する時に、チカチカしてから点灯します。

同じように、切れる前にもこのグローも同時にチカチカ点滅することも特徴です。

その反対に、ラピッドスターター式とインバーター式は、外見からの特徴もなく、スイッチを入れてから点灯するまでに、チカチカすることもなくすぐに点灯します。

また、切れる前にも蛍光灯の端が黒ずむだけで、チカチカがありません。

ラピッドスターター式は、スマートフォンなどで撮影すると高感度カメラではない限り、しま模様に見えます。

しかし、インバーター式は、スマートフォンで撮影しても肉眼と同じように見え、チラつきもありません。

さらに、蛍光灯器具も軽量で種類も多くあり、同じワット数のグロースターター式よりも明るい光を放ちます。

もし、チカチカするのが気になるのであれば、器具ごと交換してインバーター式に変えてもいいかもしれません。

蛍光灯が切れる前に取り換える必要性

蛍光灯が切れる前になると、明るさが落ちたりチカチカして、ストレスになりますし、目にもよくありません。

さらに、火災の原因にも繋がることもあります。

照明器具のよる火災事故の発生理由として、長期の使用によって、経年劣化した部品などが絶縁不良で破損、発火し火災に繋がった事故が、実際にも起きています。

急にチカチカ点滅したり、異常な音や焦げたにおいがする時は、蛍光灯や蛍光灯器具が劣化しているので、非常に危険です。

ですから、蛍光灯が切れる前や蛍光灯器具が故障する前に、新しいものに早く交換するようにしましょう。

蛍光灯の寿命は約6000~10000時間とされていますが、切れる前に交換するだけでなく、時々ほこりなどを取り除くだけでも、寿命を延ばすことができます。

この時、感電や火災を防ぐためにも、電源は必ず切った状態で、乾いた雑巾などでおこなうようにしましょう。

蛍光灯が切れた後もきちんと処理

ところで、蛍光灯の仕組みや寿命を理解して、切れる前に交換した古い蛍光灯をどのように処理していますか?

各自治体などで、適正処理が強調されているのには理由があります。

それは、蛍光灯には先述したように水銀が使われているからです。

もし、無造作に使用済みの蛍光灯が捨てられていれば、環境汚染や人体にも影響を及ぼす危険があるからなのです。

このため、私たちが自宅や職場など、地域で決められた場所や日時を守って処理をしている蛍光灯は、各パーツ毎にリサイクルされています。

回収された蛍光灯はプラントに運ばれた後、ガラスはガラスメーカーや建設業者へ、水銀などは蛍光灯メーカーや水銀で製品を開発しているメーカーに、そして、金属部分は金属専門のリサイクル業者へ運ばれていきます。

各場所に送られた蛍光灯は、水銀は再び蛍光管の材料になり、ガラスは断熱材のグラスウールなどへ、そして口金部分はアルミとして形を変えて、それぞれが新しく生まれ変わっているのです。

このように、使えなくなった蛍光灯が生まれ変わり、新たに環境にやさしい活躍をしているのです。

いつも部屋を明るくしてくれている蛍光灯に感謝

2020年を目途に、水銀の使用の規制が始まり、水銀を使用する蛍光灯は規制対象になります。

もし、水銀を使用しない蛍光灯が発明されれば蛍光灯自体がなくなることはありませんが、いまのところ、蛍光灯がなくなりLEDに変わってしまうかもしれません。

もしかしたら、もう見られなくなるかもしれない蛍光灯ですが、安全のためにも切れる前に取り換えるようにしましょう。