電球に書いてある100vと110vの違いって何?

皆さんの生活の中には、電球は欠かせないものとなっていることでしょう。

そして、電球を新しく買い換える際は、電球に記載してある表記を確認するかと思います。
そこには「100v」「110v」などと書いているでしょう。

皆さんはこれが何を表しているかご存知ですか?

「vだから電圧でしょ?」とわかる方もいるでしょう。

しかし、その数字が電圧を表していると知っていても、どうして二種類あるのか知らない方も多いのではないでしょうか。

使用方法や、取り付けて大丈夫なのかどうか、知ってるようで知らない二つの電球についてご説明していきましょう。

電球についての豆知識

皆さんは電球と聞くとどんなものを思い浮かべますか?

透明、もしくは白色の丸いものを思い出すでしょうか。
他には、蛍光灯や、最近ではLED電球もあります。

また、中には、昔ながらの電熱線が中に入った白熱電球を思い出す人もいることでしょう。

この白熱電球とは、球状のガラスを真空にした中にフィラメントが入っていて、電気を流すとフィラメントが発熱をして発光するものです。

白熱電球という名前ですが、その明かりはほのかにオレンジ色をしていて、温かみを感じる光の色をしています。

また、蛍光灯とは、ガラス管の中に放電しやすくするための「ガス」と少しの「水銀」、内側に塗ってある「蛍光体」でできています。

そして、電気を流すことによって、電子と原子を衝突させ、その際に光を放つのです。

この蛍光灯と聞くと、棒状のものを思い浮かべる方が多いと思いますが、光の色と光量でいくつか種類があります。

他に、LED電球がありますが、仕組みは蛍光灯に似ています。
違う点としては、電気を他のエネルギーに変えることなく、そのまま光に変えることができるということです。

この仕組みによって、寿命が長続きするわけです。

そして、LED電球は光の色が電球で違うので、好きな色味を選ぶことができるのも特徴になります。

このように電球と一言で言っても様々な種類があることがわかりますね。

それでは、この電球に記載されている100vと110vの違いってなんでしょう?

電球の「100v」「110v」の違いって何?

電球をよく見ると「100v」、「110v」と書かれています。
これは、そのまま「100ボルト」、「110ボルト」と読み、電圧のことを表しています。

しかし、これは電球が100v、110vということではないのです。
日本で使われているそれぞれの電力に対応できるかどうかを指しています。

日本の電力は基本的に、100vの電圧で供給されています。
しかし、地域によっては110vより高い電圧で供給されている場所もあります。

例えば、近くに大型の施設があるところ、また発電所の近くの地域などが当てはまります。

そのため、一般的な電球はある程度の電圧の差でもスムーズに使えるように設計されています。

しかし、白熱電球は仕組みが単純な分、ほんの少しの電圧の差を大きく受けてしまうことがあります。
そうしたことから、表示の違う二種類の電球が販売されているのです。

それでは、電球の100vと110vの違いは、使用する機器でどんな差が出るのでしょうか。

「100v」と「110v」の電球の明るさと寿命の比較

100vと110vの違いは、日本で基本的に使われる電力に、対応できるかどうかの表示のことだということが分かりました。

では、実際に電球を使った場合、どんな違いが現れるのでしょうか。

それぞれ適正の機器で使用した場合と比べて、

・100v用の電球を110vの機器で使用した場合

  明るさ…40%明るくなる
電球の寿命…0.25倍縮む

・110v用の電球を100vの機器で使用した場合

明るさ…30%暗くなる
電球の寿命…3倍延びる

というふうになります。

電圧が高いとその分明るさも増しますが、電球自体の寿命が短くなるのです。

この比較を見てみると、110vの電球を100vの機器で使用すると電球自体も長持ちすることがわかります。

そのため、長期間交換することのないような場所に110vの電球を使用する、という方もいるのではないでしょうか。

門灯や外灯など、長期間交換することのないような場所に110vの電球を使用するのは、交換の手間やコストの面から考えて有効と言えるでしょう。

100vと110vの白熱電球の違いを計算すると

先ほど、白熱電球は、その作りの単純さから電圧の差の影響を受けやすいことについて書きました。

そんな白熱電球は、適切な機器を使わない場合、電圧が5%上がると寿命が1/2となり、明るさは20%増えると言われており、逆に電圧が10%下がると寿命が3倍に伸び、明るさは15%減ると言われています。

白熱電球を適切な機器を使用した場合の寿命は、平均1000時間と言われているので、100v用の電球を110vの機器に使用すると「1000×0.25=250」となり、使用できる時間が一つあたり250時間に減ってしまうのです。

逆に、110v用の電球を100vの機器に使用すると「1000×3=3000」となり、使用できる時間はひとつあたり3000時間に伸びます。

同じ電球に見えても、機器と電球の組み合わせでこんなにも違いが出てくるのです。

これだけの差ができると適切な電球を使わないと、多くのコストがかかってしまうことがわかりますよね。
そして、電球単体のお金も、手間もかかってしまいます。

100vと110vの違いを、このようにはっきりした数字で表すと、よりわかりやすくなるでしょう。

電球型蛍光灯、100vと110vの違いは?

白熱電球とよく似た電球型の蛍光灯が、同じ電球の売り場に置いてあります。
この電球型蛍光灯の売り物のパッケージを見たことがあるでしょうか。

パッケージを見たことがある方はわかるかと思いますが、どこにも100v、110vという表記がないものが多いです。

この表記がない理由には、白熱電球と蛍光灯の歴史の違いにあります。

蛍光灯が作られたのは、白熱電球より50年ほどあとです。
この50年もの間の技術の進歩で、100vから110vの電圧の差の影響を受けない設計になったのです。

そのため、蛍光灯には100vと110vの違いはなく、パッケージに表記をする必要がないのです。

ちなみに、蛍光灯は消費電力・平均寿命とも白熱電球と大きく変わります。

消費電力は、60wの電球を光らせるのに白熱電球だと54w必要であるところを、蛍光灯ではおよそ21wと半分以下の電力で使用することができます。

また、平均寿命は13,000時間と言われており、白熱電球の約13倍、使用できることになります。

しかし、頻繁に電源をつけたり消したりすると、それより寿命は短くなるので注意が必要です。
蛍光灯は、一度つけたら長時間つけっぱなしにするような場所での使用に向いていると言えます。

LED電球の100vと110vの違いは?

最近種類もたくさん増えてきたLED電球、こちらも100vと110vの違いはあるのでしょうか?

LED電球は21世紀になってから普及し始めた、第四世代の明かりと言われています。
そんなLED電球も、やはり、使用する電圧が100vでも110vでも影響を受けない設計になっています。

「省エネ」とよく聞くLED電球ですが、そのとおりで、消費電力も白熱電球と大きく違い、60wの電球を光らせるのにLED電球ではおよそ8wと約1/7の電力で使用することができます。

しかし、白熱電球を使用していた機器にLED電球を取り付ける際、思わぬ問題が発生することがあります。

それは、密閉型器具に使用する場合です。

バスルームや洗面所などによく使われているプラスチックのカバーで覆われた照明器具を、見たことがありますか?

電球が閉じ込められたような照明器具、それを密閉型器具と呼びます。

これについては、白熱電球では問題なく動作しても、LED電球だと放熱がうまくいかず機器が故障したり、LED電球の寿命が短くなったりと様々な不具合が起こる可能性があります。

取り付けの際には、密閉型器具に使用できるLED電球を選んで下さい。

電球は正しく使えば便利な道具

いかがでしたか?

電球の100vと110vの違い、小さなようでも大きな差になりましたね。

白熱電球はいまや生産終了となっているものも増えてきましたが、やはりあの温かみのある光は白熱電球ならではのものです。

電化製品は正しい使い方をすることによって便利に使えますし、安全です。

目的や用途、好みなど色々ありますが、環境に優しく適切な使用方法で使い、快適な生活を送りたいものですね。