日に日に涼しくなり、寒さが身にしみてくる秋。
「暖房を入れてるのになぜか暖かくならないなあ」と思っていたら、「ゴムパッキンが劣化して窓に隙間が空いてる!」という場面を経験された方もいらっしゃると思います。
寒い季節に隙間風は本当に困ったものです。
今回は、そんな劣化したゴムパッキンの修理方法についてご紹介していきます。
隙間風でお悩みの方はぜひ参考にされてはいかがですか?
窓の構造はどうなっている?
そもそも、窓はどういう構造をしているのでしょうか?
今回は、一般的な住宅でよく見られる、引違い窓を参考に見ていきましょう。
引違い窓とは、それぞれ異なったレールに、2枚以上のガラス窓をはめ込み、横に動かして開閉させる窓のことです。
では、窓の構造を見ていきましょう。
・窓
これは、フレームの中にガラスをはめ込んだものを指します。
ガラスとフレームの間に、気密性を保つためのゴムパッキンが取り付けられています。
・クレセント錠
室内側に取り付けられた鍵のことで、安全性だけでなく、窓の気密性を高めるために付けられたものでもあります。
・戸車
フレームの下部に付いている小さな車輪のことで、これにより引き戸をスムーズに動かすことができます。
・下部摺動片(かぶしゅうどうへん)
フレームの下部に付いている部品で、レールと窓との隙間を調節するためのものです。
・窓枠
窓の周囲にある枠のことを窓枠と言います。
窓の構造は上記のものからできていますが、その中でも隙間風の原因となるのは、ゴムパッキンやクレセント錠など気密性を保持するための部品になります。
窓に隙間が空く原因は?
上記で窓の構造を見てきましたが、なぜ隙間が空いてしまうのでしょうか?
その原因を見ていきましょう。
①戸車が原因
これは、窓の下部に付いた戸車の高さが原因で隙間が生じる場合です。
戸車はねじによって高さを調節できます。
ねじの締め具合によって左右の高さが違うと、窓に隙間が生じてしまいます。
②クレセント錠が原因
窓を長年使っていると、経年劣化でクレセント錠の位置がずれてしまう場合があります。
クレセント錠の位置がずれてしまうと、窓が傾いてしまい、隙間ができてしまいます。
③下部摺動片が原因
窓とレールの隙間を調節する部品である下部摺動片ですが、これも経年劣化により破損したりする場合があります。
破損してしまうと、窓とレールの間に隙間ができてしまい、隙間風の原因となってしまいます。
④ゴムパッキンが原因
窓とフレームの間にあるゴムパッキンも、経年劣化の影響を受けやすいものです。
長い間使用していると、ゴムパッキンが縮んだり、切れたり、ひびが入ったりしてしまいます。
そういう状態になってしまうと、隙間ができてしまい、外の風が入り込んでしまう原因となります。
隙間をなくす簡単な方法は?
上記で隙間があく原因を見てきましたが、では自分でできる対策はあるのでしょうか?
まずは、簡単にできる①〜③の隙間をなくす方法を見ていきましょう。
①戸車
窓を開閉する時にガタガタいったりする時は、戸車に原因があることが考えられます。
まずは、戸車が原因かどうか見極めるために、窓の傾きを見てみましょう。
左右の窓が重なり合っている部分(召し合わせ部)の上部と下部を順番に手で押してみて、どちらかにガタつきがあれば戸車が原因です。
その場合は、戸車の高さを調節するねじがフレームの下部にあるので、ドライバーで調節して下さい。
②クレセント錠
クレセント錠の位置がずれている時は、ねじで調節する必要があります。
まず、クレセント本体とクレセント受け2つあるので、どちらがずれているのか確認して下さい。
両方ともに、カバーを外し、ドライバーでねじを調節して下さい。
③下部摺動片
窓の下部から隙間風が入っていたり、雨が入り込んでいたら、下部摺動片が原因と考えられます。
その時は、下部摺動片の高さを調節する必要があります。
まずは、ねじをドライバーで緩め、隙間をなくした後、ねじをしっかり締めます。
この時、ねじは絶対に外さないようにして下さい。
このように、①〜③の原因のものは、ドライバー1本で対応可能です。
では、④のゴムパッキンの劣化が原因の場合はどうすればいいのでしょうか?
次項で見ていきましょう。
まずは、ゴムパッキンの採寸をしてみる!
劣化したゴムパッキンをそのままにしておくと、隙間風が入ったり、ガラスとフレームの密着度が低くなるため、ガラスが落下する危険性もあります。
そのため、できるだけ早めに修理することが大事です。
では、どのような修理方法がよいのでしょうか?
1番のおすすめは、業者に頼むことです。
ゴムパッキンを交換するには、まず、窓を取り外さなければなりません。
これが、素人にとってはなかなか難しいものがあります。
万が一ガラスが割れてしまうと、怪我の要因ともなってしまうので、極力業者に頼むようにしましょう。
それでも、「DIYには自信があるし、自分でしてみたい!」という方には、自分でできる修理方法をご紹介します。
まずは、自宅の窓にあったゴムパッキンを購入する必要があります。
どのようにして採寸すればよいのでしょうか?
重要なのが、フレームの横幅とガラスの厚さです。
この幅が間違っていると、ゴムパッキンをはめ込んだ時に上手にはまらないということになってしまいます。
ミリ単位での採寸ですので、丁寧に測って下さい。
あとは、ガラスの周囲の長さを測ればOKです。
ゴムパッキンはホームセンターなどにも売られていますので、採寸した数値に合ったゴムパッキンを購入して下さい。
新しいゴムパッキンを用意したら、どうやって交換する?
新しいゴムパッキンを用意したら、修理開始です。
まず用意するのが、ゴムパッキン・軍手・養生テープ・ドライバー・金槌・当て木です。
割れる可能性のあるガラスを取り扱うので、必ず軍手をはめてから作業を開始して下さい。
1.窓を窓枠から外し、ガラスが割れないように、養生テープをガラスに貼ります。
この時、ガラスの上下・裏表が分からなくなるのを防ぐため、養生テープにメモをしておいて下さい。
2.ガラスとフレームを分解し、はめ込んであったゴムパッキンを取り外します。
3.購入しておいたゴムパッキンを取り付けていきます。
この時、継ぎ目が目立ってしまうといけないので、できるだけ目立たないところに継ぎ目がくるよう注意して下さい。
また、角のところには切れ込みを入れておいて下さい。
この時、ゴムパッキンを引っ張りすぎると切れ込みが表に出てしまうし、緩すぎるとフレームに戻す時にうまく戻せなくなるので、気を付けて下さい。
4.ゴムパッキンをはめ込んだら、次にガラスをフレームにはめ込みます。
この時、けっこう力が必要になるので、フレームをある程度はめ込んだら、当て木を当ててその上から金槌で叩いて下さい。
上下左右にフレームをはめ込んだら、微調整をしながらねじで留めます。
⑤できあがった窓を窓枠にはめ込めば、完成です。
上記のような方法で、ゴムパッキンの交換は終了です。
これで、隙間風に悩まされることもありません。
ただ、自分で修理する方法はあくまで自己責任のもとで行うものです。
少しでも不安がある方は、自分で修理せず業者に頼んで下さい。
隙間風の原因となる窓のゴムパッキンの劣化、防ぐ方法はある?
窓のゴムパッキンの交換方法をご紹介しましたが、大事なのは、隙間風に悩む前に、できるだけ劣化させないようにすることではないでしょうか?
では、ゴムパッキンの劣化を防ぐには、どんな方法があるのか見ていきましょう。
◯ホコリはこまめに取る
窓を拭いたり、下部にあるレールの掃除をしたりする方は多いと思いますが、窓にあるゴムパッキンまで掃除する方は少ないかもしれません。
しかし、ゴムパッキンのところはホコリが溜まりやすい場所でもあります。
窓を掃除する時に、ゴムパッキンの部分も掃除して下さい。
◯カビ取りをする
窓は外に接している場所のため、結露が起こりやすいところです。
結露をそのままにしておくと、ゴムパッキンのところにカビが生えてしまうことがあります。
その時に早めにカビ取りを行わないと、ゴムパッキンの交換ということになってしまいます。
では、どのような方法がよいのでしょうか?
用意するのは、カビ除去ジェルのみです。
これをゴムパッキンのカビが気になるところに塗り、その後水拭きすれば、カビが取れてしまいます。
特に、ビーワンコーポレーションの「カビ取りジェル180g」がおすすめです。
これは、カビのある部分に5mmほどの厚さでジェルを塗り、15分放置するだけです。
その後、濡れた雑巾などで拭き取ればOKです。
◯カビ防止スプレーをしておく
ゴムパッキンはカビが生えやすいところです。
そのため、カビ防止スプレーをしておくことをおすすめします。
できるだけ、こまめにスプレーをかけておきましょう。
丁寧なお手入れで、快適な住まいを!
ゴムパッキンなどの劣化で、窓に隙間ができたときの対処法などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
窓は外に接しているところなので、経年劣化の影響を受けやすいところでもあります。
ひとたび不具合が生じると、家の中の快適性がすぐ損なわれてしまいますよね?
また、寒い季節だと特に、窓からの隙間風は気になるものです。
そうならないためにも、日頃から窓のお手入れを丁寧に行って、快適に過ごせるように気を付けましょう!