「照明をシーリングライトに替えようと思ったら、壁にスイッチがなかったけどこれって大丈夫?」という内容の質問を時々見かけます。
シーリングライトには付属のリモコンがありますので、スイッチのオンオフには問題が発生しません。
しかし、皆さんが気になってしまうのは当然のことで、「シーリングライトと壁スイッチなし」という組み合わせが、困ったことにつながるケースはよくあるようです。
いったい、どういうことなのでしょうか?
シーリングライトは壁スイッチなしで使う
まず、「壁スイッチなしのお部屋でシーリングライトは使えるのか?」という疑問について考えてみましょう。
エアコンも、壁スイッチはありませんよね。
本体を壁に取り付けてコンセントにつなぎ、リモコンを操作して使います。
エアコンなら、専用の壁スイッチのありなしは問題になりません。
なぜなら、エアコンの電源を切りたい時はリモコンで切り、節電したいならコンセントを抜きます。
しかし、コンセントを抜いてしまうとリモコンが効かなくなるので、基本的にはずっと付けたまま利用することでしょう。
その点では、シーリングライトも同じです。
照明を取り付ける時には、「引っ掛けシーリング」という、取り付け器具とコンセントが一体になっている専用の器具を使います。
そして、外からコンセント部分は見えませんが、リモコンを使用するために、こちらもコンセントをつないだままにしておく必要があるのです。
つまり、シーリングライトは、エアコンやテレビなどの家電と同じように考えられていて、リモコンで操作する電化製品ということです。
シーリングライトの取り付け方
シーリングライトの一般的な取り付け方を見てみましょう。
手順はたったの3つです。
①古い照明を外し、引っ掛けシーリングにアダプタをセットする。
②アダプタに照明本体をセットする。
③コネクタをアダプタに差し込む。
①②が取り付け、③がコンセントにつなぐ作業です。
あとは、リモコンをオンにして点灯すれば、照明交換は終了です。
ただし、壁スイッチなしのお部屋は、もとの電源を切ることができませんので、ブレーカーを落としてから作業をしてください。
ここで用語の説明を付け加えておきます。
*引っ掛けシーリング
照明用にあらかじめ天井に付けられている、コンセントを兼ねた照明の固定器具です。
洋間は丸型、和室は長方形のものを使うことが多いようです。
*アダプタ
引っ掛けシーリングと照明本体を接続するための装置です。
ライトを買うと本体と一緒に入っています。
*コネクタ
アダプタを経由して本体に電気を通すためのコードで、本体中央部に付いています。
フタで隠れていることが多いので、事前に確認しておきます。
シーリングライトが取り付けられない時
壁スイッチなしでもシーリングライトの取り付けはできますが、もしかすると工事が必要になるケースもあります。
引っ掛けシーリングとアダプタが合えば照明交換は簡単ですが、もし合わなければ、引っ掛けシーリングを交換しなければなりません。
例えば、こんなケースです。
①天井からコード(電線)がたれている。
⇒引っ掛けシーリングがありません。
②アダプタが入らない。
⇒引っ掛けシーリングの劣化が考えられます。
③前の照明が、電線ではなくチェーンで吊されていた。
⇒引っ掛けシーリングが旧タイプなのでしょう。
④角形引っ掛けシーリングが天井に固定されておらず、ぶら下がっている。
⑤天井が斜め、あるいは格子状。
⇒シーリングライトを付ける条件に合わないことになります(ペンダントライトならOK)。
特に③~⑤の場合は、振動や重量に耐えられず、落ちてくる可能性があり危険です。
この場合、どうしても工事が必要なので素人では難しくなります。
引っ掛けシーリングの交換には「電気工事士」という資格が必要ですので、プロに頼む方がいいでしょう。
電気屋さんにお願いしましょう。
シーリングライトのスイッチトラブル
壁スイッチなしのお部屋でリモコン照明を使うと、困ることがいくつかあります。
その1つが、リモコンの紛失です。
壁スイッチなら、暗くてもすぐに場所が分かりますが、リモコンは暗闇で探し回らなければなりません。
また、急な電池切れも悩みの種です。
この2つには、電池を買い置きし、リモコンの置き場所を決めるしかありません。
しかし、スペアのリモコンが売っているのをご存じでしょうか。
汎用タイプなら純正品よりずっと安く、量販店で1500円前後で手に入ります。
ホルダーに入れて壁スイッチの代わりにしてもいいですし、別のリモコン付き照明があれば、双方のスペアにもなってくれます。
また、最近ではアプリをダウンロードすれば、スマートフォンで操作のできるシーリングライトが出てきました。
これならスペアを買う必要もありませんし、防犯のために留守宅に灯りを付けることもできます。
今後、インテリジェントホーム(外出先から家のことができるサービス)が増えてくるに従い、種類も増えていくでしょう。
今はまだ少し高めですが、お値段さえ折り合えば悪くない選択ではないでしょうか。
壁スイッチなしだからこそ起きる怪奇現象?
他にも、リモコンだからこその困りごとがあります。
壁スイッチなしのお部屋にシーリングライトを付けると、たまに勝手に照明が点いてしまうことがあるのです。
原因の1つは、電波による誤動作です。
例えばですが、テレビのリモコンに反応してしまうのです。
これには電波の大元を探すしかありませんので、よく観察してパターンを割り出しましょう。
もう1つは、停電による誤動作です。
例えば雪や雷の多い地方では、雪の重みや落雷で電線が切れることがよくあります。
しかし、一瞬切れるだけで、停電したと分からないこともあるのです。
壁スイッチがない場合、シーリングライトは灯りが消えても常に通電しています。
そこへ停電が起きると、電源オンオフをしたのと同じことになり、勝手に灯りが点いてしまいます。
これを避けるには元から電源を切るしかなく、どうしても嫌なら壁スイッチを増設するしか方法はありません。
壁スイッチなしならスイッチの増設を提案
いくら原因が分かっても、勝手にシーリングライトが点くのは嫌なものです。
そんな時は、思い切って壁スイッチを増設するのもありではないでしょうか。
引っ掛けシーリングを交換する時に一緒にお願いすれば、費用も若干、割り引いてもらえるかもしれません。
また、高齢の方など、足元に自信のない方が家族にいらっしゃるなら、増設はお勧めです。
暗い中でリモコンを探すと、転倒の恐れがあるからです。
便利すぎる生活は高齢者にとってかえってよくないものですが、灯りは別です。
転倒するだけでも、高齢者の方は骨折してしまったりして、不自由な生活をすることになりますよね。
また、子供がいる場合も、物がなくなりがちなので、やはり壁スイッチは役に立ちます。
壁スイッチなしの生活に慣れているからと我慢せず、安全に点けられるように準備しておくと、もっと住みやすい家になるかもしれません。
照明交換には引っ掛けシーリングのチェックが大事!
シーリングライトと併用するものとして、LED型ペンダントライトもお勧めです。
間接照明的な役割になりますが、シーリングライトのリモコン紛失でも慌てずにすみます。
また、予算が許すなら、シーリングライト壁スイッチ工事を検討してもいいでしょう。
ただし、賃貸住宅の場合は、ほとんどの場合、改装は許されません。
勝手に工事を行うと、後々のトラブルになるため、避けることは当然のことです。
許可が出るかは相談してみないとわからないことですので、一度大家さんに相談してみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、シーリングライトを返却せずに済むように、引っ掛けシーリングのチェックをしてからライトを選びに行くようお勧めします。