夜、眠れない時でも、洗濯された清潔な寝具だと、なんとなく眠りにつけそうな気分になることはありませんか?
どんな時でも、洗濯をした清潔な寝具で寝ることは、気持ちよく感じるものです。
しかし、寝具の洗い時は、生活パターンや感じ方で、人それぞれになりがちです。
また、寝具を洗濯する頻度がわからない人も、少なくないでしょう。
では、どのくらいの頻度で洗濯をすれば、寝具の清潔は保つことができるのでしょうか?
寝具を洗濯しないと健康にもよくない?
「最近、寝具を洗濯していないな」と思う時があるでしょう。
それは、シーツやカバーが目に見える汚れがあったり、臭いがきつくなった時に気が付くことが多いようです。
そのように感じたなら、すぐに洗濯をしましょう。
汚れた寝具を使うことは、精神的にも、健康的にもよくありません。
なぜなら、シーツやカバー類の寝具は、肌に直接触れるものなので、同じ物を使い続けていると、まず、肌に影響が出ます。
汚れた寝具は汗や皮脂、ほこりなどを大量に吸い込んでいるからなのです。
さらに、その汚れた寝具には、目に見えない大量の雑菌も潜んでいます。
洗濯の頻度が少なくなればなるほど、同じシーツやカバー類を使い続けることになるので、雑菌だけではなく、ダニやカビの温床になっていくのです。
そして、肌だけではなく、そのダニやカビが原因で、呼吸器の病気などになってしまうかもしれません。
このように、寝具は、洗濯の頻度を高めることによって、清潔を保つことができます。
しかし、具体的に、寝具を洗濯する頻度は、どのくらいを目安にしたらいいのでしょうか?
寝具の洗濯の頻度はどのくらい?【枕カバー編】
寝具の中でも、「枕カバー」の洗濯の頻度は、多めにしたほうがいいでしょう。
なぜなら、他の寝具よりも枕カバーは、私たちの体から出る汗や皮脂の量が多いので、ダニや雑菌が繁殖しやすくなるからです。
シーツや掛けカバーに比べて、直接、顔に当たる面積が多く、肌に影響を受けやすくなります。
ですから、2~3日に1回、できれば毎日、洗濯をしてもいいくらいなのです。
しかし、「汚れていないし、ちょっとだけ臭いがする程度だから」と言って、除菌・消臭スプレーを使う人もいるでしょう。
除菌・消臭スプレーは、除菌と消臭ができて便利なのですが、効果にも限界もあります。
また、枕カバーに付いた頭皮の皮脂の汚れや、年齢と共に増えていく加齢臭の油は、除菌・消臭スプレーでは完全にカバーしきれない部分もあるそうです。
枕カバーは小さく、かさばらず、タオルなどと一緒に洗濯することができるので、気持ち的にも負担にはなりません。
下着と同じような感覚で、捉えておくといいかもしれません。
しかし、休みの時だけ洗濯をする人であれば、数枚、替えの枕カバーを用意しておくといいでしょう。
また、毎日、洗濯できない場合には、枕と一緒に、ハンガーや枕専用のハンガーを使って、日の当たる場所へ干すようにしてもいいでしょう。
寝具の洗濯の頻度はどのくらい?【シーツ・掛けカバー編】
同じ寝具でも、シーツや掛けカバーは「寝巻きやパジャマを着て寝ているから、枕カバーよりも洗濯の頻度は低くてもいいのではないか」と思う人もいるでしょう。
しかし、1ヶ月以上も洗濯をしていないシーツや掛けカバーはNGです。
1ヶ月以上も洗濯をしないと、枕カバーと同じように汗や皮脂、ほこりを吸い取り、雑菌が繁殖していると言っても過言ではありません。
熱帯夜が続く夏には、洗濯の乾きもよいので、寝汗をかいたらすぐに洗濯をしてもいいでしょう。
反対に冬は、寝汗をかかないように思えますが、冬も夏と同様に、寝ている間に、コップ1杯くらいの汗をかいています。
ですので、夏、冬を問わず、1週間に1度の頻度を目安に、シーツや掛けカバーの洗濯をするのがおすすめです。
しかしながら、毎回、洗濯をしても、同じシーツや掛けカバーを長く使い続けると、汗や汚れが布に浸透し、傷みが早くなってしまうこともあります。
このようなことを防ぐためにも、シーツや掛けカバーも替えの寝具を用意して、交互に使ったり、適度に新しいものに交換するのがいいでしょう。
寝具を洗濯する時の注意点
新しい寝具は、パッケージに入っていて綺麗だからと、開封してそのまま使ってしまいがちです。
しかし、使う前に1度、洗濯をしたほうがいいでしょう。
なぜなら、新品のシーツにはのりが付いていて、また、細かいほこりも繊維の中に入っています。
ホテル向けに、シーツなどの寝具を提供している会社は、必ず提供する前に「のり落としのための洗濯」をしているそうです。
これは、次の洗濯時のシワ防止にもなるからです。
洗濯の仕方は、できるだけ高温のお湯で、のりを溶かしやすい粉末洗剤を通常の5倍入れ、30分から1時間くらい洗濯します。
あとは、洗剤が残らないように、通常にすすぎをして干すだけです。
また、通常の頻度の洗濯の時にも、気を付けた方がいいこともあります。
ついつい、寝具をそのまま洗濯機に放り込みがちですが、布を傷めないように洗濯ネットに入れましょう。
シーツや掛けカバーは、大きめの洗濯ネットを使い、縦に3つ折りにして、じゃばらにたたんでから入れると、繊維の奥まで水が染み込みやすくなるようです。
たたむ時は、表側に背中や首が当たっている、汚れた部分が出るようにしましょう。
そして、汗の吸収を妨げないようにするため、できれば柔軟剤は使わないほうがいいようです。
どうしても、使いたい時には、量は控えめにしましょう。
洗濯の頻度を多くしても干し忘れはNG!
また、せっかく、洗濯の頻度に気を配るなら、干し忘れには注意しましょう。
洗濯機の中で、1晩寝かせてしまった寝具を慌てて洗濯機から出すと雑巾の臭いがするのは、雑菌が繁殖しているからです。
このような場合には、いつも使っている洗濯洗剤に、除菌効果のある「酸素系漂白剤」を加えてもう一度、しっかりと洗濯し直します。
そして、洗濯が終わったらすぐに、殺菌効果の高い天日干しをしましょう。
もし、天気が悪ければ、乾燥機を使って乾かします。
このように、洗濯機の中へ取り忘れを繰り返してしまったり、部屋干しをすると、その後、普通に洗濯をしても雑巾臭さを引きずってしまうこともあるので、注意しましょう。
これでは、清潔に寝具を使うことができなくなり、洗濯をした意味がありません。
これは、他の寝具でも、衣類でも同じことです。
さらに、梅雨時などは、洗濯機の中の洗濯槽もカビが生えやすくなるので、1ヶ月に1度くらいは、市販の洗濯槽クリーナーで洗浄するようにしておくといいでしょう。
また、通常の洗濯時でも、洗濯槽に残った糸くずなどのごみは、きちんと取り除いておきましょう。
寝具を干す頻度はどのくらい?
寝具の中でもシーツやカバー類は、適した頻度で洗濯をすることができますが、普段、洗濯ができない枕本体やお布団も干して、ケアを忘れずにしておきましょう。
素材によって干す頻度や時間は違いますが、
・綿布団は週に2回で、3~4時間程度
・化繊布団は週に1回で、1~2時間程度
・羊毛布団は月に2回で、陰干しで2時間程度
・羽毛布団は月に1回で、陰干しで30分~1時間程度
これらを干す時間帯は、共通して10時~14時を目途に干しましょう。
そして、大きなベッドマットレスは、天気のいい日に窓を開けた部屋で、立てかけて風通しをしましょう。
時間を置いて、上下や裏表の向きを変えることによって、中の湿気を逃がすこともできるので、スプリングを長持ちさせることもできます。
また、マットレスの上に敷く、キルティングやパイル地のベッドパッドなどの寝具は、シーツ類と考えて、干すよりもできれば週1回の頻度で、洗濯するのがおすすめです。
いずれも、洗濯できるものや、直射日光に当てて干してはいけないものもあるので、事前に取り扱い表示を確認しておくといいでしょう。
気持ちのいい寝具でいい夢を見よう!
どうしても、洗濯物が大量にあると億劫になりがちです。
そんな時は、通気性のいい素材やダニ予防加工などを施した寝具や、一気に大量の洗濯物を洗えるコインランドリーを活用してもいいでしょう。
また、替えの寝具を数枚用意しておくなど、工夫をしましょう。
最初は慣れないことでも、洗濯の頻度は、習慣づけると案外、苦にはなりません。
洗濯された気持ちのいい寝具で、いい夢をみませんか?