普段何気なく使っている電気ですが、突然つかなくなったりすることありますよね。
そんな時、新たな電球に変えるのですが、新しいものにしたはずなのになぜかチカチカと点滅したり、電球そのものがつかなくなったり…。
そんな電球の接触の不具合と、その改善方法についてまとめてみました。
電球の仕組みについて
電球と言えば、皆さんもよくご存知の丸いものを想像するのではないでしょうか。
その電球は、エジソンが開発したと思われがちですが、実は違います。
電球を開発したのはジョゼフ・スワンというイングランドの科学者であり、エジソンはその電球を一般で使えるように広めた功労者です。
一般的な電球は白熱電球と呼ばれ、球体のガラスの中にフィラメントと呼ばれる金属の線が入っており、これに電気を流すことで発光する仕組みになっています。
このように白熱電球の仕組みとしては非常に簡単で、おおよそ1000時間使用することができます。
手頃な値段と使用勝手の良さから様々な所で使用されていますが、省エネ効率やコストの面から、近年では蛍光灯電球やLED電球に変わってきています。
蛍光灯電球とは、蛍光管を電球の形にしたもので、白熱電球と同じ機器に使用できます。
蛍光管の端にある電極から電気を流すことで、内部に充満させたガスに電子をぶつけ、発光させます。
寿命はワット数によって変わりますが、およそ6000~13000時間と白熱電球の約6~13倍とはるかに長寿命です。
価格は白熱電球の2倍ほどしますが、白熱電球に比べ省エネであり、また電気代も1/5程度とコストも低いことから蛍光灯電球を使用するところも増えています。
そして、LED電球とは、白熱電球の様にフィラメントを使用したものではなく、発光ダイオードに電気を通して発光させる電球のことを言います。
一般的に、LED照明の寿命は約40000時間と言われています。
白熱電球に比べて初期費用はかかるものの、消費電力も白熱電球のおよそ8割も少なく、また点灯時のチラつきや点灯にかかる時間が圧倒的に短い、さらにランニングコストがかからないという利点から現在利用が拡大しています。
それでは、それぞれの電球の接触不良とその改善方法についてお教えしましょう。
白熱電球の接触不良の改善方法
白熱電球の不具合と言えば、思いつくのはいわゆる「切れた」という状況ではないでしょうか。
これは使用していくうちにフィラメントが劣化していき、ある日突然「バチッ」という音とともに電気がつかなくなるという症状です。
この場合は、新しい電球に交換することでまた明かりがつきます。
しかし、新しい電球に交換したのにそれでもチラつくという場合は、電球の接触不良が考えられます。
多くの場合、電球の接触の不具合には電球側に問題がある場合と、ソケット側に問題がある場合があります。
まず電球側の接触の問題は、電球側のお尻の部分にあるでっぱり、電極にあります。
電球に電気が流れるのには、ソケット側にある板バネと呼ばれる部分がこの電極に触れることで電気が流れ、点灯します。
しかし、ソケット内にある板バネに電極がきちんと接触していないと接触不良を起こし、チカチカしたり点灯しなくなることがあります。
また、電球の根元はソケットに入るようにネジの様になっていますが、これがきちんと一番奥まで入っていないことでも接触不良を起こします。
この場合の改善方法は、一度奥まで電球がきちんと入るように回しながら入れましょう。
稀にですが、ソケットの大きさと電球のネジ部分の大きさが合わない電球があります。
その場合は、ソケットの大きさに合う電球に取り換えるのが得策です。
そしてソケット側の問題として、板バネがうまく電球側の電極に当たらないと接触不良を起こします。
ソケットをのぞき込んでみると、中央に小さな金属の板がありませんか?
本来なら立ち上がっていないといけないこの板が、使っていくうちに奥へと下がってしまい、電球側の電極に当たらなくなることがあります。
この場合、電気を通さない物質でできた棒で、板バネを起こすという改善方法があります。
例えば割り箸など木でできたものは、電気を通しません。
少しずつ慎重に板バネを起こすのですが、あまり力を入れすぎたり一度に起こそうとすると折れてしまったりします。
折れてしまった板バネは、どうしようもできません。
そうなってしまった場合は、電気のプロに頼んで修理してもらいましょう。
蛍光灯電球の接触不良の改善方法
蛍光灯電球の点灯の不具合は、まず蛍光灯そのものの寿命を疑いましょう。
蛍光灯は根元が黒くなってくると寿命が近く、明かりも徐々に薄暗くなってきます。
この状態を使い続けると、近いうちに電気がつかなくなるので新しいものに換えましょう。
新しいものに交換してもチカチカする、点灯するのに時間がかかるという場合は接触不良を疑いましょう。
改善方法は白熱電球と同じです。
電球を奥まできちんと差し込む、ソケット側の板バネのへたり具合を確認することでほとんどの接触不良は直すことができます。
また、蛍光灯電球の近くにグローランプと呼ばれる豆電球のようなものがついているタイプのものは、グローランプの消耗で点灯しないこともあります。
新しい電球に換えたのに点灯に時間がかかる、チラつきがある場合はグローランプの交換もしてみましょう。
それでも改善が見られない場合は、専門家に修理を依頼し原因を突き止め、的確な対処をしましょう。
LED電球の接触不良の改善方法
近年、白熱電球や蛍光灯電球に変わって、使用率が上がってきているのがLED電球です。
白熱電球や蛍光灯電球に比べはるかに長寿命、そして省エネ効果が期待できるということで様々な場所で使用されていますが、電球は変えてもソケット部分は白熱電球の頃と変わっていません。
LED電球の接触が疑わしい時は、LED電球の銀色の部分の長さを見てみてください。
従来の電球より短い場合があります。
その場合の改善方法は、ソケット部の板バネを少し起こすことで届かなかった電球の電極に届き、点灯することがあります。
また、電球側の電極がソケット側に対して大きく、接触できないことで点灯しないこともあります。
その場合は自分でソケットを改造しようとせず、専門業者に相談することをおすすめします。
LED電球の場合でも、接触不良は白熱電球とほぼ同じです。
ソケット側の板バネと、LED電球側の接触に問題があると点灯しません。
LED電球は、回路が熱に弱く、放熱しやすい仕組みになっています。
そのため、従来のソケットに完全に入れることが難しい電球もあります。
無理やり付けたとしても、電極が接触していなければ点灯は難しいでしょう。
新しい電球を取り付ける際には、使用する機器と電球の形を確認してから取り付けましょう。
ソケットによる接触不具合の改善方法は
電球とソケット側の板バネの接触が悪いと、点灯しないことが分かりましたが、ではソケット側に問題があった場合の改善方法とは、どうすればよいのでしょうか。
卓上で使う電気スタンドのような、コンセントをつないで使用する機器はコンセントを抜くことで電気の流れを遮断し、感電の恐れはなくなります。
しかし、天井に付いているような電気機器の場合、ブレーカーを落としてからの作業になります。
家庭用の電気機器には100Vの電圧がかかっており、感電すると命に関わる重大な事故を起こす可能性があります。
そのため、決して自分で修理をしようとしてはならず、資格を持っている事業者に修理・改善を依頼する必要があります。
また、一日に何度もオンオフを繰り返すスイッチも、不具合を起こすことがあります。
スイッチの不具合の際も、電気を取り扱う資格を持つ事業者に修理を依頼しましょう。
電気は便利なものですが、一歩間違えば危険を伴います。
少しでも不安であれば専門家の意見を聞くことが大切です。
接触の不具合は意外なことが原因かも
電球も新しく換え、スイッチも異常がないのに接触が悪い時と同様にチカチカする、そんな場合は漏電やブレーカーの異常が疑われます。
漏電はその字の通り、電気がどこかで漏れていることです。
これは、放っておくと火災の原因になります。
また、ブレーカーの異常で電気がチラつくことがあります。
一旦ブレーカーをすべて落とし、再び入れることで改善することがあります。
しかし、それでも改善が見られない場合は、電気のプロに修理を依頼しましょう。
電気系統の改善方法は、自分ではできないことの方が多いです。
危険な作業になるので、安全を確保して修理ができる資格保有者に修理をしてもらいましょう。
少しの手間で快適な生活を送ろう
いかがでしたか?
電球の接触の不具合は、日常で起こりやすい事例です。
電極が少しでも不安定な接触であれば、チラつきや点灯の不具合が起きやすいです。
そんな時はこれまでの知識を生かし、快適な生活を送りましょう。