憎きベッドバグ(トコジラミ)!対策を知って楽しい旅行を

みなさんは「ベッドバグ」をご存知ですか?
「ベッドバグ」とは「トコジラミ」・「南京虫」のことです。

このベッドバグは、人の衣服や荷物に付いて移動をします。

様々な国の人々が、気軽に海外旅行ができるようになった昨今、それに伴ってベッドバグも世界各国に移動し、繁殖をしているのです。

恐ろしいですね!

噛まれると厄介な「ベッドバグ」への対策を書いていきますので、これから海外旅行を計画している人は必見ですよ。

旅行で遭遇するベッドバグとはどんな虫?

英国圏で「ベッドバグ」と呼ばれている南京虫は、トコジラミ・床虫とも呼ばれているカメムシ目トコジラミ科の吸血昆虫です。

大きさは通常5~7ミリ、その子どもは1~4ミリほどで、卵は1ミリくらいの小さな乳白色です。

ベッドバグは、脱皮を生涯、計5回繰り返して成虫になります。
体の色は茶色ですが血液を吸うと黒っぽくなり、楕円形の体も丸くなります。

成長と共に大きくなり、肉眼ではっきり見ることができますが、夜行性の彼らは明るい日中は、ベッド・ソファ・家具の隙間・カーテン・机の引き出しなどに潜んでいます。

そして、夜になると、人の息に含まれる二酸化炭素を感知して、餌となる血液を求めて活動を開始するのです。

しかし、まれに、条件によっては昼間でも吸血することがあります。
ベッドバグの幼虫は6日前後を過ぎると卵からかえり、すぐに吸血を開始するからです。

そして、幼虫は1~3ヶ月を経て成虫になり、21度~28度の暗く湿気の多い場所で生息しています。

ですが、飢餓に強い昆虫とも言われており、室温18度~20度くらいでも、1年以上生存することができるのです。

また、ベッドバグは爪の付いた脚で、布や木などの、爪が引っ掛かりやすい場所を移動しますが、飛ぶことはできないため、旅行をしている人間の荷物や衣類にくっついて、世界各国を移動しているようです。

最近では、殺虫剤に強い「スーパー南京虫」も確認されていて、四季のある日本でもベッドバグ対策は大きな課題になっています。

旅行の最中、ベッドバグに噛まれた時の対処と対策①

もし、旅行の宿泊先でベッドバグに噛まれた時は、どうしたらいいのでしょうか。

ベッドバグに噛まれると、彼らが血を吸う時に出す唾液が引き起こすアレルギーにより、とてつもないかゆみに襲われます。

ベッドバグは、顔・首・腕・脚・胸まわりなどの皮膚の柔らかい箇所を狙い、噛まれてしまった痕は赤い腫れや熱、水泡などの症状が出ます。

その噛み穴は1つ穴が多く、1ヶ所だけではなく、その周辺にも連続した痕ができるのが特徴です。
多くの場合は、2日目以降にかゆみが増し、人によっては症状が出るまでに、2週間かかる場合もあります。

また、まれに、かゆみが出ない人もいますが、アレルギー症状を発症したり、熱が出る場合もあります。

噛まれたら、まずは掻かないことが先決です。

ベッドバグに噛まれると、経験したことのないようなかゆみに悩まされますが、掻きむしってしまうと嫌な痕が残るかもしれませんので、十分、気を付けましょう。

そして、噛まれた患部を清潔にし、かゆみをやわらげるために、冷やしましょう。
入浴後は、冷たいシャワーで患部を冷やしてから、虫さされなどの塗り薬を塗り、清潔を保ちます。

皮膚が弱い人や、患部が異常に腫れた場合は、皮膚科に受診することが賢明でしょう。

かゆみは1週間ほど続くので、薬を塗って対処しつつ、ひたすら耐えるだけになるので、精神的にも参ってしまうかもしれません。

蚊やブヨのレベルではなく、噛まれた後は周囲が赤くなり、痕跡が消えるまでに約2週間以上はかかることもあり、非常に厄介と言われています。

辛い思いをしないためにも、噛まれた時の対処と対策は、覚えておいて損はないでしょう。

旅行の最中、ベッドバグに噛まれた時の対処と対策②

では、旅行の宿泊先で、ベッドバグに噛まれないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。

遭遇したらすぐに潰したほうがいいのですが、1匹殺しても数匹存在することが予測されます。
真っ先にお部屋、ドミトリーならベッドを変更してもらいましょう。

それでも不安な場合や「1泊だけなので我慢しよう」という場合は特に、ベッドバグから身を守る方法を覚えておきましょう。

彼らは夜行性で、夜中1時~5時くらいに活動をするので、寝ている間に噛まれることがほとんどです。

まずは、ベッド周りを防御しましょう。

シーツに虫よけスプレーを散布することや、ベッドバグの苦手なハッカの臭いのする精油を水、または無水エタノールで薄めて散布することが効果的です。

他にも、シトロネラ・ゼラニウム・ユーカリ・オレンジ・ペパーミントの臭いも効果的と言われています。

シーツに散布しただけでは不安な人は、直接、体に塗るタイプの虫よけを塗るといいでしょう。

余力があれば、ベッドバグがベッドに登って来られないように、ベッドフレームや脚の部分に、つるつるしたテープなどを巻いて、対策をしてもいいでしょう。

効果が期待できる薬と殺虫剤

ここでは、もっと具体的に、どのような薬と殺虫剤が効果があるのか、ということについてご説明します。

まず、先ほども書きましたが、噛まれてしまったら「掻かないこと」が1番です。

そして、早期回復につなげるために、「殺菌作用のある」クリームやローション、アレルギー性の痒みを和らげる抗ヒスタミン薬や、ステロイド剤などを塗っておきます。

メンソールやカンファーなどの成分が含まれている、筋肉痛や精神疲労にも効く軟膏でもいいでしょう。

このような薬でかゆみを止める他にも、けがをした時と同じように、清潔を保ち自然回復を待ちます。
かさぶたができても、取ってはいけません。

また、万が一、過剰な皮膚反応や熱やじんましんが出てしまった時は、医師の診断を受けましょう。

体質にもよりますが、傷痕が消えるまでは数ヶ月かかるケースもあるようです。

また、対策についての補足ですが、噛まれる前にベッドバグに遭遇したら、すぐにティッシュペーパーなどで、潰してしまうか、殺虫剤を使用します。

スプレー缶などは、海外旅行には持って行くことができないので、殺虫剤を購入するなら現地調達するしかありません。

その際の殺虫剤は、蚊・ゴキブリ・ダニ用のもので応急処置をしましょう。

ベッドバグの駆除は宿泊先の業務なので、旅行で宿泊したゲストには、基本的に駆除をする義務はないのですが、やはり「自分の身は自分で守る」しかありません。

ベッドやシーツに虫よけしたり、ベッドバグの嫌いな臭いを散布する他にも、ツルツルのビニールのごみ袋やレジャーシートをシーツの上に敷いたり、電気をつけたまま寝る…などの対策をしてもいいでしょう。

先手必勝!ベッドバグを見つけて早期対策をしよう

さらに、先手を取って、ベッドバグに噛まれる前に宿泊場所にベッドバグが潜んでいるかどうかのチェックをしてから対策をしましょう。

旅行での宿泊先が、ゴミ一つないきれいなホテルでも、ベッドバグが潜んでいる可能性はあるのです。

ベッドバグは、吸血源があれば住み着くので、どれだけ、お部屋やベッドが清潔であっても、あまり関係がないと言われています。

チェックのコツですが、まず最初にシーツや枕を見てみてください。
黒くなった血のシミがある時は、ベッドバグが潜んでいる疑いがあります。

それは、寝ている間に寝返りなどで潰されたベッドバグの痕跡です。

さらに、マットレスの縫い目の部分を開いて、隅の部分にゴマのように黒い糞や抜け殻があったなら、彼らの住み家であることは間違いないのです。

カーテンのヒダやソファーの隅などにも潜んでいたり、白い米粒状の卵もあるかもしれません。

また、少し勇気があれば、就寝前に電気を消し、少しベッドの上でくつろいで様子をうかがうといいでしょう。

夜行性のベッドバグは、人の臭いに敏感なので行動を開始するはずです。

このようにして発見しなかった場合でも、心配であれば、虫よけスプレーなどを撒いておいてもいいかもしれません。

ベッドバグと一緒に帰宅しないために!

旅行の最中にベッドバグに遭遇したり、噛まれたら、帰国前にスーツケースや衣服を必ずチェックしましょう。
なぜなら、ベッドバグは飛ぶことができないので、物に付き移動をするからです。

以前、飛行機の機内で子どもがベッドバグに噛まれた、という報道もあったように、自分以外の人も被害にあう可能性があるのです。

まず、宿泊先を出る前に、お洗濯していない衣服があれば、大きなごみ袋に密封してから持ち帰るようにしましょう。

そして、帰宅したらすぐにお洗濯をし、必ず、乾燥機にかけましょう。

ベッドバグは50~52度の高温20分で死滅し、卵は90分で死滅すると言われています。

他にも、スーツケースやバックも、彼らが潜みやすい角や縁の部分を重点的にチェックしましょう。

それでも、もし最悪にもご自宅でベッドバグを発見してしまった場合は、すぐに駆除をする必要があります。

ベッドバグの繁殖力はとても早く、知らない間に卵を産んで孵化されないように、早急に駆除と対策をしましょう。

まず、ベッドバグが潜んでいそうな場所をチェックします。

ベッドバグを見つけたら、その場で殺虫剤を直接噴霧しますが、多くの場合は隠れていることが多いので、残効性のある殺虫剤を残留噴霧しておきます。

その他に、掃除機を使って吸引する方法もあります。

ベッドバグの卵は吸い取りにくく潰れにくいので、卵を潰すように擦り付けて吸引し、吸い取ったゴミはビニール袋に密封し破棄して、使用した掃除機も洗いましょう。

また、スチームクリーナーで熱湯、熱風での駆除も効果的です。

ベッドバグの弱点は、「高温と乾燥」「殺虫剤」「つるつるしたところは登れない」ことです。
ですので、場所や物によって、駆除・防御する方法を組み合わせることをおすすめします。

かゆみで苦しまない楽しい旅行にしよう!

ベッドバグに噛まれ、とてつもないかゆみと精神的ダメージを受けた人は、少なくありません。

噛まれる前に、少しでも知識を持っていて対策ができていれば、慌てることも、滅入ってしまうこともないのです。

今でも、この虫の存在さえ知らないという人も多いと思います。
ですが、海外旅行で予期せぬトラブルが起こらないように、今回ご紹介した対策を覚えておきましょう。