賃貸アパートに住んでいる人は、設備に故障が生じたり破損した場合、費用の負担はどうしたらいいのか、疑問に感じているのではないでしょうか?
中でも照明器具の故障や破損は、突然起こります。
基本的には決まっていることでも、ケースバイケースになることも多いので、対応できるようにしておくことが大事です。
慌てたり、もめ事にならないようにきちんと把握しておきましょう。
賃貸アパート入居前に照明器具の有無を確認!交換費用の負担は?
賃貸アパートに入居する時、多くの物件には照明器具は付いていません。
しかし、賃貸には各居室以外の初めから付いている照明器具もあります。
玄関・洗面所・キッチン・廊下などで、ほとんどの賃貸アパートにすでに付いているのが、一般的です。
もしも、入居前に上記の照明器具が付いていない場合は、オーナーや管理会社へ聞いてみましょう。
これらの照明器具の電球や蛍光灯の交換費用は、使っている入居者が購入して負担します。
電球や蛍光灯は使っていれば消耗していきますので、入居者の負担で交換することになるのです。
しかし、室外に付いている階段や共有スペースの電球は大家さん負担になりますから、電球や蛍光灯が切れていたら、オーナーか管理会社へ連絡すれば交換してくれます。
ただし、玄関前の照明器具でスイッチが室内にある場合は、入居者が交換し費用を負担することになるので、玄関前に照明器具がある賃貸アパートであれば、スイッチ場所を確認しておくとよいでしょう。
また、玄関・洗面所・キッチン・廊下の電球や蛍光灯が、高い位置にあって自分で交換ができない場合には、業者に依頼するか、オーナーや管理会社へ連絡します。
その際の費用は、基本的に入居者が負担をすることになります。
そして、各居室の照明器具は自分で準備をして、居室以外の照明器具の消耗品も入居者が負担をします。
ただし、居室以外の設備としての照明器具の故意過失以外の故障は、オーナーが費用負担をします。
賃貸アパートに付けてもらった照明器具の負担は?
賃貸アパートの各居室には照明器具が付いていないところもありますが、入居前に取り付けてもらった人もいるのではないでしょうか?
入居時に照明器具を揃えるのが面倒なことや、退去時の引越し荷物のことを考えて大家さんに交渉し、照明器具を特別に付けてもらったケースです。
照明器具の購入負担をすべてオーナーがしてくれたのなら、消耗品の電球や蛍光灯はもちろん、各居室に付けてもらった照明器具の故障は、故意過失でない限りはオーナーが負担します。
しかし、まれに契約時に交渉して、敷金や礼金を少し多めに払い、照明器具を取り付けてもらえたケースもあります。
その場合、新たに取り付けた照明器具にかかった費用をオーナーに半分負担してもらい、半分は入居者が敷金や礼金として上乗せして払い、退去時には照明器具はすべて置いていくという交渉内容があります。
そのようなイレギュラーな内容は、契約書や重要事項説明書の中に特約として記載されているので、よく確認しておきましょう。
特別な理由がない限りは消耗品は入居者負担で、器具自体の不具合でない故意過失も、破損等は入居者が負担することになっています。
また、このようなイレギュラーではなく、もともとオーナー負担で取り付けてあった居室照明に関しても、同様になります。
賃貸アパートの照明器具が残置物の場合の負担は?
ここまでは、オーナーか入居者かどちらが購入した照明器具かどうかで違いがありましたが、第3者の残置物の場合にはどうしたらよいのでしょうか?
その第3者とは、自分が入居する前の賃貸アパートに住んでいた前入居者のことで、残置物とは前入居者が置いていった設備のことをいいます。
残置物で多いのが、照明器具やエアコン、温水洗浄便器などだそうです。
このような残置物が、部屋の中に設置されていれば使っても構いません。
ただし、注意していただきたいのは、消耗品は入居者が負担しますが、故障をした場合にオーナーが修理負担をしてくれるとは限らないということです。
「設備」として契約書や重要事項説明書に記載があるのなら故意過失の故障でない限りは、オーナーが負担をします。
一方、「残置物」としての記載があれば、その照明器具が故障した場合には、オーナーの負担ではなく入居者が負担をして修理をしなければなりません。
オーナーは、その残置物の保証はしないということです。
また、不要であれば処分をしてしまってもよい場合もありますが、事前にオーナーか管理会社に確認をとっておいた方がよいでしょう。
賃貸アパートに自分で照明器具、エアコンを取付けたい場合は?
「設備」でも「残置物」でもない、自分で購入して取り付けた照明器具の場合、故障や破損が生じた場合には、修理費用や交換費用は入居者が負担をします。
修理しきれずに新しい照明器具を設置する時に、電気配線を新たに増やしたり、また、天井や壁に穴を空ける作業が伴う場合には、オーナーか管理会社に連絡をしましょう。
その際、照明器具の変更は自由ですが、その他の設備等を変更する場合にも連絡をし、許可をもらうようにしておくとよいでしょう。
また、シーリングファン付きの照明器具などを取り付ける場合には、天井に負担がかかるため、天井の補強作業も関係してきます。
その時は、他の照明器具を選ぶかオーナーや管理会社の許可を必ずとるようにしましょう。
その他に、照明器具以外に新たにエアコンを取り付ける場合は、特に注意をしましょう。
エアコン取り付け工事は、賃貸アパートの壁に穴を空けなくてはならないので、必ず許可が必要になります。
もし、勝手にエアコンを取り付けた場合は、トラブルになりかねません。
入居時にエアコンを新たに取り付けることがわかっている時は、事前にオーナーか管理会社へ許可をとっておくようにしましょう。
賃貸アパート退去時の現状回復費
また、賃貸アパートの原状回復費用の基本は、貸主の負担になります。
原状回復費用は、借りた人が借りた状態に戻すということではありません。
原状回復ガイドラインでは、借りた人の故意過失や不注意、通常の使用を超えるような使用による、損耗や毀損の費用負担は借主となっています。
ですが、通常の使用の範囲内であるものや、経年劣化、自然損耗による修繕費用は、賃料に含まれているのです。
ですから、どんなに短い期間でも長い期間でも、普通に暮らしていれば、退去の費用は必要ないとされています。
つまり、通常の掃除や退去時の掃除をしていればよいのです。
しかし、照明器具では直接、天井に付けた跡などがあった場合には、修繕費用として負担しなければなりません。
他には、壁などの釘やねじ穴(下地ボードの張替えが必要になるもの)や結露を放置したために広がったカビやシミなども借主負担です。
台所の過度の油汚れでも、退去費用が発生することもあるので、日頃から気を付けましょう。
このように、照明器具以外でも、費用負担が発生するので気を付けてください。
賃貸アパートの退去時の照明器具はどうしたらよい?
賃貸アパートの入居時に自分で購入した照明器具は、取り外して退去することが原則です。
しかし、どうしても取り付けたままで、置いていきたい場合は、オーナーさんか管理会社に相談してみましょう。
お金をかけた照明器具は、いっそのこと買取をして欲しい気持ちはありますが、基本的に買取はしてくれません。
また、入居時に付いていた照明器具が気に入らず、自分で購入して取り替えた人もいるでしょう。
そのような場合には、入居時に取り付けてあった照明器具を再度、取り付けてから退去をします。
万が一、前の照明器具を捨ててしまった場合には、自分で付けた照明器具を取り付けたままにして、退去するようにしましょう。
これは、原状回復とは違いますが、後付けした照明器具が以前に付いていたものと同様の役割を果たしていれば、賠償請求などをされたということは聞いたことがありません。
また、照明器具が古くなってしまい引越し先でも使えないので、廃棄処分をオーナーさんや管理会社へお願いしたい場合もあるかもしれません。
しかし、廃棄費用を負担させられるかもしれないので、自分で処分をして退去した方がよいでしょう。
その際には、地域によって廃棄処分の仕方が違いますから、地方自治体などに確認してください。
照明器具のことで悩んだら契約書などで確認しよう
照明器具などの故障や不具合は、突然やってきます。
慌てないように、入居前に確認をしておきましょう。
また、アパートの賃貸契約を交わす前に、照明器具他の費用負担が心配であれば、契約書や重要事項説明書への記載をお願いしてもよいかもしれません。
いずれにしても、あとから突然の費用負担に慌てないように明確にしておくことが大事です。