省エネ化時代に突入している現代、ちょっとしたものでも省エネのために行動するようになったご家庭は多いでしょう。
例えば、節電のために電気のオンオフに気を遣ったりします。
使わない時には、電気を消す。
節電の鉄則ですが、「蛍光灯2本を見直すことで、電気代を節約できる」という話もあります。
つきが悪くなった蛍光灯は2本一気に取り替えた方がいい!?
よく、「つきが悪くなった蛍光灯は2本一気に取り替えた方がいい」というお話があります。
実際にはどうでしょうか?
単純に考えると、使えなくなった1本は取り替えるのは当然なのですが、まだまだ元気なもう片方まで取り替えてはもったいない気がしますね。
この考え方は、正しくもあり間違っているともいえます。
家庭用の蛍光灯を考えてみましょう。
家庭用で一般的に用いられている蛍光灯のタイプは、グローランプを使って点灯するものです。
このグローランプというのは、電灯を点灯させる安定器が2個入っている並列式のものなので、1本だけ取り替えて点灯することが可能です。
しかし、企業などの場合には蛍光灯を数多く使います。
オフィスなどで多用する蛍光灯の安定器にはコンデンサという、消費電力と流れる電流の誤差を高力率にする目的の部品が備わっています。
このコンデンサを使って安定器を小さくする目的で、直列式になっているため、企業で使っている蛍光灯は家庭用とは違って、2本一気に替えた方がいいという原理なのです。
また、これはラピットスタート式といい、企業ではこの形式を使用しているのが一般的です。
2本一気に取り替えるといいというのではなく、正しくは、直列式、並列式の違いで取り替える本数が変わるというのが正解なのです。
蛍光灯2本を取り替える必要があるラピットスタートとグローランプの違いを考える
では、節電につながる蛍光灯の取り替え方はどういったものでしょうか。
蛍光灯を取り替えるなら2本とも取り替えるとよいのは、企業などで使用している蛍光灯が多いものだと前述しました。
しかし、ご家庭で使用している蛍光灯がすべて、グローランプ式だとは限りません。
まず、ご自分が使っている蛍光灯が「何式」なのか把握しておきましょう。
2本とも通電していないと逆に電力がかさむといったタイプのラピットスタート式を使っている場合には、点灯しているときよりも予熱電力がかかるといった特徴があります。
また、蛍光灯が通電しない場合、2本とも点灯しないといったものもあります。
ラピットスタート式の場合には、もし1本がまだつくようであっても、2本を一気に取り替えなくてはなりませんね。
対してグローランプ式ならば、つかなくなった1本のみ取り替えて使用することが可能です。
まだ使える蛍光灯を取り替えるという無駄がなくて済むところが、ポイントです。
こうしてみるとラピットスタート式は、節電にとても不利なように見えます。
ところが、実際はグローランプ式に比べて節電対策にいいタイプなのです。
蛍光灯2本を1本に!ダミー管を利用しよう
ラピットスタート式の蛍光灯は通電時に大きな電力の負荷がかかり、もし1本がつかなくなったら2本一気に取り替えるのが基本であると書きました。
では、蛍光灯を2本使うのではなく、「1本だけにして電力を抑えることができるものがある」といったらどうでしょう。
ラピットスタートは2本が通電していないとつかないようになっていますが、1本のみ利用できるようにすることが可能なものが、ダミー管というものです。
このダミー管とはどういったものなのでしょうか。
企業のオフィスなどを覗くと、よく蛍光灯の1本だけ点灯している風景を見かけます。
1本の電灯が切れているのではなく、よく見ると蛍光灯の形はしているけれど、ちょっと違うものであることがわかります。
これがダミー管です。
ダミー管は、通電はするけれど蛍光灯のように光ることはありません。
2本が通電していないと点灯しないラピットスタート式の蛍光灯を、1本だけ点灯させることで節電対策につなげられる、画期的なものです。
ただし、点灯するのを1本に制限できても、ダミー管自体の安定器が電力を消費しますので、制限できる電力は50パーセント以下となります。
蛍光灯2本をダミー管に替えるときにあると便利なアイテム
蛍光灯2本をダミー管に替えると、節電対策にとても効果がありますが、ちょっとだけ不便になることがあります。
蛍光灯が2本あるところが1本に減ってしまうのですから、当然明るさは半減してしまいます。
ただ「暗いところに電灯の明かりがあればいい」という場合にはそのままでいいのですが、オフィスなど細かい作業をする可能性がある場所では、あまりに明るさが足りないと作業がしづらく、目の健康にも影響が出てしまいます。
そこで、蛍光灯2本のうち1本をダミー管に替える時には、蛍光灯反射板というアイテムを併用することをおすすめします。
その名の通り蛍光灯の明かりを反射させ、明るくするのが目的のアイテムです。
通常の明るさの2倍は確保できますので、もし節電のために蛍光灯を2本から1本にしたとしても、反射板を使えば暗くならずに済みます。
ただし、反射板が取り付けられない場合があります。
ラピットスタート式なら大丈夫ですが、グローランプなどの突起物が取り付け位置にあるものや、ルーバーがある場合には、反射板が取り付けられませんので注意が必要です。
蛍光灯2本を取り替えるときにやってはいけないこと
蛍光灯2本を取り替えるときに気を付けることがあります。
まずは、ご自分が使用している蛍光灯の種類を混同しないということです。
例えば、白熱灯を使用しているのに、1本はLEDにしたりすると電力のバランスが崩れる恐れがあります。
2本は同じ種類のものに統一しましょう。
また、グローランプのつき具合もよくチェックしておきましょう。
蛍光灯を替える場合は、電気がつかなくなるので取り替え時がはっきりわかりますが、グローランプが切れていることに気付かないでいて故障だと思う方も結構多いのです。
一番良い方法は、グローランプのストックを供えて置き、いざつかないとなったら、すぐに取り替えられる環境を整えておくことです。
蛍光灯に関することだけでなく、予備を供えるということは様々な場面でもいえることですね。
蛍光灯とLED、メリットが多いのはどちらか?
近年、省エネ対策にLEDを使うといいといわれています。
どこの電気屋さんや家電量販店に行ってもLEDコーナーが充実していて、省エネにもってこいという売り言葉が定着しつつあります。
しかし、実際には蛍光灯とLEDではどちらがメリットが多くあるのでしょうか。
まず、蛍光灯2本とLED2本では、購入時の価格に差が出ます。
現在ではLEDの方が少しお値段が張りますが、長持ちするといった耐久度については、LEDに軍配が上がります。
消費電力についても、LEDの方が確かに安く済みます。
しかし、明るさを考えれば、蛍光灯の方が断然明るいのです。
電灯の明るさが明るいものを追求するなら、蛍光灯の方がいいといえます。
また、シーリングライトなどに例えていえば、LEDは専用のものを購入しなければなりませんが、蛍光灯は、蛍光灯だけ取り替えさえすれば10年に1回から2回程度の交換で済むといったメリットがあります。
どちらがお得に感じるかは様々な意見に分かれそうですが、明るさや交換といったポイントを押さえれば、蛍光灯が有利であるといえますね。
蛍光灯を替えようと思ったら
蛍光灯を替える必要がある時には、省エネにつながる替え方をしたいものですね!
そのためにもまず、ご自分の使用している蛍光灯の形式と種類などを、あらかじめ調べておくことが大切です。
家庭用なら大抵がグローランプ式ですので、状況に応じて片方だけの取り替えで済ませたり、グローランプを常備しておくなどの対策をしましょう。
ラピットスタート式なら、蛍光灯を一気に2本取り替えるか、1本だけダミー管に替えることで大きな節電対策につながりますので、覚えておきましょう!