「寝室にベッドを置く余裕がない」「ベッドフレームに必要性を感じない」といったケースにおいては、フレームなしのままマットレスを直敷きしている方もいるようです。
このように、通常はベッドフレームにのせて使用するマットレスを床上に置いておく場合、どのようなことに気を付けていくべきなのでしょうか。
また、快適に使っていくためのポイントや、かさばりやすいベッドの代用品についてもご紹介します。
マットレスをベッドフレームなしで使うとどうなるの?①
まずはじめに、ベッドフレームなしの状態でマットレスを床上に敷くと、どのような問題が発生してしまうのか考えてみましょう。
やはり、最も気になるのは「湿気」です。
マットレスが床上に直接敷いてあると、湿気の逃げ道がなくなってしまいます。
そもそもベッドフレームは、マットレスにこもりがちな湿気を逃す役割を担っていると言います。
床上からマットレスまで、ある程度の空間を確保することで、就寝中に生じた熱や湿気が放出できるような仕組みとなっているのです。
こうした湿気は、下へ下へと溜まっていく性質があるので、マットレスの下部にはカビが発生しやすくなります。
カビが生えやすい場所には、ダニやチャタテムシなどの害虫が住み着く可能性も高いのです。
よって、そのまま放置しておけば、アレルギー反応の原因となることも考えられるでしょう。
また、お部屋がフローリングの場合は、調湿性のある畳を使った和室よりも注意が必要です。
もちろん、畳のお部屋であっても油断はできません。
もし建材にまでカビが生えてしまうと、対処に相当な費用がかかってしまいます。
賃貸物件にお住まいの場合だと、より苦労してしまいそうですね。
そうならないためにも、なるべく湿気を溜めないようにする工夫が必要になるでしょう。
マットレスをベッドフレームなしで使うとどうなるの?②
前項では、ベッドフレームなしのままマットレスを使用していると、湿気によってさまざまな問題が生じてしまうことを取り上げました。
しかしながら、難点はそれだけに留まりません。
マットレスをベッドフレームの上にのせていないと、汚れやすくなるというリスクもあります。
床上の小さなゴミやホコリは舞いやすく、直敷きしたマットレスに付着しやすくなるでしょう。
さらに、ソファのような感覚で使用していれば、マットレスに触れる機会も多くなるため、その分汚れやすくなります。
基本的に、マットレスは丸洗いできないことも多いので、汚れがひどくなると厄介ですね。
また、マットレスを直敷きしているとホコリを吸い込みやすくなるので、健康にもよくないという意見があります。
たしかに、ホコリが口の中に入りやすくなることは否定できません。
少しでも気になるようなら、高さのあるベッドフレームを用意したほうがいいでしょう。
床置きのマットレスには湿気対策が必須!
これまで、マットレスをベッドフレームなしで直敷きすることの注意点や、リスクについてお話ししてきました。
中でも気を付けたいのは、さまざまな問題の要因となる湿気です。
湿気によって黒カビが発生してしまうと、黒い斑点を完全に取り除くことは難しいと言います。
これでは、健康上や見た目にもよくありません。
高価なマットレスも多いですから、このような事態に陥る前に対処していきたいものですね。
湿気対策としては、定期的にマットレスを立てて乾燥させることが挙げられます。
厚みのあるスプリングマットレスの場合なら、そのまま側面を利用して立てるだけで大丈夫です。
少しでも不安定なときは、壁を利用して斜めに立てかけてみましょう。
そして、なるべく底面に空気が触れるよう配慮してみてください。
このとき、扇風機で空気を送ってあげると、より効果的です。
また、床上で直敷きすることを前提にしていれば、メンテナンスのしやすい折りたたみタイプのマットレスもおすすめです。
比較的軽量で扱いやすいため、気軽にお手入れすることができます。
分割できるタイプもありますので、ご自分のお好みや用途によって選んでみましょう。
ベッドフレームの代わりになるアイテム
マットレスをベッドフレームなしで使っていく場合、底面の通気性を改善する必要があります。
そこで、湿気対策に適したアイテムを活用してください。
代表的なものをピックアップしたので、湿気の程度によっては併用することも視野に入れてみましょう。
●すのこベッド
木材を連結した構造のすのこベッドは、寝具の通気性を高めます。
マットレスの下部に空間を生み出すことで、湿気が溜まりにくくなるでしょう。
しかしながら、すのこベッドを使っていても定期的にマットレスを乾燥させる必要があります。
●除湿シート
シリカゲルなどを使用した除湿シートは吸湿性に優れています。
天日干しをすれば、何度も繰り返し使える製品が多いことは、うれしいポイントですね。
干すタイミングが一目で分かる仕様だと、よりお手入れしやすくなります。
●ベッドパッド
マットレスの上にベッドパッドを敷いてみましょう。
敷布団を敷くよりも、湿気がこもりにくくなると言います。
また、マットレスの汚れを防ぐ効果もありますから、一石二鳥のアイテムですね。
おしゃれな「パレットベッド」ならインテリア性抜群!
前項では、ベッドフレームなしでマットレスを使用する際の湿気対策アイテムとして、すのこベッドをご紹介しました。
すのこベッドは、通気性を高める優秀なアイテムですが、「インテリア性に欠けてしまうのが残念だ…」という声もあります。
そこでおすすめしたいのは、「パレットベッド」です。
パレットベッドは、荷物を運ぶために使われる荷台を利用しており、フォークリフト用の差込口があいているのが特徴です。
木材の質感や風合いをそのまま感じられ、近頃人気のDIYアイテムとなっています。
通常のベッドフレームよりも簡易的な構造で、大がかりな組み立てが必要ないものも多いです。
さらに、コンパクトタイプやロータイプを選べば、搬入時のトラブルを心配しなくてもいいでしょう。
また、すのこベッドよりも高さがあるので、通気性は抜群です。
「お部屋に圧迫感が出てしまうからベッドを置かない」「ベッドの組み立てが面倒」という方や、「少しでもおしゃれなインテリアにしたい」という方にもおすすめです。
ベッドフレームなしでマットレスを使う場合にもメリットはある
最後になりますが、ベッドフレームなしでマットレスを使うことで、ちょっとしたメリットもあります。
「ベッドをあえて置かない」という選択をおすすめしたいケースは、次の通りです。
●引っ越しが多い
お仕事の関係などで引っ越すことが多い場合には、わざわざベッドを持ち込む必要はないと考えます。
単身赴任の可能性がある場合も同様です。
そのほうが、引っ越し費用が安くなりますし、ベッドの解体や組み立てといった手間や時間もかかりません。
●部屋が狭い
大きなベッドを置いてしまうと、お部屋が一気に狭く感じてしまいます。
狭いワンルームにお住いの方は、特に注意が必要でしょう。
それでもベッドが置きたい場合には、先ほどご紹介した「パレットベッド」のようなロータイプのものがおすすめです。
このように、ご自分のライフスタイルや住居環境によって選択してみましょう。
湿気対策をすれば快適に眠れる!
この記事では、ベッドフレームがない状態でマットレスを直敷きするときの問題点や、その対策についてお話ししてきました。
ベッドフレームを利用せず、なおかつマットレスのメンテナンスを怠っている方は要注意です。
マットレス底面の通気性に配慮しながら、湿気対策となるアイテムを活用しましょう。
少しの工夫で、今よりもっと快適な生活が送れるようになりますよ。