高級ホテルのベッドは寝心地も良く、ぐっすりと眠ることができるベッドが用意されていることが多いです。
そんな高級ホテルでは、どのようなメーカーが採用されているのでしょうか。
今回は、世界の高級ホテルで採用されているメーカーから、日本国内の高級ホテルでも採用されているメーカーまでご紹介していきます。
それぞれのメーカーの商品などを詳しく見ていきましょう。
眠りの質を変えたい!世界中にファンが多い【シモンズ】
シモンズは、「人生を変えるベッド・マットレス」のキャッチコピーで有名です。
1870年にアメリカから始まったメーカーで、日本ではシモンズ株式会社という名称で、1964年設立、1987年に独立しました。
日本国内の高級ホテルはもちろん、世界中の高級ホテルでも採用されているメーカーです。
シモンズは創業以来140年もの長きに渡り、最上の眠りを追求してきました。
さらに、お客様の声を商品開発にフィードバックしています。
「世界のベッド」と言われるほどに、世界中から愛されている寝具メーカーです。
常に最新の睡眠科学を研究し商品開発に取り組んでいて、体も心も満たされる眠りと目覚めを科学的に追求しています。
シモンズのポケットコイルマットレスは世界でもトップクラスのシェアを獲得しています。
「ビューティーレスト」というシリーズを知ると、良質な眠りへのこだわりを感じる点が多く、人気が高いのも頷けます。
市販されているマットレスには多くの種類がありますが、スプリングの硬さが伝わらないように詰め物を入れて、寝心地を調整しているタイプもあります。
しかし、長年使っているとその詰め物が劣化し、ヘタリが気になるようになってくることもあるでしょう。
その点、シモンズのポケットコイルマットレスは「スプリング」で寝心地を調整することができます。
超硬鋼線のスプリングは、JIS規格ピアノ鋼線と同じ強度を持つと言われていて、高レベルな弾力性と耐久性を実現しています。
価格は安くありませんが、「良いものを長く使いたい」という方にとっては、非常にコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
世界の有名高級ホテルでも使われているメーカー【シーリー】
シーリーは、アメリカの大手の寝具メーカーで、テキサス州のシーリータウンで1881年に創業しました。
整形外科医と連携して、体の凹凸や体圧にあわせて反発力が変化する「ポスチャーテックコイル」。
そして、圧点を最小限に抑えて不要な寝返りを減らすことを追求した「プレッシャーリリーフ・インレー」など、独自の技術を次々と商品化しています。
世界30カ国以上の高級ホテルを中心に採用されていて、多くの高級ホテルでシーリーのベッド、マットレスが愛されているのです。
もちろん日本でも、シーリーを採用しているホテルは存在します。
現在はテンピュール社に買収され、正式名称は「テンピュール・シーリー社」になっていますね。
シーリーには、「クラウンジュエル」というシリーズがあり、このシリーズにシーリーの最新テクノロジーを全て注ぎ込んでいるようです。
こちらのマットレスは、「レスポンシブ・サポート・テクノロジーコイル」という技術を採用しており、これにより宙に浮いているかのような、かつてない寝心地を体感できるそうです。
体を優しく包み込むと同時に、最適な反発力でしっかりとサポートすることで、この上ないフィット感を実現しています。
また、「レスポンシブ・サポート・テクノロジーコイル」は、3層の反発力でふんわりと包み込むような優しい寝心地を実現しています。
3層の反発力は、アメリカで特許取得している「シナーフレックス・サーフィス」というサポートと、2層の異なる形状のコイルで成り立っています。
原材料にチタンを含有させて強度を高めると共に、配列を交互にすることで、コイルの傾きを補正しています。
シーリーは、このような特許なども使われた寝具で、世界中から高い評価を受けています。
高級ホテルでも採用され全米売上No.1【サータ】
サータは、全米売上No.1の実績をもつ寝具メーカーで、上記のシーリーと並んで、多くの高級ホテルで採用されています。
1931年に「より快適な眠りと、健康の追求」をコンセプトに、サータの歴史が始まりました。
マットレスに必要な硬さと、体に感じるソフト感といった相反する2つの要素をうまく組み合わせた「ソフトタッチの硬いマットレス」を作り出しました。
サータは、アメリカ、イギリス、フランス、日本など世界27カ国で60社近いライセンス契約を結んでいます。
上記でご紹介したシモンズと同様、サータでもポケットコイルマットレスを採用しています。
サータのポケットコイルは一般的なワイヤーと比べ、カーボンの含有量が通常の0.4%のところ0.84%と高くなっていて、硬度はへたりにくくなっています。
それ加えて、マンガンを入れていることで、粘り気を出しています。
これにより、ただ硬いだけの脆さを補っています。
さらに、不織布製の袋に入れる時点で、スプリングコイルの高さを約25%圧縮しています。
そうすることで、強度や耐久性をさらに向上させています。
スプリングコイル単体での疲労試験も実施していて、8万回の繰り返し圧縮試験をしているそうです。
また、サータは業界初となる「ファイヤーブロッカー」をベッド、マットレスに標準装備しています。
「ファイヤーブロッカー」とは、2006年3月15日にアメリカ全土で規制された、マットレスの火災に対する安全性基準をクリアした、難燃仕様のマットレスのことです。
有害化学成分を含まない「自然物質」と「素材難燃繊維」のブレンド素材で作られていて、燃焼に必要な酸素の供給を妨げ、遮断する働きにより発火までの時間を遅らせることができるとしています。
また、燃焼時に排出される有毒ガスの発生も遅らせ、避難する時間の確保ができるように配慮して作られました。
サータは寝心地や耐久性だけでなく、安全性にも着目している信頼できる寝具メーカーなのです。
日本初のベッドメーカー【日本ベッド】
日本ベッドは、1926年に創業した日本初のベッドメーカーです。
皇室や迎賓館への納品実績もあり、高級ホテルでも採用されているメーカーとして知られています。
日本ベッドのマットレスには4つのポイントが挙げられ、1つ目は「手間をかけてポケットの上面だけでコイルをつなぎ、それぞれが自由に動くようにしている」ことです。
このため、均等に体を受け止められるようになっています。
表面の詰め物もあえて薄くして、繊細な動きがきちんと伝わるように作られています。
2つ目は、ホテルの納入経験からマットレスの傷みやすい部分を熟知し、「エッジのワイヤーをウレタンで包み込む工夫」がされています。
他のメーカーでは見られない独特な方法で、これによりマットレスの感触の違いを生み出しています。
サイドにこのような工夫をすることで、体への当たりが柔らかく、マットレスの傷みも少なくしています。
3つ目が、「見た目の美しさ」です。
たくさんのコイルを入れて表面を張るベッドは、手を抜いて作ることでマットレスのふちが波立ってしまいます。
日本ベッドでは、側面に巻くボーダーやパネルの部分寸法を厳しくチェックし、まっすぐになるようにキープさせています。
そして4つ目は、あえて「コイルを整列させていない」ことです。
日本ベッドは「千鳥組み」という、コイルがハニカムのように交互に並ぶ方法をとっています。
このように、手間ひまを惜しまず作られた寝具を多く取り扱う、日本が誇るメーカーなのです。
国内売上No.1ベッドメーカー【フランスベッド】
フランスベッドはその社名から、フランスで発足した会社と思われがちですが、日本のベッドメーカーです。
元々は車両シートの製造工場として創業した会社で、1961年にフランスベッド株式会社となっています。
家庭用ベッドや医療用ベッドを取り扱っていて、もちろん高級ホテルでも採用されているメーカーです。
フランスベッドは、日本人の骨格や生活習慣を研究しながら、日本人に合う、日本人のためのベッドを作り続けています。
日本人の「おもてなし」の精神が、フランスベッドのベッド作りの原点となっています。
フランスベッドでは、「スランバーランド・ポスチャー・スプリンギング」というスプリングを使用しています。
「スランバーランド・ポスチャー・スプリンギング」は、標準的なものに比べスプリングが多く、これにより快適さと体を支える張りの向上に繋がっています。
また、三角構造のスプリングで、垂直重圧と水平重圧を吸収しています。
さらに、このスプリングを隣り合わせ、スプリング同士を絡み合わせた構造になっており、寝ている人の体重をスプリングの列に沿って分散させる効果があります。
このスプリングシステムは、高級ホテルで採用されているマットレスの多くで使われています。
日本の高級ホテルでも採用されている【エアウィーヴ】
「The Quality Sleep(質の良い眠り)」をスローガンとして掲げているエアウィーヴは、元々は代表取締役会長兼社長の高岡氏が、伯父の経営する赤字会社を引き受けたところから始まっています。
2004年にこの会社を引き受け、現在では高級ホテルでも採用されるベッドメーカーとして、日本国内でも有名となっています。
エアウィーヴも、上記の日本ベッドと同様に、4つのポイントを製品の特性として挙げており、1つ目が「復元性の高い素材が反発するため、寝返りが楽」ということです。
マットレスの復元性が高いので、体の動きにマットレスが反応し、そのために楽な寝返りができるようになっています。
2つ目は「三次元状の素材が体を支え、均等に体圧を分散する」ことです。
これは、三次元状に絡み合い、あらゆる方向から体を支えるため均等に体圧を分散することができ、その結果負担を軽減することができる仕組みです。
さらに3つ目は「中の素材の90%以上が空気であり、高通気性で蒸れず、空気断熱にも優れていて冬は暖かい」ということです。
通気性が優れていることにより、カビなどの発生も抑制する効果もあり、マットレスの清潔さも保ちやすくなります。
最後の4つ目は、「中の素材も水洗いできる」ということです。
こちらも、洗える素材で作られているため、清潔さを保ちやすいことに繋がります。
また、エアウィーヴの寝具はスポーツ選手も多く愛用していて、その製品の質の良さは一般にも広く認知されていきました。
質の良い睡眠は質の良い寝具から
今回ご紹介した寝具メーカーのベッドは、多くの高級ホテルで採用されていますが、一般に販売されているものもあります。
「人生の3分の1は睡眠」と言われています。
質の良い睡眠を求めている人は、今回ご紹介したメーカーの寝具を体感してみてはいかがでしょう。
きっと、今までの睡眠とはまた違った新しい睡眠をとれるのではないでしょうか。