乳幼児の睡眠時間足りてる?睡眠障害は二次障害によるもの?

大人の睡眠時間は調節しやすいですが、乳児や幼児などの子供の睡眠は、保護者が調節してあげなければなりません。

そこで気になるのは、一日の睡眠時間ですよね。

十分な睡眠がとれていないと、成長に大きな影響を及ぼします。

また、睡眠障害となる原因についてお話ししましょう。

乳児の睡眠時間は?

はじめは、乳児の睡眠時間についてです。

この頃は、眠りについたかと思ったらすぐに起きてしまったりと、お父さんお母さんのほうが寝不足になってしまう時期でもありますよね。

それと同時に、赤ちゃんの睡眠時間が足りているのか心配になる親御さんも少なくないでしょう。

それでは、乳児の睡眠時間をみていきましょう。

●新生児

生後まもないときから28日間を新生児といいます。

よく寝る子と、起きている時間が多い子など個人差はありますが、一日にして16時間から20時間ほど眠っています。

●生後1~4ヵ月

新生児時期を過ぎた頃になると睡眠時間が急速に減少します。

理想の睡眠時間は14時間から15時間ほどです。

生後3ヵ月頃になると体内時計のリズムがとれるようになりますので、規則正しい生活を心がけてみましょう。

●生後半年~1歳

この頃になると、昼と夜の区別がつくようになり、睡眠時間はお昼寝を含めて一日11時間から13時間ほどになります。

赤ちゃんの成長に睡眠は欠かせません。

睡眠不足は発達障害とも関わりがあるため、十分な睡眠がとれるように意識してみましょう。

では、赤ちゃんが安眠できるポイントや、幼児の睡眠時間について、次項でお話しします。

睡眠障害にならないためには朝明るく夜暗く

赤ちゃんが安眠できると、身体や脳の成長によい効果が生まれます。

子供の成長を促す成長ホルモンは、寝ているときこそたくさん分泌されるからです。

しかし、寝かしつける時間が遅く夜更かししてしまうことが日常になっていては、質の良い睡眠はとれません。

また、寝室が明るい、テレビがついているなどの音や光があることで、赤ちゃんは睡眠障害を引き起こしてしまいます。

すると短時間でしか眠れなくなり、情緒不安定がぐずりとなってあらわれるのです。

では、赤ちゃんを安眠へと導くポイントをお伝えしましょう。

●朝は明るく

朝起きたらカーテンを開けて、明るくします。

夜にスッと寝れるためには朝日を窓越しから浴びて、体内時計を発動させてください。

●お昼寝も明るく

午前と午後にお昼寝タイムを設けるかと思いますが、このときも部屋は明るくしてください。

●一定のリズム

食事、遊び、睡眠のリズムを一定にしましょう。

生活リズムを整えることは、睡眠の良し悪しに関わってきます。

●入浴は寝る2時間前

適温のお風呂につかり、寝る準備をしましょう。

●寝るときは暗く

暗く、静かな環境にします。

遅くても、20時ごろまでにはお布団に入りましょうね。

では、乳児を過ぎた幼児の睡眠時間についてみていきましょう。

お昼寝が短くなる幼児の睡眠時間

ここからは、幼児の睡眠時間についてお話しします。

1歳を迎えるとお昼寝の時間が短くなったり、一日二回が一回に減ったりする頃です。

いずれにしてもお昼寝する時間を決めて、睡眠のリズムを整えてあげましょう。

1歳から2歳までの幼児が理想とする睡眠時間は、一日11時間から14時間です。

例えば、朝6時に起きて20時に就寝する子供であれば、夜にとれる睡眠時間は10時間なので、お昼寝で1~2時間とる必要があります。

2歳になると体力もついてくるので、2時間以上のお昼寝をしてしまうと夜に寝れないなどの睡眠障害が起こるため、気を付けましょう。

3歳からはお昼寝が必要である子供と、そうでない子供との差ができます。

個人差のあることなので、子供の成長や体力を見ながら調節してみてください。

3歳から5歳の間はお昼寝よりも夜の睡眠に傾くので、睡眠時間はまとまって10時間から13時間になります。

睡眠障害は乳児や幼児の成長を脅かす

乳児や幼児、そして小学校に上がってからも、子供の睡眠障害は成長を脅かす問題です。

では、どんなときに睡眠障害であると考えられているのでしょうか。

子供の睡眠障害に見られることの多い症状をみていきましょう。

・夜に何度も目が覚める

・寝ているときに大声で叫んでパニックになる

・夜中に歩き回る

・いびき

・日中、不機嫌である

・泣くことが多い

・頭痛、腹痛が頻繁にある

・昼間でも眠そう

・起きてから通園するまでにぐずる

・休みの日はお昼近くまで寝ている

・落ち着きがない

・規則正しい生活をさせたいが直らない

これらは目安であり、必ずしも睡眠障害があるとはいえません。

しかし、子供のことですから心配になりますよね。

上記に当てはまることがあり、気になることがあれば専門家に相談してみましょう。

日頃から子供の行動や睡眠状況をチェックすることで、早期発見ができます。

子供の睡眠障害には種類がある

睡眠障害といっても、その症状や種類はさまざまです。

いくつか代表的な病気をご紹介します。

●不眠症

睡眠障害のイメージでも多い不眠症は、朝早く起きてしまうといったことから、寝付きが悪い、浅い眠りであるなどの症状があります。

睡眠が十分にとれていないことから頭痛や腹痛、日中の不機嫌などが挙げられるでしょう。

●過眠症

夜の睡眠はとれていても、日中眠そうにしているのであれば過眠症が疑われます。

幼児まではお昼寝を必要としますが、ずっと寝ていたり眠そうにしている場合は、別の病気が関係している可能性もあります。

●いびき・睡眠時無呼吸症候群

子供の場合、鼻づまりや口蓋扁桃(こうがいへんとう)などによって気道が狭まり、いびきや無呼吸を引き起こします。

呼吸が正常にできていませんから、質の良い睡眠とはかけ離れてしまいますよね。

また、何度も夜中に目が覚めてしまうのは、血中酸素濃度が低下していることが原因となっています。

こういった状況を放置してしまうと低酸素症に伴う精神遅滞、成長ホルモンの分泌低下に伴い、身長が伸びないといった発達の妨げになってしまうのです。

乳幼児期の寝付きの悪さは二次障害によるもの?

これまでお話ししてきた睡眠障害は、発達障害の二次障害ともいわれています。

発達障害によってなんらかの睡眠障害が出てくるので、とくに乳幼児期では寝付きが悪く、音に敏感で何度も起きてしまうなどの症状がみられます。

●自閉症

自閉症である場合、光と音に敏感であることから脳が覚醒しやすい傾向があります。

また、入眠に必要になるホルモンの元となるトリプトファンの量にも関係があるのではないかと考えられています。

●注意欠如・多動性障害(ADHD)

切り替えることの難しさから、これから眠るといった行動に移行しづらい傾向があります。

そして、体内時計を整えるホルモンが少ないため、不眠などの睡眠障害を引き起こしてしまうのです。

●アスペルガー症候群

眠るのも忘れてしまうほどの集中力があるため、なにかに熱中してしまうと生活リズムが乱れてしまいます。

感覚も敏感であることから、寝付きの悪さや、寝付いても何度も夜に目が覚めてしまうこともあるようです。

子供の成長を見守ろう

睡眠は、子供の成長に深く関わりがあることがおわかりいただけたでしょうか。

しかし、なかには発達障害による睡眠障害であることも多いようです。

いずれにしても、子供の行動や成長過程に目を向け、保護者が寄り添って見守りたいものですね。