睡眠中に、よだれを垂らしてしまう方がいるかと思いますが、そのよだれが異常に臭い場合は対策が必要です。
よだれが臭い原因には、口呼吸やストレスなどが挙げられます。
そこで今回は、よだれが臭い原因とその対策方法について詳しく解説します。
また、簡単な対策方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
睡眠時に枕に付いたよだれが臭い原因は口呼吸?
皆さんは朝、目が覚めて枕のにおいを嗅いだ際に、臭かったという経験はありませんか。
それも、汗や頭の皮脂のにおいなどではなく、よだれのにおいだった場合は、睡眠時に口を開けている可能性があります。
口が開いてしまう原因として考えられるのは、慢性鼻炎や睡眠時無呼吸症候群などです。
鼻炎を患っている方は鼻が詰まりやすく、起きている際にも口呼吸が癖になっていることがあります。
そして、睡眠時には鼻が詰まることで口呼吸になると、口内の圧力が下がって舌の根本が喉の方へ沈み込んでしまいます。
すると、ますます気道が狭まり、足りなくなった酸素を確保しようとして、口呼吸やいびきが激しくなります。
そうなることで、口や喉が乾燥して、細菌が増殖しやすい環境になってしまいます。
そこで発生した口内や喉の細菌は、扁桃腺から分泌される免疫物質により滅せられるのですが、その際に「膿栓(のうせん)」や「膿汁(のうじゅう)」と呼ばれるものができます。
この膿栓や膿汁がにおいのもとで、唾液と混ざることによって強烈な臭いにおいを発します。
そして、その強烈なにおいを伴ったよだれが枕に付着して、蒸発、乾燥することで細菌が枕に残り、においの原因となります。
枕に付着したよだれが臭い原因の膿栓とは?
睡眠時に枕に付着したよだれが臭い原因が、膿栓や膿汁であることがわかったところで、この章では膿栓について深く解説したいと思います。
皆さんは、咳やくしゃみをした際に、米粒ほどの塊が口から出てきた経験はないでしょうか。
また、その米粒ほどの塊が強烈に臭いにおいを放っていたら、それが膿栓である可能性が高いです。
膿栓は、別名「臭い玉」と呼ばれており、口内の細菌の死骸が固まったものになります。
この膿栓ができる場所は、前述したように、口内に細菌が発生した際に免疫物質を分泌する働きがある扁桃腺です。
扁桃腺は凸凹しており、くぼみには穴が空いています。
膿栓はその穴の中にできており、埋まっているので、肉眼で確認するのは困難です。
この膿栓ができる原因は、口呼吸以外にも副鼻腔炎があります。
副鼻腔炎になると、副鼻腔に溜まった膿が喉に落ちてきて、膿栓ができることがあります。
したがって、膿栓ができるのを防ぐために、口呼吸の改善と副鼻腔炎を患っている場合には、その治療も必要になります。
膿汁も厄介!睡眠時の口呼吸を防ぐ方法は?
膿栓は、繰り返しできるものなので、1度取り除いたからといって発生しなくなるものではありません。
また、膿栓を取り除いても膿栓のもとである膿汁が発生すると、増殖した細菌が免疫物質である唾液と混ざり合い強烈なにおいを発します。
この膿汁が舌に付着すると、そこでまた細菌が繁殖し「舌苔」ができます。
この舌苔もまた、よだれの臭いにおいの原因です。
このように膿栓や膿汁、舌苔といった臭いにおいのもととなるものを予防するには、口呼吸や鼻炎の改善が第一になります。
鼻炎は、耳鼻咽喉科を受診して治すことをお勧めしますが、口呼吸は癖になっている場合も多いので、自力で治す必要があります。
そこで、口呼吸の改善法としておすすめなのが、睡眠時に口にテープを貼るという方法です。
やり方はとてもシンプルで、睡眠の前に口を閉じて中央にテープを貼るだけです。
その際に使用するテープは、専用の商品も販売していますが、医療用テープなどでも代用が可能です。
強制的に口を閉じて睡眠をとることで、鼻呼吸を促します。
こうすることで口内の潤いを保ち、細菌の繁殖を防ぎ、膿栓や膿汁の発生を予防できます。
睡眠時のネバネバよだれはストレスが原因?
唾液にはサラサラしたものと、ネバネバしたものの2種類があります。
この粘性の違いには、自律神経が関係しています。
サラサラした唾液は、副交感神経がコントロールしており、食事中やリラックスモードの際に分泌されやすいです。
サラサラした唾液には水やイオン、でんぷんを分解する消化酵素の1つである唾液アミラーゼが含まれています。
このサラサラした唾液の役割としては、食べ物を飲み込みやすくしたり、口内を洗浄して中性に保つ働きなどがあります。
一方、ネバネバした唾液は、交感神経がコントロールしています。
ストレスがかかっている際に分泌されやすく、ムチンという粘性のたんぱく質を含んでいます。
この2種類の唾液がバランスよく分泌されれば問題ないのですが、ストレス過多になりネバネバした唾液が増えすぎると、口内の水分が奪われ細菌が増え、においの原因になります。
したがって、睡眠をとって朝起きた際に、口の中がネバネバしていて、枕に付いたよだれが臭い場合は、ストレスが原因かもしれません。
睡眠時のネバネバよだれの解消にはマッサージが効果的!
ネバネバした粘性のあるよだれは、ストレスを抱えている際に分泌されやすいことがわかりました。
寝起きに口の中がネバネバしていて、枕に付着したよだれが臭い場合は対策が必要です。
また、ネバネバした唾液が臭い理由には、洗浄作用がないことが挙げられます。
サラサラした唾液は洗浄作用があるので、臭いにおいの原因となる口内の悪玉菌を洗い流します。
しかし、洗浄作用のないネバネバした唾液は、口内の悪玉菌を滅せられないどころか、増殖させてしまいます。
そこで、睡眠時のネバネバした唾液をサラサラに変える方法としておすすめなのが、耳下腺や顎下腺のマッサージです。
唾液が分泌される耳下腺や顎下腺を、手で10回ずつ程度マッサージすることで、サラサラした唾液が分泌されやすくなります。
このマッサージは、お風呂上りや就寝前など、体がリラックスしている状態のときに行うと良いでしょう。
寝起きのよだれや臭い口臭の予防方法!
寝起きに口の中がネバネバしていたり、枕に付着したよだれが臭い場合の対策はまだまだあります。
これまでお伝えしてきたように、寝起きのよだれが臭い原因は、口内の細菌にあります。
そこで、口内の乾燥を防ぐための方法や、ネバネバしたよだれをサラサラに変える方法などをご紹介してきました。
しかし、いくら唾液の分泌量を増やしても口内に汚れがあっては、臭いにおいの改善になりません。
そこで、よだれの臭いにおいの改善方法としておすすめしたいのが、歯磨きと舌磨きです。
基本的なことですが、朝と寝る前に歯磨きを徹底して行い、前述した対策を合わせて行うことで、よだれのにおいの改善が期待できます。
また、舌が白くなる舌苔も、臭いにおいの大きな原因なので、専用のブラシでケアすると良いです。
舌苔は、歯ブラシでこすると舌の奥へと押し込んでしまい逆効果なので、必ず専用ブラシでケアをしましょう。
歯と舌の汚れを徹底して落とすことで、睡眠時に口内の細菌が繁殖するのを効果的に防ぐことができます。
睡眠時のよだれが臭い原因を知り効果的なケアを!
これまで、睡眠時にまくらに付着したよだれが臭い原因や、その対策方法についてご紹介してきましたが、参考になりましたか。
よだれが臭い原因には、口内の乾燥と細菌の繁殖にあります。
今回、ご紹介した対策を実践して、爽やかな朝を迎えてください。