生まれたばかりの赤ちゃんは可愛いですよね。
そして眠っている間は、親はつかの間の自由時間です。
ですが、よく眠っていたはずなのに、すぐに起きてしまうということはありませんか。
一体なぜ、そんなに睡眠が浅いのでしょうか。
その原因をご説明していきます。
赤ちゃんの一般的な睡眠時間とは
すぐに起きてしまうほど、睡眠の浅い赤ちゃんですが、その平均的な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。
赤ちゃんの睡眠時間は、月齢ごとに少しずつ変化していきます。
月齢別にご紹介していきます。
・生後0ヵ月から生後1ヵ月:16~18時間
・生後2ヵ月から生後3ヵ月:15~17時間
・生後4ヵ月から生後6ヵ月:14時間
・生後7ヵ月から生後11ヵ月:13~14時間
・1歳:13時間
このように変化していきます。
生後1ヵ月までの新生児期では、授乳しているとき以外はほとんど眠っているような状態です。
生後2ヵ月を過ぎてくると、昼夜の区別がつくようになり始めます。
ですが、中にはこの時期に昼夜が逆転してしまう赤ちゃんもいます。
生後4ヵ月ごろからは、夜には眠り、日中は起きているというような生活リズムが整い始めます。
赤ちゃんの睡眠が浅い理由は睡眠のリズムにあった
月齢別の赤ちゃんの睡眠時間の平均は分かったところで、なぜ睡眠が浅いのかについてご説明していきます。
そもそも、睡眠には「ノンレム睡眠」「レム睡眠」があります。
耳にしたことのある方もいるのではないでしょうか。
【レム睡眠】
浅い眠りのことをいいます。
夢を見ているときには、レム睡眠の状態といえます。
脳だけが活動しているので、寝返りを打ったり、大人の場合には夢を見たりします。
【ノンレム睡眠】
深い眠りのことをいいます。
この状態のときには、脳の活動が弱まります。
この2つの状態を繰り返しながら、人は睡眠をとっているのです。
では、赤ちゃんは起きてしまいやすいのは、どちらのときでしょうか。
お気づきの方もいるかとは思いますが、レム睡眠のときに起きてしまいやすいのです。
そのため、夜泣きをするのもレム睡眠のときなのです。
この睡眠のリズムは大人とは異なります。
どのくらい異なるかというと、大人は、90~120分周期でレム睡眠・ノンレム睡眠を繰り返しています。
対して新生児は40分周期、生後3ヵ月以降で50分周期だとされています。
赤ちゃんの浅い睡眠の時の見分け方
睡眠をとる時の種類が分かったところで、深い睡眠の「ノンレム睡眠」、浅い睡眠の「レム睡眠」の見分け方はあるのでしょうか。
赤ちゃんの睡眠は3つの過程を経ています。
まずは、「寝入りばな」と呼ばれている寝入った直後です。
この状態は、レム睡眠よりも浅い睡眠です。
ほんのわずかな音・明かりでも目を覚ましてしまいます。
目を半分だけ開けているような状態なので、親が見ても分かりやすいでしょう。
この後は、「ノンレム睡眠」です。
寝入ってから約10分後くらいにはこの状態に入ります。
この時には、多少の音や光でも起きることはありません。
もし、赤ちゃんを寝かしつけて、親が寝室から出ていくとしたら、この時がベストです。
そして、最後に「レム睡眠」です。
脳だけが活動しており、体の力は抜けています。
しかし、手足を動かしているときもあり、このようなときには起きてしまいやすいでしょう。
浅い睡眠のせい?夜泣きはなぜするの?
赤ちゃんの睡眠は40~50分周期で浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を繰り返しているということは、先ほどご説明しましたね。
つまりは、赤ちゃんの睡眠は全体的に浅いのです。
それに加え、生まれたばかりの赤ちゃんは「寝るのが下手」なのです。
それは、赤ちゃんはレム睡眠からノンレム睡眠への移行が上手にできないことがあるためだと考えられます。
そのため、夜中に何度も起きてしまい夜泣きをするのです。
しかし、夜泣きが少ない赤ちゃんもいますよね。
夜泣きが多い赤ちゃんと少ない赤ちゃんの違いは何なのでしょうか。
これは、大人にも言えることなのですが、この睡眠の移行の際に朝まで目が覚めずに眠っていられる人はほとんどいないのです。
大人では、この時に目を覚ましても、目が覚めたことに気が付く前にまた眠ってしまいます。
赤ちゃんはどうでしょうか。
夜泣きが少ない赤ちゃんは、目を覚ましても親に少し手伝ってもらうだけで、また眠ることができます。
夜泣きをたくさんしてしまう赤ちゃんは、自分でまた寝つくことができないので、泣いてしまうのです。
これが、赤ちゃんの夜泣きをしてしまう理由です。
夜泣きをする赤ちゃんは日本が一番多い?
赤ちゃんが生まれてから、しばらくの間夜泣きに悩んでいる親も多いのではないでしょうか。
実は、「夜泣き」をするのは、世界的に見ても日本の赤ちゃんくらいなのです。
一体なぜなのでしょうか。
赤ちゃんの睡眠時間を、世界的比較した統計があります。
その統計を見てみると3歳以下の日本の子供の睡眠時間は約11時間40分です。
一番、睡眠時間が長いニュージーランドの子供は、約13時間20分です。
なんと、約1時間40分の差があるのです。
この統計ですと、日本の子供の睡眠時間は最下位です。
日本の赤ちゃんは、世界的に見て睡眠時間が短いということがわかります。
また、就寝時間に関しても最も遅く、22時以降に就職する赤ちゃんが多いのです。
このため、睡眠時間が短いことが夜泣きの原因の一つとして考えられるのです。
つまりは、「睡眠不足」ということになります。
そのまま睡眠不足の状態で、成長してしまうと以下のような悪影響が出てきてしまいます。
・指差しや喃語をあまりしない
・情緒不安定
・精神的な症状が出てくる
・5歳ごろに三角形が描けない
・9~10歳で夜型の生活になってしまう
・13~15歳で肥満になってしまう
昼寝も浅い睡眠のようであれば、リズムを見直してみることで、夜泣きの改善になるでしょう。
1~2歳児でも夜泣きをする?
一般的に、生後6ヵ月ごろから夜泣きをし始め、1歳頃までにはおさまってくると言われています。
しかし、1歳を過ぎてから夜泣きをし始めるというケースもあるのです。
その原因とは何なのでしょうか。
これには大きく4つの原因が考えられます。
順を追ってご説明していきます。
【日中の出来事】
生まれたばかりの赤ちゃんと違い、自分の足で歩けるようになり言葉を少しずつ発してき足りするようになるのが1歳ごろです。
日中にたくさん活動し、たくさんのことを学んで刺激を受けながら日々、成長をしています。
子供は寝ている間に脳が情報の整理を行います。
日中に受けた刺激が強すぎてしまうと睡眠が浅くなり、夜泣きをしてしまうのです。
【生活リズムが乱れる】
1歳未満の赤ちゃんの夜泣きの原因として多くあげられることですが、1歳以上の子供にも当てはまります。
親の生活リズム合わせてしまうことで、子供の生活リズムも乱れてしまうのです。
【子供の体調不良】
風邪などで体調不良を崩した時にも、睡眠が浅いものになりやすく、夜泣きをすることがあります。
【睡眠障害】
夜驚症という、夜中に強い不安を感じて泣き叫びながら起きてしまう睡眠障害があります。
これは、普通の夜泣きと異なり親が声をかけてもなだめても、泣き止みません。
夜驚症を発症する子供の約3分の1は、夢遊病という症状も見受けられることがあります。
これらは、特別な治療もせずに自然と治まります。
生活リズムを整えて快適な睡眠を
赤ちゃんの睡眠について、ご紹介してきました。
生まれたばかりの時期は、親も赤ちゃんのいる生活になれず、夜泣きが多いと困ってしまいますよね。
ですが、赤ちゃんの泣く原因は割と近くにあるのかもしれません。
生活リズムを整えるように心がけて、赤ちゃんが快適に眠れるようにしてあげましょう。