お昼寝から目覚めたり、休日に寝だめして昼頃に起きたりしたときに、頭痛が起こることがあります。
せっかく疲れを取ろうと十分な睡眠時間を取ったのに、頭が痛くなってしまったら、うんざりしますよね。
こういった症状は、睡眠過多による頭痛だと考えられます。
では、どうすれば予防することができ、起こってしまった頭痛を取り除くことができるのでしょうか。
睡眠過多と頭痛の種類
睡眠過多で頭痛が起きるときに、片頭痛なのか緊張型頭痛なのか、よくわからない方も多いと思います。
片頭痛とは、指すような痛みが連続して続いたり、頭がガンガンする痛みが多く、波がある頭痛です。
頭を動かすと痛みが増し、吐き気をもよおしたり、実際に吐いてしまうこともあります。
光、音、においに敏感になり、視界がチカチカすることもあるでしょう。
一方、緊張型頭痛は、頭を縄で締めあげられるような、鈍い痛みが特徴です。
徐々に強くなり、後頭部の下から頭全体に広がるように痛みます。
何日も痛みが続くことがありますが、実際に吐くことはなく、頭を動かす動作と痛みの関係性が低いのが特徴です。
この2つの頭痛は、どちらも睡眠過多によって見られる症状です。
片頭痛なら、副交感神経が活発になって血管が広がり、三叉神経が圧迫されて起こります。
そして、緊張型頭痛の場合は、寝るときの姿勢が悪く、どこかが硬直したり圧迫されていたことから起こります。
肩こりもともなうことがあります。
見分け方を覚えて、適切に対処していきましょう。
2つの頭痛と解消法
睡眠過多によって頭痛が起こると言っても、その対処法は、片頭痛か緊張型頭痛かによって異なります。
それでは、それぞれの解消法を見ていきましょう。
〇片頭痛の場合
片頭痛の場合は、適度に冷やすことでやわらぐことが多いです。
首の後ろのくぼみを、冷却シートや氷枕で冷やしたり、冷たいタオルを当てるだけで、気持ちがよくなることがあります。
また、紅茶やコーヒーなどのカフェインをとって交感神経を刺激したり、薄暗くて涼しい場所でゆっくり休むことも効果的です。
ひどい時には、1ミリも動きたくないような最悪の状態になりますが、体からのメッセージに従って、頭痛薬などを飲んで寝ていた方がいいでしょう。
また、首や頭を揉むと悪化しますのでやめましょう。
〇緊張型頭痛
緊張型頭痛の場合は、片頭痛とは逆に、温めることが有効です。
頭痛の程度にもよりますが、温タオルでじんわり温めると、スーッと痛みがひいていくのを感じることが多いです。
時間が許すなら、お風呂につかったり軽い運動をしたりして、筋肉の緊張をほぐしてください。
寝る前に血行をよくするのも効果的です。
また、枕の高さを変えたり、掛け布団の重さを調節したり、お布団のへたりをチェックしたりして、改善点を見つけていきましょう。
なぜ睡眠過多になるのか
頭痛を起こさないためには、睡眠過多にならないように、規則正しい生活を送ることが大切です。
しかし、分かってはいても、つい寝すぎてしまう場合もあります。
日頃から睡眠時間が少なかったりすると、その分を取り返そうとして、いつまでも寝ていたくなるものです。
「寝だめ」は睡眠不足解消の効果はないのですが、脳疲労などが溜まっているとつい、ダラダラと寝ていたくなります。
また、睡眠時間は確保できていても、「質が悪い」というケースもあります。
就寝前のスマホ、カフェインの摂取、電気やテレビの消し忘れなど、心当たりはないでしょうか。
また、ソファやコタツで寝てしまったり、お布団を掛けないで寝てしまったりして、体が疲れたり冷えたりしてしまうと、良質な睡眠とは言えません。
そして、精神的な疾患や生活習慣病などでも、過眠症状が現れることがあります。
うつ病、躁うつ病、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群など、医療機関の受診が必要なケースもあるでしょう。
睡眠過多を繰り返すなら病が隠れているかも!?
頭痛のお話からは離れてしまいますが、何度も繰り返す睡眠過多には、実は病名がついているのをご存知でしょうか。
「寝ても寝ても眠い」という状態は、「ナルコレプシー」という病気の可能性があります。
つまり、「過眠症」なのですが、投薬治療をしないと改善しない深刻な症状も見られます。
夜だけでなく昼間から眠気に耐えられず、どんなところでも眠くなってしまい、日常生活に支障をきたすほどの症状になります。
うたたねすると一時的に眠気は覚めますが、またすぐ眠くなってしまうのです。
また、目覚めると金縛りのように体が硬直したり、笑ったり怒った際に体の力が抜けてしまったり、夢をたくさん見たり、といった症状が特徴です。
医療機関を受診すると、規則正しい生活の指導やストレス解消法の提案などが行われ、必要に応じて「交感神経刺激薬」が処方されています。
抗うつ薬が出されることもあります。
頭痛の原因になる睡眠過多の予防法!①
では、頭痛を引き起こすこともある睡眠過多を予防するためには、どうしたらいいのでしょうか。
ここでご紹介する予防法は、先ほどの病的な過眠には効果はありませんが、「たまに寝すぎてしまう」といった悩みを解決する方法です。
といっても簡単な心がけをご紹介するだけで、「必要な時間寝たら眠くても我慢して決まった時間に起きる」ということに尽きます。
体に合ったお布団を選び、就寝前はブルーライトを浴びず、ゆっくり入浴し、自然な眠りについてください。
できれば、その日のうち(夜12時まで)に寝た方がいいでしょう。
そして、6時間以上は睡眠時間を確保し、決まった時間に起きます。
「睡眠時間が足りているかどうか」を確認する方法としては、起床後4時間経って、自分の状態をチェックしてみることです。
起きて4時間くらいの時間帯は本来、一番覚醒しているものです。
それなのに眠気があったら、もう少し睡眠時間を伸ばしてみましょう。
頭痛の原因になる睡眠過多の予防法!②
睡眠過多を予防して頭痛を防ぐ方法として、他にも挙げられるのが、「記録をつける」ということです。
毎日、寝た時間と起きた時間を記録して、その日1日どんな気分だったかを書きとめてみましょう。
記録をつけると、今まで気が付かなかった悪い習慣や癖、そしてそれがどう影響しているのか発見できることがあります。
その日の気分や体調、食欲の変動を〇×で記すだけでもいいでしょう。
また、緊張型頭痛のところでも書きましたが、運動の習慣は大切です。
外に出るのが億劫なら、スクワットなどの筋トレやストレッチ、エクササイズでも大丈夫です。
また、安らげる寝室づくりも効果的だと考えられます。
ハーブの香りを取り入れたり、間接照明を灯してみたり、温度設定を考えてみたり、できるところから少しずつ始めましょう。
乾燥していたり、湿気でムシムシしていても寝苦しいものです。
湿度調節も、忘れないでくださいね。
睡眠過多にならないで健康的に過ごそう
睡眠不足もよくないですが、寝すぎも当然よくありません。
頭痛だけではなく、自律神経失調症になってしまうこともあり、仕事や家事、車の運転などに悪影響をおよぼします。
お休みの日だからといって、いつまでも寝ていたりすると、一日中頭が痛くてつぶれてしまうこともあり得ます。
心置きなく眠り続けるのも幸せな時間ですから、たまにならいいのですが、繰り返してしまうようなら注意が必要です。