「ベッド」や「すのこ」に小さな虫が!その種類や対処法は?

知らない間に「いつも使っているベッドに、小さな虫が大量発生していた…」なんて、ショッキングな経験をしたことはありませんか?

この小さな虫は、敷布団に使用する「すのこ」にも付きやすいといいますが、それはいったいなぜでしょう。

そこで今回は、寝床に発生する小さな虫の正体や、その対処法などについてお話しします。

ベッド・すのこに大量発生!シロアリのような虫の正体とは?

本来は、癒しのスペースであるべき寝室に、大量の小さな虫が発生してしまうことがあります。

ベッドフレームやマットレス、すのこに付きやすいとされている虫は、主に二種類です。

まずは、カビを好む「チャタテムシ」について見ていきましょう。

■茶立虫(チャタテムシ)

【色】ベージュ色(薄透明)

【体長】1.0mm~3.0mm

【寿命】半年

【特徴】小さな触覚があり、その見た目から「シロアリ」や「ダニ」と間違われることが多い

チャタテムシは、日本の家屋ではポピュラーな害虫で、築年数の古さに関係なく、新築の家にも住み着いている可能性があります。

この虫の厄介な特性は、単為生殖(たんいせいしょく)であるということです。

単為生殖とは、雌が単独でこどもをつくることができる生殖法です。

その上、卵から成虫になるまでの期間が14日と短く、繁殖力が非常に高いため、大量に発生してしまうケースが多いのです。

また、チャタテムシが直接噛みつくことはありませんが、吸引することでアレルギー反応を起こす人もいるので、見つけた場合には早めの駆除が必須となります。

次章では、そんなチャタテムシの発生原因についてお話しします。

ベッドルームの湿気に要注意!チャタテムシの発生を抑制するために

あっという間に増えていく小さな虫「チャタテムシ」の大量発生は、ちょっとした不注意によって起こりやすくなるといいます。

その原因の一つとされているのが「湿気」です。

我々は普段、寝ている間に大量の汗をかいているのをご存知でしょうか?

その量は一晩で、コップ一杯分に相当します。

こうした大量の寝汗による水分は、お布団や敷布団だけでなく、ベッドフレームやすのこにまで到達し、チャタテムシの餌となる「カビ」が発生してしまうのです。

そうならないためにも、以下のポイントを押さえて、チャタテムシの発生を未然に防ぎましょう。

①寝室の除湿

除湿器を使用して、寝室を徹底的に除湿してください。

とくに、湿気の多い梅雨~初秋は要注意で、冬季の結露対策も忘れずにおこないましょう。

②寝具を干す

水分を含んでしまった寝具は、絶好の繁殖場所になります。

いわゆる「万年床」は避け、敷布団やマットレスにも十分に日光を当ててください。

③寝室の掃除

チャタテムシは、カビだけでなくホコリも餌にします。

そのため、寝室の掃除機掛けを怠ることなく、清潔な状態を保つようにしましょう。

日頃から上記のような対策を取り、寝室のメンテナンスを習慣にしてください。

しかしながら、その繁殖力の高さゆえに、気が付いたときには大量発生しているのがチャタテムシです。

そんなときのために、次章では、有効な駆除方法についてお話しします。

すのこはどうする?チャタテムシを駆除するには?

ここからは、チャタテムシが寝床に発生してしまったときの対処法についてお話しします。

まず、お布団や敷布団に付いたチャタテムシを駆除するためには、「布団乾燥機」が有効です。

チャタテムシは高温に弱いため、布団乾燥機を使用することで、一気に死滅させることができます。

もしも、布団乾燥機がご自宅にない場合は、「スチームアイロン」で代用することも可能です。

そして、高温により死滅させたチャタテムシの死骸は、掃除機掛けをして丁寧に吸い取ります。

次に、ベッドフレームやすのこにまで被害が及んでいた場合は、「アルコールスプレー」で対処します。

アルコールスプレーを隅々まで吹きかけて駆除したあと、すのこは天日干ししましょう。

また、今までお話ししてきた「チャタテムシ」の餌は、カビやホコリだけでなく、鰹節や小麦粉などの食品も含まれています。

そのため、寝室だけでなくキッチンの食品管理にも手が抜けません。

その他にも、湿気の多い「脱衣所」「トイレ」「本棚」などに発生することがあるので、定期的にチェックをするといいでしょう。

それでは次に、チャタテムシとは異なる種類の虫についてお話ししていきます。

ベッドフレームやすのこに、「黒い虫」が発生していたケースです。

ベッド・すのこに黒い虫?!その正体と生態について

寝床に発生しやすい虫は、チャタテムシだけではありません。

黒っぽくて、小さな毛虫のような見た目の場合、それは「ヒメマルカツオブシムシの幼虫」です。

さっそく、その生態や特徴を見ていきましょう。

■ヒメマルカツオブシムシ(幼虫)

【色】黒色

【体長】1.0mm~2.0mm

【寿命】幼虫の期間は300日以上

【特徴】白色の毛が生えており、脱皮をするときに抜け殻を残す

ヒメマルカツオブシムシの成虫は、花粉や花蜜を餌にしますが、幼虫は衣類などの「繊維」を餌にします。

そのため、お布団や敷布団に大量の穴が開いてしまっていたら、この幼虫の仕業かもしれません。

サイズが小さいので、目を凝らさないと気が付かないかもしれませんが、フサフサとした毛が特徴で、いくつも抜け殻が落ちていることがあります。

成虫の寿命は1ヵ月と短いのですが、幼虫でいる期間は300日以上と長く、さらに30日程度の絶食状態に耐えられるのが厄介なポイントです。

そして、チャタテムシと同様に、ジメジメとした環境を好むため、カビの生えやすいベッドフレームやすのこに付いていることもあるでしょう。

それでは次章で、ヒメマルカツオブシムシの幼虫対策についてお話しします。

寝室の敵!ヒメマルカツオブシムシの幼虫対策

タンスやクローゼットの中も注意が必要な、ヒメマルカツオブシムシの幼虫ですが、寝床における対策としては、以下のポイントがあります。

①室内への侵入を防ぐ

お布団や洗濯ものをしまうときは、ヒメマルカツオブシムシの成虫が付いていないか、しっかりと確認してください。

また、換気をするときは必ず網戸をしましょう。

②シーツカバーは清潔にする

ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、食べこぼしのある布類を好みます。

そのため、お布団や敷布団のシーツカバーはこまめに洗濯しましょう。

③成虫を寄せ付けない

「防虫スプレー」を使用して、ヒメマルカツオブシムシの成虫対策もおこなってください。

また、寝室を清潔に保ち、繁殖に適した環境を生みださないことも大切です。

さらに、ベッドフレームやすのこに付いた虫も、見逃さないようにしましょう。

そして残念ながら、ヒメマルカツオブシムシの幼虫が発生してしまった場合には、チャタテムシと同様に「高温」で死滅させることが有効です。

お布団などは、コインランドリーにある「高熱乾燥機」を利用する手もありますが、寝室全体の駆除対策としては「煙型殺虫剤」がおすすめです。

次章で、注意点などについてお話しします。

寝室にも使える!煙型殺虫剤の注意点とは?

最後に、チャタテムシとヒメマルカツオブシムシ、どちらにも有効な「煙型殺虫剤」を使用した対処法についてお話しします。

煙型殺虫剤は、手間をかけることなく駆除できますが、以下の注意点に気を付けながら、取扱説明書通りに使用してください。

①煙型殺虫剤の種類

煙型殺虫剤にはさまざまな種類がありますが、今回のケースでは「ピレトリン系」と表記されているものがおすすめです。

さらに、ゴキブリ対策用の製品も有効とされています。

②お布団や敷布団は移動させる

寝具には、直接薬剤がかかってはいけません。

また、ベッドフレームやすのこに発生した虫を駆除するためにも、煙が入り込みやすいよう寝具は降ろして、別の場所へ移動させておくといいでしょう。

そして、寝具だけでなく、部屋全体をきれいに片付けて、殺虫剤の効果が隅々にまで発揮されるように工夫してください。

③2週間後に再度使用する

基本的に殺虫剤は、卵にはあまり効き目がないといわれています。

そのため、2週間後に孵化したチャタテムシを想定し、もう一度煙型殺虫剤を使用してください。

害虫対策をして快適な寝室をキープしよう!

今回は、寝床に発生しやすい「チャタテムシ」と「ヒメマルカツオブシムシ」についてお話ししました。

どちらの虫も共通して「湿気」を好んでいることが分かりましたね。

そのため、寝室の掃除やメンテナンスは、日頃から手を抜かないようにしてください。

さらに、煙型殺虫剤を使用する場合には、その効果が最大限に発揮できるよう、配慮しながらおこなってくださいね。