寝具選びに失敗すると、睡眠の質が悪くなり、寝不足や疲れの原因につながってしまいます。
快眠するためには「よい寝具を選ぶこと」が最も需要なのです。
そこでおすすめするのが「ラテックスマットレス」です。
ラテックスマットレスは快適な寝心地が特徴で、素材に天然ゴムを使用しており、カビやダニを防ぐ抗菌作用が施されています。
今回はラテックスマットレスについて、特徴やお手入れ方法をご紹介していきます。
ラテックスマットレスの「ラテックス」ってなに?
ラテックスマットレスとはどのようなマットレスかご存じでしょうか。
ダニやカビを防ぐ抗菌作用が施されていると言われているラテックスマットレスですが、ラテックスとは「ゴムの樹液を発泡させたもの」を指します。
このラテックスを使用して作ったゴムのマットレスのことを、ラテックスマットレスと言うのです。
ラテックス素材には大きく分けて3つの種類があります。
・合成ラテックス
・天然ラテックス
・天然ラテックス100%
天然ゴムは主にブラジル産のパラゴムノキから採取したものです。
そのゴムの樹液を発泡させて作っているラテックスですが、ほかの原料を混ぜ合わせることで種類が変わってきます。
天然ラテックスは天然ゴムの保有量が80%以上、80%未満はすべて合成ラテックス、ほかの原料の混ざりがなければ天然ラテックス100%となります。
天然ゴムの保有量が多ければ多いほど、品質がよいとされています。
合成ラテックスに関しては、においが強いものや、耐久性が劣っているなどの理由でマットレスとして使用するには少々難があります。
一口にラテックスといっても、さまざさな種類があることが分かりましたね。
ラテックスマットレスの優れたポイント!ダニも防ぐの?
ここでは、天然ゴムでつくられたラテックスマットレスの優れたポイントをご紹介していきます。
●体圧分散と優しい反発力を持つ
ラテックスマットレスは寝心地がよいマットレスです。
それは横になった時、体圧を均等にバランスよく分散するからです。
それと同時に程よい反発性があるため、体の沈みすぎを防ぎます。
身体が沈む柔らかいマットレスは腰に負担がかかり、腰痛の原因になります。
その点ラテックスマットレスは、ゴムの最大の特徴である弾力性によって腰を持ち上げるので、理想的な寝姿勢を作り上げてくれるのです。
●耐久性に長けていて処分がエコ
天然ラテックスに関しては、密度が高く造りがしっかりしています。
そのため耐久性が高く、長い期間使用することが可能です。
合成ラテックスのマットレスはへたりやすいものがありますが、天然ラテックス100%は製造側もコストや手間をかけて発泡、製造しているので品質がよいものが多いです。
購入を検討している人には、耐久性に長けた天然ラテックスをおすすめします。
また、天然ラテックスは「土に埋めると数年で分解される」という特徴を持っています。
自然に帰るという非常にエコな処分方法ですが、細かく分断すればごみ袋に入れて処分も可能です。
その際は地方自治体によってゴミ出しの方法が異なるので、各自ご確認ください。
他にもラテックスマットレスはダニやカビを防ぐ効果もありますが、そちらに関しては次項でご紹介していきます。
ダニも防ぐ?ラテックスマットレスの抗菌性
ラテックスマットレスはダニやカビを防ぐという特徴があります。
これはマットレスに使用している素材、天然ラテックスが持っている抗菌作用によるものです。
雑菌の繁殖を防ぎ、カビが生えるのを防ぐので、非常に衛生的です。
また、ダニもマットレスへと寄せ付けないので、安心して使用できます。
寝具とダニは切っても切れない関係なので、衛生面を気にする人に高く評価されているポイントなのです。
しかし注意する点として、マットレスに被せるシーツまでは抗菌ではないということです。
マットレスの性能に頼りすぎて定期的な洗濯を怠ると、ダニが発生してしまいます。
そのため、除湿シートを敷いて湿気対策をしたり、シーツをこまめに洗濯することを心がけましょう。
ラテックスマットレスを使用する上での注意点①
ラテックスマットレスは寝心地がよく、抗菌作用でダニやカビを防ぎ、耐久性にも優れている非の打ちどころのないマットレスです。
しかし、日本ではまだ販売数が多くないと言われています。
マットレスを使用する上での注意点はどんなものがあるのでしょうか。
ここからご紹介していきます。
●通気性を考慮して使用する
実は、ラテックスマットレスは通気性があまりよくありません。
少しでも風を通す工夫として、ピンホールという無数の穴をマットレスに開けています。
それでも気温の高い日には蒸れを感じるため、湿度の高い日本では販売数が伸び悩んでいます。
しかし、空調管理をしっかり行えば蒸れを感じることはほとんどありません。
それでも気になる人は、除湿シートを別途購入して対応すればこの懸念は解消されるでしょう。
●ゴム特有のにおい
ラテックスマットレスはゴム特有のにおいがするため、においに敏感な人にはおすすめできません。
特に合成ラテックスのマットレスはゴムのにおいが強いです。
それに比べて天然ラテックス100%のマットレスはほとんどにおいがせず、大幅に軽減されています。
においに敏感な人は、購入前にスメリングというにおいのテストをすることをおすすめします。
ラテックスマットレスを使用する上での注意点②
前項に続き、ラテックスマットレスを使用する上での注意点をご紹介していきます。
●マットレスの重さ
実は、ラテックスマットレスはとても重たいマットレスなのです。
例として、厚さ10センチメートルのシングルサイズで約20キログラム、厚さ15センチメートルのダブルサイズだと35キログラムを超えてしまうのです。
通常マットレスは長持ちさせるたために上下を逆にしたり、裏表をひっくり返すものです。
重いだけならまだしも、素材がゴムなので、持ち上げた時にぐにゃっと変形して、ひっくり返すのも一苦労です。
さらに引っ越しなどの時、搬出入の際にも手間取ってしまいます。
以上の点から、ダブルサイズのラテックスマットレスの購入を検討している人は、シングルサイズのラテックスマットレスを2つ購入することをおすすめします。
つなげてシーツをかけて使用すれば、見た目にはひとつの大きなベッドです。
しかし、ひっくり返したりするメンテナンスの際にはダブルサイズよりは小さいので、スムーズに作業することができるでしょう。
ダニやカビを防ぐ抗菌作用がある天然ゴムですが、重たいというデメリットがありました。
●ゴムアレルギーの人は注意
原料が天然ゴムのため、ゴムアレルギーの人は注意が必要です。
多くの人は無関係の話ですが、周りの家族や知り合いで、寝室に入る可能性のある人にゴムアレルギーがないか調べてからの購入をおすすめします。
お手入れ方法は?ダニを防ぐ抗菌作用は継続される?
ラテックスマットレスを購入したら、お手入れはどのように行えばよいのでしょうか。
まず、お手入れの注意点としては、
・ラテックスマットレスは水洗いできない
・業者のクリーニングも不可
・マットレス自体が重いので外生地を外しずらい
という点があげられます。
そのため、ラテックスマットレスを日々汚さないように使うことが大事です。
普段は敷きパッドを使い、汗や皮脂汚れがマットレス本体につかないようにしましょう。
定期的に行うメンテナンスとしては、
・2週間に1回は敷きパッドを洗濯する
・その際に、マットレスに掃除機をかける
・外生地は汚れが目立ってきたら洗濯する
・ラテックスマットレス本体が汚れてしまったら、固く絞ったタオルでさっと拭きとる
という、以上の作業を行いましょう。
これでダニやカビを防ぐ抗菌作用もなくなりません。
また、湿気対策としてラテックスマットレスの下に除湿シートを敷いておくと効果的です。
快適な寝心地を継続させるために、日々のメンテナンスをしっかりと行いましょう。
ラテックスマットレスは高機能なマットレス
ラテックスマットレスはダニやカビを防ぐ効果があり、それらのアレルギーを持つ人には救世主のマットレスになる可能性があります。
また、腰への負担を少なくする体圧分散と、高い反発力を持つことで安心して眠りにつくことができるでしょう。
天然のゴムを使用しているため、重さや湿気に弱いというデメリットもありますが、それを上回る心地よい睡眠ができるというメリットがあります。
近年ではイケヤや無印良品でもお手頃なラテックスマットレスが販売しているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。