長い時間眠っても、睡眠の質が悪いと、中々疲れをとることはできませんよね。
安眠するためには、寝具の色が重要な役割を果たしていることをご存知でしょうか。
眠る間際に目に入りやすいのはお布団カバーやシーツですが、「最近、疲れが取れない」と感じるような時は、寝具の色を変えてみるのもひとつの手になります。
今回は、安眠を得るための寝具の色の選び方をご紹介していきます。
寝具の色と安眠との関係は?
寝具を選ぶ時、どのようにして選んでいますか?
素材の良し悪しや肌ざわり、お部屋との統一感で選ぶことがあれば、好みの色で選ぶこともあるでしょう。
色を見て選ぶ場合には、当然「自分の好きな色だから落ち着く色であるはず」と思ってしまいますよね。
しかし、色には「興奮色」と「鎮静色」があるため、たとえ自分が好きな色であっても、寝具として使用するには不向きなものもあるのです。
文字通り「興奮色」は交感神経を刺激し、脳を活性化させてしまうために、眠る前には向いていないということになります。
一方で「鎮静色」は心を落ち着かせてくれる作用があるため、眠る時に見るにはふさわしい色ということになります。
しかし、鎮静色で寝具を整えた場合でも、たくさんの色を一度に使用するのは望ましくありません。
また、家具やカーテンの色と全く合っていなくて、ちぐはぐな印象の寝具になっても良くありません。
上手にお部屋のコーディネートと会う寝具の色を選んで、安眠を誘うようにしてみましょう。
寝具にふさわしい鎮静色とは?
それでは、安眠を誘うための色を見ていきましょう。
前項で述べた通り、眠る時にふさわしいのは鎮静色であり、一言で言うならば「刺激の強くない色」ということになります。
また、イメージ的には寒色系のものが多く含まれていると言えます。
鎮静色で代表的なものは青系・緑系のものが多く、特徴的なのは彩度が低い色だということです。
たとえば、青の中でも明るく、蛍光ペンで使用されそうな水色や、光り輝くエメラルドグリーンなどは鎮静色と呼ばれません。
どちらかというと、ブルーグレーのように光沢の抑えられた落ち着いた色味や、緑の中では盆栽のような静かな深い緑が鎮静色と呼ばれるものになります。
しかし、ここで挙げた鎮静色は、寝具の色としては暗く、少しさみしいような気がしてしまいますよね。
いくら落ち着く色味と言っても、あまりに暗い寝具の色では安眠よりも気分が暗く落ち込んでしまう可能性も、あるかもしれません。
そのため、寝具の色としてはもう少し彩度が明るめのものを選んでも良いのではないかと考えます。
例えば、海を思わせる深い青や、青空を感じさせる、明るいけれど淡い水色なんかも良いですね。
また、グリーンでも初夏の木々を思い起こさせるような明るめの緑や黄緑を選ぶと、明るく落ち着いた空間を作ることができるでしょう。
緑は安らぎや癒しの効果が高い色でもあるので、寝具にはとても適しているでしょう。
自然に近い色は安眠効果が抜群!
前項では海や空、木々を連想する色をご紹介しましたが、実は自然に近い色は安眠を得るために適した色と言えます。
一般的にアースカラーやナチュラルカラーと呼ばれているものは、人の気分を落ち着かせてくれる効果があります。
アースカラーならば茶系のものにカーキやオリーブなどの落ち着いた緑系、ナチュラルカラーならば薄めの茶系やベージュ、生成り色やオフホワイトも含まれるでしょう。
茶系は暖色系なので、興奮色なのかというとそれは違います。
暖色のものでも彩度が抑えられたものは、興奮色とは呼ばないのです。
ナチュラルカラーは、お布団カバーやシーツの中でもよく使われている色で、清潔感もあり、とても寝具に適した色と言えます。
木の幹を思わせる茶色やベージュは、安心感やぬくもり、緊張をやわらげる効果があります。
また、茶系は家具やフローリングなどお部屋のコーディネートとも合わせやすい色ですので、お部屋を選ばず、失敗しにくい色とも言えます。
また、自然に近い色は、季節に合わせて様々な組み合わせもできますよね。
たとえば、夏はオフホワイトのシーツに緑のお布団カバー、冬は生成りのシーツに茶系のお布団カバー、というように。
シックな茶色のシーツにさわやかな緑を合わせても、落ち着いた色で安眠を得ることができそうです。
寝具の色で悩んだ時には、ナチュラルカラーで揃えておくと間違いないかもしれませんね。
安眠を妨害する可能性のある色とは?
それでは、安眠を妨害しかねない色とはどんな色でしょうか?
先ほどから何度も登場している「興奮色」がその筆頭ですが、赤やオレンジなどの華やかな色合いで彩度の明るいものは避けるようにしましょう。
また、黒は落ち着いた印象を与える色なのですが、寝具の色としてはあまり適していません。
落ち着きの反面、重たすぎるのです。
また、深すぎる黒は闇を連想させるため、人によっては不安を呼び起こすこともあると言われています。
そして、紫は賛否両論ある色なのですが、できれば避けた方が無難と言えるでしょう。
紫は落ち着きを与える色と言われる一方で、考え事や想像力を高める色、とも言われています。
興奮とはまた違いますが、考え事で脳を活性化させてしまっては安眠には結びつかない気がしてしまいますよね。
赤やオレンジはともかく、落ち着いた色味のものでも心や脳を動かす可能性があるので、必ずしも安眠を得られる、というわけではないのです。
だからと言って、嫌いな色を無理に取り入れることも安眠妨害になるかもしれません。
好きな色の寝具と、落ち着かせる作用のある色の寝具が一致していれば良いのですが、そううまくはいかないこともあります。
そのような場合はどうしたら良いのでしょうか?
それでも好きな色の寝具を使いたい時は
「私はどうしても赤が好き」
「寒々しい色は使いたくない」
様々な理由で、今までに挙げた色を選びたくないという方もいらっしゃるかもしれません。
好きな色を寝具に使いつつ、安眠を得るにはどうしたら良いのでしょうか?
そんな時には、ベースカラーとしてではなくアクセントカラーとして好きな色を使用すると良いでしょう。
例えば、明るいオレンジを使用したい時には、ベージュや淡い黄色のお布団カバーにオレンジの差し色があるものを選んでみましょう。
赤を入れたいのなら、寝転んだ時に目に入らないお布団カバーの足元や、シーツの見えなくなる部分に赤いお花があしらってあるものなどを選ぶ方法もあります。
また、色味を淡くさせるという方法もあります。
紫が好きならば淡い藤色を選んでみてはどうでしょうか。
藤色は、ラベンダーを連想させることもあり、安眠に向いているかもしれませんよね。
「色にこだわるのではなく、寒色やナチュラルカラーはさみしくて嫌だ」
そのような気持ちになったなら、ピンクのお布団カバーをおすすめします。
ピンクは明るいながらも、落ち着きやリラックスの効果を持っています。
お部屋の差し色にもなって、明るくやわらかい雰囲気を作ってくれるでしょう。
安眠を得るためにはこんな方法も
安眠を得るためには、寝具の色以外にも気をつけたいことがあります。
寝室は、明るすぎると目を休ませることができません。
睡眠を妨げるのは、目から入る情報が一番の刺激となります。
できるだけお部屋を暗くした方が良いのですが、真っ暗だと不安を感じるような場合には、足元の間接照明などを使用すると良いでしょう。
同じ理由で、パソコンやスマホも刺激が強すぎて覚醒効果が高くなってしまいます。
眠る1時間前は避けた方が安心ですね。
また、睡眠の環境を整えることも大切です。
色だけではなく、寝具のやわらかさや肌ざわりは悪くないでしょうか?
パジャマはゆったりとしたものを選んでいますか?
お部屋の温度や、お布団の厚み、量なども安眠を得るために必要なものです。
他には、自分自身の身体と心を整えることも大切です。
睡眠前に食事やアルコールを摂っていると、眠りは浅くなります。
心配事や、考え事をしながら眠りに就くと、中々寝つけなかったり、良くない夢を見てしまう可能性もあります。
毎日のことですから全てを守るのは難しいかもしれませんが、毎日の身体のためと思えば、できるだけ守ることはできるかもしれません。
寝具選びと合わせて、試してみてはいかがでしょうか?
安眠を得て日中の疲れをとる!
安眠を得るための寝具の色は、「これだ」と明確に示すことはできません。
ひとりひとり、全く違う色になることもあるでしょう。
しかし、共通して言えるのは、毎日の安眠を守ることは、日中の疲れやストレスの軽減にも繋がるということです。
できるだけ自分に合った色の寝具を選んで、安眠を得るためのサポートになると、嬉しいですよね。
様々な方法で、気持ちの良い睡眠を得られるようにしてみましょう。