綿のお布団が古くなったり傷んだりした場合、皆さんはどうされていますか?
「もったいない」とは思いつつも、意外と捨ててしまう人も多いのではないかと思います。
今回は、「古くなったお布団の綿ってどうしてる?」、「捨てずに再利用する方法って?」などの疑問についてお答えします。
昔は古い綿布団を再利用するのが当たり前だった
綿布団はとても丈夫で長持ちするので、ご家庭によっては、もしかすると何十年も前の綿布団を保管しているご家庭もあるのではないかと思います。
現在こそ、羽毛や羊毛が数多く販売されていますが、昔は綿布団が主流だった時代もあります。
赤ちゃんが産まれると、お婆ちゃんが赤ちゃん用の小さな綿布団を手縫いで作るのが風習でした。
また、古くなった綿布団は、再度手作業でほどいて、座布団などに作り替えたりする事も、昔ではよくおこなわれていました。
ですから、古い蔵や納屋がある家では、もしかすると、昔の人が手作業で再利用したお布団や座布団がまだ残っているかもしれません。
また、昭和時代からあるような綿布団は、「古くて再利用すらできないのでは?」と思う方もいると思います。
実は昔の綿は、純綿といわれる混ぜ物がない木綿でできていますので、化学繊維などが含まれているような綿繊維よりは、遥かに吸湿性に優れているのです。
このようにひと昔前は、綿布団は手作業によって何度も作り直しするのが一般的でした。
それが現在では、綿の他にも化学繊維などのお布団を安く購入する事ができるという理由もあって、手作業でお布団の打ち直しをする風習はなくなってしまいました。
しかし、現在でも綿布団の打ち直しをしてくれる場所があります。
寝具店では、綿布団を持っていくと、お布団の打ち直しをしてくれます。
次項では、寝具店でのお布団の打ち直しについてお話します。
古い綿布団を再利用・打ち直し
綿布団の場合は、お布団の表面が汚れてしまった場合、クリーニングに出すのもお金がかかってもったいなかったり、時間をかけて一部の汚れを取るのも面倒だったりしますよね。
ついつい、頃合いをみては捨ててしまう人も意外と多いのではないかと思います。
また、現在の若い人の場合は、綿布団が再利用できる事を知らないのかもしれません。
「昔の人は手作業で綿布団を再利用していた」という事が分かれば、様々な物にリメイクをして楽しむ若い人たちも増えるのではないかと思います。
では、ここで、寝具店の綿布団の打ち直し作業の工程を見ていきましょう。
どのようにして新しいお布団に作り変えるのでしょうか。
【打ち直し工程】
1 打ち直し(再度きれいな状態のお布団に作り直し)する場合は、まずはお布団から綿を取り出します。
2 機械を使って何度か綿をほぐし、繊維を整えていきます。
3 熱処理をして、汚れ、ダニ、カビ、埃などを除去しながら、繊維を回復していきます。
4 薄く伸ばした綿繊維をきれいに折り重ねます。
5 生地の中に繊維を入れ、縫い付けができたら完成です。
単に、繊維を取り出して外生地を新しい物に交換するだけなのか、と思った人も多いのではないかと思いますが、寝具店では専用の機械を使い、繊維を良い状態に回復させる作業を行ってくれるという事が分かりましたね。
綿布団を再利用したベビー布団
上記では、綿は時代が古くなるほど純性であることをお伝えしましたが、再利用の1つの方法として、赤ちゃん用のベビー布団に作り変えてみるのはどうでしょうか。
昔は純綿を使って赤ちゃんのお布団を手作りするのが一般的でしたが、現在では年齢を重ねても忙しくお仕事をする方が多いので、作りたいと思っても、なかなかそのような時間がない人が殆どだと思います。
もし、ご自宅で何年も保管している綿布団がある場合は、寝具店で、記念やお祝い用にベビー布団として作り変えてプレゼントするのも、良い方法なのではないでしょうか。
また、思い入れの深い古いベビー布団を、新しいベビー布団として打ち直しも喜ばれるかもしれませんね。
数が多ければ、何枚も作れますし、敷布団と掛け布団のセットで作ってもらう事もできます。
可愛い外生地で仕立ててもらえば、きっと素敵なプレゼントになる事でしょう。
古い綿布団をクッションや座布団に再利用
古い綿布団を、打ち直しをして新しいお布団として再利用するのって、とても素晴らしい事ですよね。
物を無駄にしない日本人の「もったいない精神」に感銘を受ける外国の方が大勢いらっしゃるのもうなずけます。
綿の再利用は、お布団だけではなく、普段使いができるように、クッションや座布団に作り変えてみるのも良いでしょう。
寝具店では、古くなった綿布団を再処理してくれますが、あまりにも傷んでいる箇所は再利用ができない場合もあります。
そのような時は、新たに綿を足して打ち直してくれますので、安心して作り変える事ができます。
また、持ち運んだ綿布団の繊維に傷んだ所が多く、多くの綿を足さなければならない場合は、あえて綿を足さずに、クッションや座布団として打ち直ししても良いかもしれません。
また、お布団の打ち直しで綿が余るような場合の時も、そのように対応してもらうと良いかもしれませんね。
古い綿布団を自分でリメイクしてみる
「古い綿布団ではないけれど、表面生地の汚れがひどくて捨てたい」などの場合は、綿繊維自体には問題がないので、まだまだ再利用できます。
そのような場合は、中綿を使ってご自分でリメイクしてみてはいかがでしょうか。
ご自分でリメイクするまでの、綿の再処理法をご説明します。
【綿の再処理法手順】
1 外生地を開いて綿を出す
2 ほぐして天日干しする
この過程は重要です。
天日干しをして、ダニやカビの除去作業と共に、繊維から湿気をとって綿繊維の弾力性を回復させましょう。
3 十分に天日干ししたら、綿はいつでも使用できます。
クッションや縫いぐるみ、またはペットの寝具作りでも良いでしょう。
綿布団の再利用としては寄付という方法もある
上記のように、綿は傷みがひどくない限りは、何度でも再利用ができる事が分かりましたね。
何十年という時間が経っていても、保管状態によっては打ち直しをして新しいお布団として使用する事もできます。
しかし、お引っ越しなどの場合やその時の状況によっては、捨てる事を考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、そのような時は、すぐには捨てずに寄付をしてみてはいかがでしょうか。
まだまだ使用できる状態である場合は、再利用で新しい物に作り変える事ができます。
お住まいの市町村や、ボランティア団体に問い合わせると、連絡先などを教えてもらえる場合がありますので、時間のある時に調べてみるのも良いでしょう。
受け取った団体では、様々な方法で再利用してくれますので、もし捨てようと思うのであれば、寄付をするという再利用法を選択するのもおすすめですよ。
古くなった綿布団の賢い再利用法
1 古い綿布団は打ち直しをして新しいお布団を作る事もできる
2 ベビー布団として再利用する事もできる
3 綿布団の再利用法としてクッションや座布団を作る事もできる
4 自分で、縫いぐるみなどに作り変える事もできる
5 再利用には寄付をするという選択肢もある
もし、ご自宅に綿の布団が眠っていたら、可愛くリメイクしてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。