電球が焦げてる!ソケットとの接触部分が黒くなるのはなぜ?

ある日、天井にある電球とソケットとの接触部分が、焦げているようになっているのを発見したことはありませんか?

このように黒くなる現象は、いつ事故につながってしまうのかと心配ですよね。

そこで、電球とソケットとの接触部分が、黒くなるのはどんな原因なのかを知って、事故を未然に防げるようにしましょう。

正常であれば黒くなることはない電球の仕組み

では最初に、電球が点く仕組みを勉強してみましょう。

電球の元祖である、白熱電球は1860年にイギリス人のジョゼフ・ウィルスン・スワンが発明しました。

私たちは、「電球の発明=エジソン」と思っていますが、実は最初の発明自体はジョゼフ・ウィルスン・スワンなのです。

この人物は、エジソンと一緒に会社を設立した人物でもあります。

この電球の発明から、エジソンはさらに研究を重ねて実用化をしていったのです。

当時の白熱球は炭素の芯に通電するフィラメントに竹を使って、実用に耐える電球を作りだしたと言われています。

現在は竹ではありませんが、このフィラメントと呼ばれる電球の真ん中にある波状の細い電線の中を、高速で動いた電子の摩擦で生まれる発光が、電球の明かりです。

そして、電球の根本にある金属部分が「金口」です。

金口の接触部分にある、ソケットの中の電線から電流が送られてきます。

そこの「金口」を通して送られる電流が、フィラメントに到達し、電子とフィラメントの原子とがぶつかる摩擦で発光するのです。

つまり、電球が発光するのは「フィラメント」「ガラス球」「金口」から成り立っています。

そしてこの摩擦と同時に熱を放ちますが、このことを電気抵抗といいます。

この時、電球本体が熱を持つことが特徴ですが、通常の使用では黒くなるということはほとんどないのです。

電球の接触部分にあるソケットの役割

もう少し、電球の仕組みについて解説していきましょう。

多くの場合、黒くなる部分は電球の口金と、ソケットの接触部分に見られます。

ソケットは、電球をはめ込むための受け口となり、たくさんの種類があります。

大分類上では、差し込みタイプとねじ込みタイプの2つになります。

主に一般家庭で使われているのは、ソケット本体にスイッチのあるものとないもの、またひもを引くソケットなど、細かく分けると種類は豊富です。

外部の素材は耐熱性のあるプラスチックで、内部は絶縁材料やリン青銅などの高導電率ばね材料が使われています。

そして、ソケットの内部には2つの電極があり、これは電流が電気回路に流れるための接続部分として大きな役割を持っているものです。

このソケット内にある2つの電極、つまり絶縁体は金口の接触部分とあたることによって電気を発生します。

電球に電気を流すためには、電極が必要なのです。

なぜなら、乾電池でいえばプラスとマイナスのように、2つの電流が必要で、このプラスとマイナスを絶縁するために、絶縁材料を使った絶縁体が必要不可欠になるからなのです。

また、絶縁体を使わない方法もありますが、一般家庭で毎日使う場合には金口が剥き出しだと事故の恐れがあるので、接触部分を安定させ保護するための役割をもっています。

ソケットの接触部分にある電球の口金の役割

しかしながら、接触部分が黒くなる原因は、ソケットだけではないようです。

ソケットとの接触部分である、電球の口金にも原因がある可能性があります。

電球の口金にも、差し込みタイプとねじ込みタイプの2つがあります。

差し込みタイプのサイズは、「G」+数字で表されています。

この「G」は端子が2本以上あるという意味で、ピンとピンの間の距離を数字で示しています。

もう1つのねじ込みタイプのサイズは、「E」+数字で表されています。

一般家庭用で使用されているのは、E26またはE17のサイズが多いようです。

この口金のサイズを表す「E」はトーマス・エジソンの「エジソンベース」から名づけられているそうです。

サイズを示す数字は、口金の直径を示しており、形は同じでもサイズはさまざまあります。

そして、この口金の役割は2つあり、1つは電球を取りつけるための接触部分としての役割を果たしています。

金属部分がねじのようになっているので、取りつけ方を間違わない限りは、逆さまにしても落下してきません。

2つ目の役割は、電流を電球に送ることです。

ソケットにねじ込むと、ソケット内部の電極と接触し電流が流れるのです。

この接触部分が黒くなるのは、ねじ込みタイプのものが多いと言われています。

電球とソケットとの接触部分が黒くなる原因

よくあるのが、電球のワット数が40Wに指定されている照明器具に、それ以上のワット数の65Wの電球をつけた場合、必要以上の熱を持ち黒くなる原因になります。

ワット数が規定以上に高すぎると、電球の熱によって「低温炭化」し、電球とソケットとの接触部分が黒くなるのです。

この「低温炭化」とは、たとえ低温でも長期間にわたって熱を加えたままでいると、やがて炭化してしまうことです。

つまり、キャンプなどで使う「炭」のようになり、いつ燃えてもおかしくない状態になってしまうのです。

また、電球の口金のサイズとソケットのサイズが合っていないことでも、接触部分が黒くなる原因として挙げられます。

それに伴い電球の口金とソケットとの接触部分に隙間が開きすぎていてもいけません。

なぜなら、ソケットにホコリが溜まりそのホコリに電流が流れ、ホコリが蒸し焼き状態になります。

そのような状態になると、いずれ炭のようになり絶縁部分がショートする「トラッキング」が起こりますので、電球が黒くなることがあります。

電球とソケットとの接触部分が黒くなると危険がいっぱい!

また、合わない電球を無理やり電球をソケットに押し込むと、ソケットにひびや傷ができたり、破損の恐れがあります。

これらのように正しくない方法で取りつけた多くの場合は、異常の過熱状態になり、電球とソケットの接触部分が黒くなる現象が起こりやすくなります。

電球とソケットの接触部分は、1番過熱されやすい場所です。

通常は市販されている照明器具などは、安全性を配慮したデザインで作られています。

しかし、規定を超えた熱が蓄積された場合、照明器具や電球カバーにも危害が及ぶこともあるでしょう。

特に、プラスチック製の照明器具や電球カバーなどは、熱に弱いため形が崩れたり黒くなる原因になります。

電球やソケットの接触部分が、黒くなることだけではなくなります。

また、その場所で漏電などしていたら、ちょっとしたきっかけで火災に発展する可能性は大きいでしょう。

黒くなる前に日頃のチェックをしておこう

電球とソケットの接触部分が黒くなる前に、日頃からこまめにチェックしておきましょう。

電球とソケットの大きさは合っているかどうか、過剰なワット数の電球がついていないかどうか、また電球に緩みがないかどうかを見ておくといいでしょう。

そして、電球がチカチカして、点きが悪くなったり黒ずみかけてきた時は新しいものに換えましょう。

また、コンセントの接続部分もチェックをしておくといいでしょう。

毎日使っていると、コンセントの差し抜きはほとんどしないので、ホコリが上に溜まっているかもしれません。

コンセントが何かのはずみでずれた時、上のホコリがトラッキングを起こしては大変です。

もし今使っている照明の電球が、ソケットのサイズと電球のワット数の規格に合うものが探してもみつからない場合には、新しく照明器具と一体型のLED照明器具に換えてもいいかもしれません。

いずれにせよ、毎日でなくても気がついた時にチェックしてみることは、大きな事故を未然に防ぐことができることにつながります。

明るく安全な日々を過ごそう

電球だけでなく、黒くなるというような現象は、何かがあるサインです。

そのサインを見逃さないように、またサインが出る前に、安全チェックをするようにしましょう。

そして、器具には規格やサイズの数字や文字が刻印されています。

この文字や数字、そして黒くなるサインを見逃さずに、電球のように明るく安全な毎日を過ごしましょう。