家で毎日眠っている、お布団の素材はなんでしょう?
当たり前のように使っていながら、素材を意識することはあまりないのではないでしょうか。
今回は、お布団の中でもよく使用されているポリエステルと綿のメリットやデメリットについてまとめてみました。
それぞれのお布団のどちらが向いているのかを知って、ご自分に合うお布団を見つけてくださいね。
ポリエステルのお布団のメリットとデメリット
まずは、ポリエステルのお布団について見ていきましょう。
綿のお布団と比較して、ポリエステルの最大のメリットは、価格帯がリーズナブルなことが挙げられます。
また、現在はポリエステルのお布団の生産量が非常に多いため、布団専門店に限らず、ホームセンターや大型商業施設、スーパーマーケットなど、比較的どこでも手に入ることも人気の理由のひとつでしょう。
さらに、ポリエステルは軽くてクッション性が高く、耐久性もあるので、長く使用していても簡単に潰れてしまうことはありません。
そのため、掛け布団も、掛けていて重いと感じることは少ないでしょう。
化学製品のため、天然素材よりもホコリが出にくく、防ダニ・カビや抗菌などの加工を施すことが出来るというのも大きな特徴ですね。
一方で、デメリットとしては吸湿性が綿などの天然素材と比べると大きく劣るということでしょう。
化学繊維を100%使用していると、吸湿性はほとんどないというのが実情です。
普段は汗をかきにくい方でも、眠っている間には寝汗をかいています。
毎日の疲れをとるためのお布団が、寝る時にジメジメとしているのでは気持ち良く眠ることが出来ませんよね。
そのため、こまめに干して湿気を飛ばしてあげる必要があります。
加工が出来るからお手入れが簡単と思ってしまいがちですが、防ダニ・カビの加工は絶対に大丈夫と言うものではありません。
ポリエステルのお布団こそ、こまめにお手入れをする必要があるのです。
綿のお布団のメリットとデメリット
それでは、綿のお布団のメリット・デメリットはどのようなものでしょうか?
綿のお布団は、ポリエステルなどの化学繊維と比べると、メリットもデメリットも対極にあります。
まず、天然素材である綿は、吸湿性や保温性に優れていることが最大のメリットとなります。
また、回復力も優れているため、一晩たっぷりの汗を吸いこんでしまっても、天日干しをすることでしっかりと湿気が放出されれば、ふかふかの寝心地を取り戻すことが出来ます。
綿は自然の繊維のため、人肌にもやさしいので赤ちゃんでも安心して使用することが出来ます。
昔から長く親しまれているだけあって、日本の気候や風土に合った優れたお布団と言えるでしょう。
一方で綿のデメリットは、重さと価格帯でしょう。
ポリエステルと比較するとずっしりと重く、お値段も安価なものはあまりありません。
また、綿100%のお布団は扱っていないお店も多いため、購入する時にはお店を考える必要があります。
重さに関しては重厚感と温かみがあり、これくらい重い方が良いという方もいらっしゃるので、デメリットだけとは限りませんが、軽いお布団に慣れてしまっている方には、寝苦しいと感じることもあるかもしれません。
さらに、綿のお布団は吸湿性に優れているのに放湿性にはあまり優れていません。
先ほど、天日干しでふかふかになるということをご紹介しましたが、逆に言えば天日干しでしっかりと湿気を取ってあげる必要があるということにもなります。
ポリエステルと綿の混紡は?
それでは、どちらも100%を選ばずに、ポリエステルと綿の混紡を選んでみるのはどうなのでしょうか?
両方の優れているところを持っているなら、混紡が一番お得な気がしてしまいますよね。
確かに、現在は混紡のお布団がたくさん販売されていて、寝具売り場へ行けば大体のお店で手に入れることが出来ます。
それだけ、消費者のニーズも高まっていると言えるでしょう。
混紡のお布団は、ちょうどポリエステルと綿のお布団の中間位置に立ち位置があると考えられます。
ポリエステルほど軽くはなく綿ほどに重くはない、吸湿性は多少あるけれど、綿のお布団よりは少し劣る…このような感じになりますね。
こうして書いてしまうと、「良いとこどりというよりも中途半端なのでは?」と感じられてしまうこともあるかもしれません。
それでも「綿のお布団ほど重厚感を必要としていないけれど、割合にリーズナブルでクッション性が高く、そこそこ吸湿性もある丁度良いお布団がないかな」と考える方はたくさんいらっしゃると考えます。
混紡のお布団は、どちらにも偏りすぎない「丁度良いお布団」として愛されているのですね。
もしも、ポリエステルと綿の混紡を選ぶのであれば、その割合はポリエステル30%前後のものを選ぶと、クッション性に優れた快適な寝心地になりますよ。
もちろん好みもありますので、ご自分の体質や体格などを加味して、合ったお布団を選んだ方が良いですね。
ポリエステルと綿のお布団はどんな人に向いている?
ここまでにポリエステルと綿、混紡のお布団についてご紹介してきましたが、それぞれどのような方に向いているお布団なのかを見ていきましょう。
ただし、あくまでタイプ別にわけるだけですので、最終的にはすべての素材を試してみた方が、より良いお布団を選べます。
◎ポリエステルのお布団が向いているのは
・軽くてクッション性に優れているお布団が好きな方
・値段がリーズナブルで、近くのお店で手に入れたいと考えられる方
・衛生面で優れているものが欲しい方
◎綿のお布団が向いているのは
・温かく重みのあるお布団が好きな方
・値段は気にせずにじっくりと専門店で選びたい方
・寝心地を重視し、長く使用したいと考える方
混紡に関しては先ほども述べましたが「どちらとも言えない、どちらも良いと思える」とお考えの方でしょう。
上に述べた以外で、ポリエステルに関しては綿よりもホコリが出ないためにアレルギーがある方にも向いていると言えますが、化学繊維は静電気によって床にあるホコリを吸い寄せてしまう傾向にあります。
そのため、フローリングでは特性が活かしにくいので、アレルギーのある方は和室やベッドで使用する場合に限ってポリエステルが向いていると言えるでしょう。
ポリエステルと綿のお布団はどれくらい使用出来る?
さて、お布団といえばあまり頻繁に買い替えるものではありませんが、耐用年数はどれくらいなのでしょうか?
汚れたり、へたったりしたら買い替えるという方は多いかと思います。
しかし、大体の目安がわかれば、常に清潔で快適な睡眠を得られるお布団で眠れますよね。
お布団の使用年数は使用頻度やお手入れの仕方、素材などによっても大きく変わりますが、掛け布団よりも敷布団の方が早く寿命が来ると言います。
毎日、ずっしりと体重が掛かっている状態で何時間も使用するので、当然のことかもしれません。
ポリエステルの使用期間は、目安で言うならば掛け布団で10年、敷布団で5年くらいでしょう。
お布団の専門家によっては、3年くらいで買い替え時と仰る方もいますが、実情は3年ではへたりがあまり見られません。
ただし、皮脂や汗の付着で衛生的ではありませんので、3年以内に1度くらいは丸洗いをした方が安心です。
綿布団はさらに長く、20年30年と打ち直しを何度か経て使用される方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、目安ならば15年前後と考えれば良いでしょう。
ポリエステルも打ち直しは出来るのですが、コストを考えると新しいものを購入した方が断然お得です。
どちらのお布団を選んでもお手入れはしっかりと
ポリエステルでも綿でも、お布団のお手入れはしっかりとする必要があります。
日本は梅雨もありますし、湿気が多くカビやダニが繁殖しやすい国と言えます。
そのため、お布団を毎日上げて、こまめに天日干しをしたり湿気を飛ばしたりして清潔に保つようにしましょう。
ただし、強い日差しの中に長時間干しておくと、今度はお布団の劣化が早くなってしまいます。
季節によって、お布団を干す時間帯や長さもしっかりと管理しましょう。
カバーやシーツを掛けて干すと、紫外線による劣化が軽減されますよ。
さらに、保管する時も注意が必要です。
汗が染みたお布団をしまって長期間保管すると、汚れやカビ、ダニの原因となります。
長期間の保管前には、必ず日に干して乾燥させるようにしましょう。
その時には、カバーや古いシーツで覆って防虫剤を入れておくと安心です。
保管中も、時には天日干しをするなどして押し入れも乾燥させると良いですね。
毎日を気持ち良く過ごすために
ポリエステルと綿のお布団、どちらもメリットとデメリットがあり、購入する時には迷ってしまいそうですね。
ご自分のお部屋の環境や、生活スタイルに合わせて最適なお布団を選びたいものです。
また、どんなお布団もデリケートでありお手入れは必要だけれど、大切に使えば長く快適に眠ることが出来るということもわかりました。
それぞれの良いところを活かした、心地良いお布団を探してみてくださいね。