ためちゃダメ!慢性的な疲れには睡眠+αで元気な身体へ回復

みなさんは、日頃の疲れを回復するために、休日にたっぷり睡眠を取っても疲れが取れなかったことはありませんか?

病気の気配がなければ、それは間違った疲れの回復方法かもしれません。

睡眠を取ることは大事なことですが、睡眠を取ることだけでは完全な疲れの回復には繋がりません。

そこで、いつもの睡眠に別の要素を加えて、日頃の疲れを回復してみましょう。

「疲れ」のメカニズムを知ろう

「疲れたな…」と感じたら、いつもより多く睡眠を取れば、疲れが回復すると考えがちです。

しかし、疲れの原因は睡眠不足だけではありません。

「疲れ」の原因の1つは、体内の活性酸素の分泌が増えすぎてしまうことにあります。

その活性酸素とは、呼吸で身体に取り入れた酸素を使い、エネルギー生産をする時に発生する物資です。

これは、他の物資を酸化させる力がとても強いため、身体に負荷がかかりすぎると、細胞の働きを悪くさせて、疲れの回復を遅らせます。

そして、身体を動かすエネルギーが落ちることによって、人の身体で感じるのが「疲れ」となるのです。

また、もう1つの原因は、身体へのリラックス効果をもたらす「セロトニン」の働きが悪くなるためです。

強いストレスを感じることが多い生活の場面が多いと、セロトニンの働きが低下し、高まった神経を抑えることができなくなって、常に緊張した状態が続き「疲れ」をもたらします。

このように「疲れ」とは、単に睡眠不足だけでなく、人の身体に関係する「活性酸素」と、神経に関係する「セロトニン」によっても起こるものなのです。

疲れが回復しないとこんなことが起きる!

疲れが回復しないとどのようなことが起こってくるのでしょうか。

まず、多くの人が経験があるように、肩こりや腰痛が起こりやすくなります。

これは交感神経の働きが活発になり、筋肉を緊張状態にしてしまうからなのです。

さらに、「前頭連合野」と呼ばれる、感情のコントロール・論理的な判断・予測など行う組織の働きも低下して、注意力がなくなり、思考能力も低下します。

このような状態での自動車の運転は、とても危険です。

そして、身体の中の老廃物も溜まり、身体が重く感じたりする「だるい」という症状がで出ます。

さらにやる気も欠落し、仕事の効率も下がり、せっかくの休日も心から楽しむことができなくなってしまいます。

これが悪化してくると、感情のコントロールさえもできなくなり、常にネガティブでイライラが付きまとい、憂鬱な日々を送ることになりかねません。

このように悪化する前に、日頃から気を配り良質の睡眠の確保や、様々な方法で、少しでも早く疲れを回復しましょう。

もし、このような症状が半年近く続く場合には、専門家や掛かりつけの医師に早めに相談することをおすすめします。

睡眠の時間が多くても疲れは回復できない?

このように「疲れ」は、様々な原因によって起こるものです。

平日は、どうしても睡眠時間が少なくなってしまいがちです。

そのため、休日に足りない睡眠時間の穴埋めをしようと「寝だめ」をして「疲れを回復させよう」と思う人もいるかもしれません。

しかし、その「寝だめ」は疲れが回復するどころではなく、反対に回復を遅らせてしまうようです。

なぜなら、「寝だめ」をする人は正午近くまで寝ることが多いので、その分体内時計は遅れてしまいます。

そして、起きた時には気分は爽快に感じますが、時間が経つにつれて身体のリズムが崩れてしまい、ちょうど時差ボケのような状態になるのです。

このように「寝だめ」は、身体に逆効果を与えてしまうので、できるだけ避けるようにしましょう。

また、休日前夜の夜更かしも体内時計が遅れてしまう原因です。

多くても睡眠時間は、平日の起床時間にプラス2時間を目安にするようにし、足りない場合は短い時間での昼寝や仮眠を取り入れましょう。

昼寝や仮眠の時間の目安は、おおよそ15分から20分程度がおすすめです。

その際は、摂取して約15分から20分後に覚醒作用が働くように、カフェインの入ったコーヒーなどを昼寝や仮眠の前に飲むといいでしょう。

このように、「寝だめ」は睡眠のリズムを乱し、結果的には疲れの回復にはならないのです。

睡眠前に疲れを回復させるためにしておきたいこと

睡眠の方法によっては、疲れの回復を手助けすることができます。

では、どうしたら疲れを回復させる睡眠を取ることができるのでしょうか。

まず、良質な睡眠には、最適な温度と湿度が大きく関係しています。

適した温度は、夏は25度から27度で、冬は14度から20度、そして湿度は50%から60%と言われています。

これを目安に、寝室を調整するといいでしょう。

さらに寝る前に、リラックス効果のあるハーブティーや、身体を温める効果のある生姜湯などを飲むと、睡眠の質を高めてくれるようです。

また、疲れを回復してくれるラベンダーやカモミールなどのアロマを用意して、寝る前に嗅いだり、リラクゼーション効果のある音楽を静かに聞いたりすることもおすすめです。

入眠前の寝室の明るさは、物が見えるくらいの薄暗さにしておくといいでしょう。

そうすることによって、人の身体は睡眠の準備をすることができるので、入眠してからすぐに、深い眠りに入ることができ、疲れを回復することができる効果が期待できます。

一般的に、理想的な睡眠時間は、6時間から8時間前後と言われていますが、自分の身体にとって十分な睡眠時間であれば、特に時間にこだわる必要はないようです。

睡眠+入浴方法で疲れを回復しよう

睡眠の他に、疲れを回復させる方法でおすすめなのは、入浴です。

湯船にゆっくり浸かることによって、疲れを回復させることができます。

しかし、お湯の温度が高いと、交感神経の働きが活発になり、身体が覚醒してしまいます。

反対に、ぬるめのお湯にゆっくりと時間をかけて浸かることで、副交感神経が活発になり、血管が開いて血圧が低下するのです。

さらに身体の緊張がほぐれて、リラックスできるだけではなく、消化管の血流が増えます。

消化管の血流が増えると、食べ物の栄養素の吸収がされやすくなり、代謝もよくなります。

このような効果を得るために、湯船の温度はぬるめの約38度から40度を目安に入浴するといいでしょう。

さらに、入浴後1時間から2時間後に寝るようにするのがいいです。

なぜなら、入浴することによって身体の深部体温が上がりますが、その後深部体温が下がっていく時に、人の眠気は起こるものだからです。

ですので、この時に入眠することで、自然に眠りに入っていくことができ、疲れが回復しやすい良質な睡眠を取ることができます。

睡眠+食事でも疲れを回復させよう

さらに、疲れを回復させるために栄養補給も大事な要素の1つです。

疲れていると、どうしても「油分の多い食べ物=スタミナが付くもの」と、イメージしがちですが、油分の多い食べ物をたくさん食べてしまうと、逆に胃腸に負担をかけてしまいがちです。

また、ご飯や麺類などの炭水化物だけでは、疲れを回復させるビタミンb1が消耗されてしまいます。

なので、炭水化物と併せて、たんぱく質を摂るようにしましょう。

特に、高たんぱく低カロリーの鶏のむね肉は、疲れを回復させる効果が高いと言われている、イミダペプチドを豊富に含んでいます。

そして、豚のもも肉には炭水化物や脂質を、エネルギーに変えてくれるビタミンb群が多く含まれており、疲れを溜め込まないように働きかけてくれます。

さらに、エネルギー代謝をよくして、脂肪燃焼効果を高めるカルニチンが多く含まれているラム肉も、疲れの回復にはおすすめです。

また、睡眠を促してくれるトリプトファンを多く含んだ乳製品や豆類も、積極的に摂るようにしましょう。

このトリプトファンを多く含む食べ物は、プロセスチーズ・ヨーグルト・豆乳・バナナ・アーモンド・赤身の魚などがあります。

もしも、食べ物では十分ではない場合には、サプリメントを活用してもいいでしょう。

疲れはこまめに回復しよう

疲れは日常生活において、誰でも感じているものです。

1日の1/3を占める睡眠を有効に使い、またご紹介した入浴、食事方法や自分の身体に合った方法を上手に合わせて、疲れを回復しましょう。

こまめに自分の身体を労わって、ハツラツした生活を送りましょう。