皆さんは、赤ちゃんが睡眠しているとき、照明はつけていますか?
それとも真っ暗で寝ていますか?
赤ちゃんにぐっすり寝てもらいたいから真っ暗にしたいけれど、照明をつけないと赤ちゃんの顔が見えず心配、という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、赤ちゃんが寝るときの照明はどうすればいいのか、調べてみました。
赤ちゃんの体内時計とは?照明に注意
生まれたての赤ちゃんは胃が小さく、ミルクを一度にたくさん飲むことが出来ないので、昼夜問わず2~3時間ごとに起きてしまいます。
半年も過ぎれば体内時計が整い始め、ある程度まとめて寝てくれるようになりますが、その頃から夜泣きが始まることもあります。
ちなみに、夜泣きをする赤ちゃんもいれば、しない赤ちゃんもいます。
その違いは、実は、体内時計にあります。
多くの赤ちゃんの体内時計は、24時間ではなく、24.5時間の周期で、朝日を浴びることによってこの体内時計のズレをリセットしていると言われています。
体内時計がしっかりしている赤ちゃんなら夜泣きをあまりしない、と言われており、小さいときから体内時計を整えることは、とても重要なのです。
赤ちゃんの体内時計を整えるためには、まず日の光を浴びて起床するようにしましょう。
朝が遅いとそのまま体内時計もズレてしまうので、遅くとも8時までには起きるようにしましょう。
そして、夜のお風呂は、寝る1~2時間前には済ませ、入眠しやすい環境を整えます。
1~2時間前に入浴することで、体温を下げ、眠りやすい体温になります。
そして、仕事で帰りが遅いパパさんもいると思いますが、出来るだけ赤ちゃんを刺激しない環境を作り、照明は暗くしておくと、赤ちゃんも睡眠しやすくなります。
ポイントは、赤ちゃんに朝は太陽の光をしっかり浴びさせ、夜は、部屋を暗くすることです。
こうすることで、赤ちゃんは、朝と夜の区別が出来るようになり、体内時計も整い、夜泣きもあまりしないようになります。
赤ちゃんの睡眠を促すメラトニンとは?
皆さんは、「メラトニン」という言葉、聞いたことがありますか?
メラトニンとは、脳の松果体という部分から分泌される睡眠ホルモンのことです。
このメラトニンは、夜間に多く分泌されており、分泌は光によって調節されていると言われています。
夜中に明るい照明の中にいると体内時計の働きが乱れて、メラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
つまり、夜中に照明をつけていたり、明るい光が目に入るところにいることで、睡眠の覚醒リズムが乱れてしまうのです。
また、メラトニンは、年齢ごとに分泌量が違うのです。
新生児の頃はメラトニンは、ほとんど生成されませんが、時間を重ねるごとに徐々に生成され、6歳のころにピークを迎えます。
そして、メラトニンの分泌量が減るころに思春期が始まります。
こうして、どんどんメラトニンの量が低下していき、高齢になると、かなり減少してしまいます。
年をとると朝早く起きたり、夜中に何度も目が覚めてしまったりするのは、年をとるにつれて体内時計の調整が弱まってくるからなのです。
このことを考えると、子供のころにピークを迎えるメラトニンの生成を妨げないためにも、赤ちゃんのころから睡眠のリズムや体内時計を整えることは、とても重要なのですね。
赤ちゃんは、お昼寝と夜の睡眠の区別をつけている
赤ちゃんは、日中お昼寝するときと、夜の睡眠するときにどういう点で区別をつけていると思いますか?
実は、明るいか暗いかで、しっかり区別をしているのです。
赤ちゃんは、朝からお昼まで遊んだあと、日の当たる部屋でお昼寝させることで、朝からお昼までの出来事を、寝ている間に頭の中で整理します。
お昼寝から起きた後は、それ以降から夜までのことを、夜の寝ている間に頭の中で整理するのです。
このときに重要なことは、昼寝と夜の睡眠の区別をしっかりつけるために、夜に眠るときは、真っ暗にしてあげることです。
夜に眠るときに明るい部屋で赤ちゃんを寝かせてしまうと、赤ちゃんが熟睡出来ないことに加えて、体内時計が乱れてしまい、夜泣きの原因にもなってしまいます。
しかし、赤ちゃんが睡眠中におしっこをしているかどうか確認したかったり、夜中起きて授乳するときに真っ暗では見えない、ということもあると思います。
その際は、豆電球を常につけて眠るのではなく、枕元にコンセントでつけるタイプの照明を置いておくと、赤ちゃんが泣いてもすぐにつけられるので、便利です。
睡眠中に外から強い明かりが入ってこないように注意しよう!
せっかく部屋の中の照明を消して暗くしても、一軒家や窓がある部屋で寝ていると、睡眠中に窓の外から光が入ってくる事もあります。
最近は、昔に比べて安全上の問題から、暗くなったときに玄関先で街灯が自動につく家や道路が増えてきました。
また、家の近くに、夜遅くまで営業しているお店や看板などがある場合も、光が部屋の中まで入ってきてしまいます。
看板や街灯に使われている白色や青のライトの色は、メラトニンの分泌を阻害する波長を多く含んでいます。
この明かりを遮断するためにも、光が入り込んでくる隙間を見つけて隙間テープなどを貼ってみたり、カーテンを遮光カーテンに変えるなど工夫してみましょう。
そして、朝起きたら、まずカーテンを開け、赤ちゃんにしっかりと日の光を浴びさせてあげましょう。
この習慣を繰り返す事で、赤ちゃんは夜はぐっすり寝て、朝は早く起きる習慣が身に付いてきます。
照明以外にもテレビやパソコンの明かりも注意!
赤ちゃんが寝静まってから夜のテレビが楽しみ、というママさんもいると思います。
しかし、例え照明を消してテレビの音を小さくしていても、テレビの明かりは、赤ちゃんの睡眠を妨げてしまうことがあります。
テレビの画面は暗くなったり明るくなったりするので刺激が強く、眠っている赤ちゃんを起こしてしまう原因になってしまうのです。
また、赤ちゃんが熟睡出来ず、夜泣きの原因にもなってしまいます。
そのため、テレビだけではなく、パソコンやスマホの画面も注意が必要となってくるでしょう。
「少しの明かりだから大丈夫」と思っていても、赤ちゃんは眠りが浅いので、眠りの妨げになってしまうこともあります。
睡眠中の明かりは、まぶた越しに入り瞳孔を小さくします。
この間に、虹彩筋が収縮し続け、眼球にかなりの負担がかかってしまいます。
その結果、将来、近視になってしまうことがあるとも言われているのです。
赤ちゃんが眠る1~2時間前には、テレビ、パソコン、スマホを同じ部屋、近くで見ないようにして、赤ちゃんが安心して睡眠出来る環境を整えてあげましょう。
どうしても照明をつけたい場合は?
上記の理由から、赤ちゃんが睡眠するときは、なるべく部屋を真っ暗にして、照明は消した方が良いと分かりました。
しかし、赤ちゃんが病気のときなど、赤ちゃんの顔を確認しないと心配、という場合もあるでしょう。
そのときは、なるべく赤ちゃんを照明の真下に来させないよう注意しましょう。
直接、照明の光が当たらないように気をつけるのです。
電気の明るさは、豆電球くらいでさほど明るくなくても、真上に照明があると多くの光が目に入ってきてしまいます。
赤ちゃんは、仰向けになって眠る事が多いので、まぶた越しに光が入ってくると熟睡出来ません。
薄暗い照明をつけて眠るときでも、照明は、なるべく赤ちゃんから遠い場所でつけるようにしましょう。
また、どうしても、というとき以外赤ちゃんが眠るときは極力、照明は消してあげるようにしましょう。
やはり、少しの照明をつけるだけでも、睡眠中のメラトニンの量が減少してしまい、体内時計が狂ってしまったり、良質な睡眠が出来なくなってしまいます。
子供の頃は、メラトニンの分泌量が多く問題がないように感じますが、悪い習慣が続く事で、将来的に不眠症の原因に繋がってしまうこともあります。
赤ちゃんが睡眠しやすい環境を作ろう!
赤ちゃんは寝ているときでも、わずかな光を感じていたのですね。
赤ちゃんが眠るときは大人も協力して、眠る1~2時間前には照明を暗くし、眠った後は、必ず照明を消してあげるようにしましょう。
赤ちゃんの体内時計を整えることで、夜泣き知らずな手のかからない子になり、ママさんもぐっすり眠れるようになるかもしれませんね。