お部屋の中を照らす蛍光灯には、すべて安定器というものが付いています。
安定器の役割は、蛍光灯を点灯させるためにとても重要なものです。
この蛍光灯の安定器が、壊れたり老朽化したときに交換するにはどうしたらいいでしょうか。
また、交換する時期やサインなどはどうなのでしょうか。
ここでは、安定器の交換が必要になったときに、知っておきたい知識と方法をお届けします。
蛍光灯を長持ちさせる方法や、安定器自体がどういったものであるかも、あわせて知っておきましょう。
そもそも蛍光灯の安定器とはどういったものか
蛍光灯についてはすぐに思い浮かびますが、内部に設置されている安定器についての知識がないという方もいることでしょう。
蛍光灯などの照明機器は放電して電気が流れ、明かりが灯る仕組みになっています。
この放電する量はそのままでは一定しておらず、急激に多量の電流が流れたり少なくなったりとバラつきが出たりします。
少ない量ならまだしも、急激に電流が流れるのは大変危険です。
衝撃で機器が破損したり、炎上する恐れが出てきます。
このような電流のバラつきを一定化することで、急激な放電による負担をなくしバランスよく保って、蛍光灯に明かりを灯す役割を担っているのが、安定器なのです。
ですので、安定器が壊れたり劣化したりしたまま放置していれば、放電をバランスよくコントロールする力が失われ、大変危険な状態になります。
火災や事故に発展させないためにも、このようなときには速やかに業者に頼んで安定器を交換してもらうか、機器全体の交換をおすすめします。
蛍光灯の安定器は交換が必要
安定器のことがわかってきたね。
それでは、実際に蛍光灯が点かなくなったら、あなたはどうしますか?
多くの方が、点かなくなった蛍光灯を交換することで対処します。
蛍光灯の交換ならば電気屋さんで新品の蛍光灯を購入し、簡単に交換することができます。
しかし、蛍光灯を交換しても電気が点かなかったら、蛍光灯の安定器が寿命だったり故障している疑いが大いにあります。
安定器は蛍光灯を収納する本体の中央部に位置していて、普段露出していないのであまり知られていません。
ですので、一般の方はその存在すら知らず、蛍光灯が点かない理由は蛍光灯の劣化とばかり思うのです。
蛍光灯が点かなくなったら、安定器が劣化していることも考慮に入れましょう。
劣化したり故障した安定器は、速やかに交換することをおすすめします。
安定器が故障したまま放置しておくと、火災などの原因になってしまいますので気を付けましょう。
ただし、故障した安定器を交換するのには、簡単に誰でも交換できる蛍光管と違い、注意が必要です。
蛍光灯の安定器を交換するサインとは
電気を点けたり消したりという作業は、年間を通じてカウントすると途方もない回数になります。
企業の電灯とは規模が異なりますが、自宅に設置している蛍光灯を使用する回数も、たった数回だけとはなりません。
日常生活するうえで、蛍光灯を使用する回数はとても多いのです。
当然、使う回数が多ければ多いほど、劣化する速度も速くなります。
まずは蛍光灯のちらつきが出たり、全く点かなくなるといったトラブルが発生します。
蛍光灯の機器自体を設置してから数年のうちは、蛍光管を取り替えれば問題は解決します。
しかし、経年劣化は進んでいくものです。
蛍光灯を取り替えてもちらつきが直らない、または電気が点かないときは、内部にある安定器の寿命が来た場合が多いのです。
蛍光灯がちらついたり、点かなくなったり、照明の明るさがだんだん暗くなってきたら安定器の寿命が近いサインだと思いましょう。
蛍光灯の安定器を交換するタイミングはまちまちですが、電気が点かなくなることと明かりが暗く感じることで判断できるなら、素人であっても交換時期がわかります。
気付いたら早めに交換するようにしましょう。
蛍光灯の安定器の交換をするには
さて、いざ蛍光灯の安定器が寿命になったとわかったところで、交換をするにはどうしたらいいのでしょうか。
安定器は蛍光管とは異なり露出していないので、一般の方はどこにあるかわかりません。
機器の中央部にあるのですが、蛍光管のように、簡単に取り外し新しいものと交換するのとはわけが違ってきます。
ネットや電気屋さんでも安定器は購入可能ですが、古くなった安定器を取り外し新しいものと取り替える作業には、電気に関する専門の知識が必要になってきます。
もし素人が取り付けようとしても、安定器の設置や接続方法は簡単にはわかりいにくいのです。
安定器を取り替える必要が生じた場合には、電気屋さんに相談するか、電気工事の専門知識がある方、資格を持っている方にお願いして交換してもらいましょう。
接続方法を誤って取り付けた場合には、機器がショートしたり壊れたりして、場合によっては発火や火災になる恐れがあります。
また、作業している際に感電する恐れもあります。
簡単に自分でできると思って、安易に交換を行わないようにしましょう。
安定器の種類は様々ある
それでは、交換を依頼しようと考えた方、安定器にも種類があるので、この種類についても知っておきましょう。
安定器の種類は、グロースタータとラピッドスタート式、インバーター式と、3種類存在します。
グロースタータ式は、蛍光灯のスイッチを入れると、付属の点灯管が点滅して明かりが点きます。
よくスイッチを入れてからパッパッと小さなランプが点滅し、数秒たってから蛍光灯が点くというタイプです。
大きな特徴は、放電開始から電灯が点くまでの時間が、他の方式より長くかかるのと、点灯管、いわゆるグローランプが付いているところです。
ラピッドスタート式の安定器は、グロースタータ式と比べて格段に点灯が早いものです。
使う蛍光灯がFLRというラピッドスタート専用のものに限定しており、インバーターがなかったころは、省エネ対策ができる安定器として人気がありました。
グロースタータ式よりも、安定器の重量が重いというのも特徴です。
そして、現在、最も性能がいいと注目されているのがインバータ式の安定器です。
インバータ式は、他の方式で起こる蛍光灯のちらつきがなく、グロースタータ式の点灯の遅さを克服し、明かりが明るく灯るよう設計されています。
中には調光機能が搭載されていて、省エネのために明るさの自動調節をするタイプや、ランプフリーと言われる、グローやラピッドを問わず蛍光灯が使えるものが出回っています。
使い勝手がよくて省エネができる安定器を求めるなら、インバータ式に交換するのがおすすめです。
蛍光灯を長持ちさせる秘訣とは
ここでは、グロースタータ式の場合の長持ちをさせる秘訣をお教えします。
もし、グロースタータ式で、毎日使う蛍光灯をできるだけ長く使いたい方は、電子点灯管を使うようにしましょう。
通常のグローランプでは、蛍光灯を点けて放電し、点灯するまでに何回も瞬きます。
電子点灯管に替えれば、蛍光灯に負担がかかるパチパチと瞬く回数が減り、点灯も早くなりますので快適に使用できます。
電子点灯管に替えた場合、10年以上は長持ちしますので、交換して損はありません。
また、デジタル点灯管を使用すれば、電子点灯管より更に蛍光灯の寿命が延びます。
グロースタータ式をお使いの場合には、検討してみるといいでしょう。
さて、ここからは安定器の種類を問わず、寿命を延ばすことについて考えましょう。
蛍光灯を使用するうえで、気になるのが省エネ対策です。
特に電灯の省エネ対策として挙げられるのが、使わない照明をこまめにオフにすることです。
この時に注意したいのが、過度のオンオフを繰り返す行為です。
省エネだからといって、短時間で蛍光灯のオンオフを繰り返すと、寿命が短くなりますので極力避けましょう。
オンにしてから6分以内ならば、点けたままの方が実は経済的であるという実証もあります。
数分でオンオフを繰り返すのは、安定器にも蛍光灯にも負担がかかりますので気を付けましょう。
安定器を見直し交換して蛍光灯を上手に使いましょう
蛍光灯のかなめである安定器や、蛍光灯について様々な角度でお伝えしてまいりました。
ここでお伝えしたことは、蛍光灯を長く安全に使ううえで、押さえておきたいことばかりです。
過度のオンオフは逆に寿命を縮めることになるので、止めたほうが蛍光灯を長持ちできます。
安定器の交換時期については、明かりが暗くなったりちらつきだしたら、交換のサインです。
自分で交換するのは大変危険なので、電気に関する資格を保持している業者に頼んで、早めに交換しましょう。
場合によっては安定器だけでなく、全体的に交換するのも大きな対策になりますので考慮に入れましょう。