寝苦しい夏の夜、クーラーをつけたまま寝たくても電気代や体調を崩すことを懸念して我慢している方はいませんか?
実は、クーラーはつけたまま睡眠を取った方が経済的にも健康的にも良いのです!
今回は、夏にクーラーをつけたまま睡眠を取った方が良い理由と、その際の注意点などについてお伝えしていきます。
夏の熱帯夜!クーラーはつけっぱなしの方が経済的?!
冒頭でもお伝えしたように、暑い夏の夜はクーラーをつけたまま睡眠を取った方が経済的なのです。
寝ている間の長時間、クーラーをつけっぱなしにしていると、電気代が心配になると思います。
しかし、クーラーは電源を入れ、室内の温度を設定温度に調整することに、一番電力を使います。
ですので、節電のためにとこまめに電源を切っていると、クーラーの電源を入れ直す度に電気代が嵩んでしまいます。
ここで、クーラーの電源を入れた直後から1時間あたりの電気代と、設定温度まで気温が下がり、安定したあとの1時間あたりの電気代を比較してみます。
電源を入れた直後の電気代は、1時間あたり約30円です。
一方で、設定温度に安定したあとの1時間あたりの電気代は約3円です。
比較してみると、約10倍の差があります。
睡眠時間を7時間と仮定して、比較してもクーラーをつけたままの方が電気代は安くなります。
次の章では、クーラーをつけたまま寝る場合の設定温度やポイントについてお伝えします。
夏の夜はクーラーの設定温度で睡眠の質が変わる
暑い夏の夜、寝ている間もクーラーをつけたままにしておく方が経済的だということが分かりましたが、ベストな設定温度は何度なのでしょうか。
環境省が推奨している夏場のクーラーの設定温度は、28度です。
電気代を考えても設定温度は高めの方が経済的です。
しかし、28度では暑いと感じる方が多いと思います。
そこで、設定温度を保ったままお部屋を涼しくする方法としておすすめなのが、扇風機と併用するという方法です。
クーラーの冷気は、どうしても下の方に溜まってしまうので、1ヶ所に溜まった冷気を循環させるために扇風機を使います。
具体的な方法としては、まずクーラーの電源を入れたあと、窓やサッシを少し開け、扇風機を外に向けて回します。
これは、お部屋の熱気を外に逃がすことで、クーラーの電源を入れてから設定温度までに調整する際の電力量を下げるというやり方です。
次に、お部屋の温度が設定温度まで落ち着いたら、扇風機を床に向けて回します。
この方法で、お部屋全体にクーラーの冷気を回すことができます。
設定温度が低いまま寝てしまうと、体調を崩してしまいますが、この方法なら高い設定温度でもお部屋全体が涼しくなり、良い睡眠を取ることができます。
夏は我慢せずクーラーを!ご高齢の方は睡眠時も忘れずに
この章では、暑い夏の日にクーラーをつけなかったときに起こる深刻な問題についてお伝えします。
夏場は、外で作業している方や、運動中の方が熱中症で搬送されるケースが多くなりますが、近年では、お家にいるご高齢の方が、熱中症で搬送されるケースが増えています。
外の場合は、周囲の方が気づきやすいので、処置が遅れるということは少ないです。
しかし、1人暮らしのご高齢の場合、お家の中で熱中症になって、倒れていても察知することが難しいです。
そのため、処置が遅れて重篤な状態になることも少なくありません。
また、ご高齢の方は、若い方に比べて暑さを感じにくく、体温調節の機能も衰えているため熱中症になりやすいと言われています。
更に、身体の水分量も少ないため脱水状態になりやすいことに加え、お手洗いの心配から水分をあまり取らない方も多いです。
周囲も本人も気づきにくいことで、重症化しやすくなってしまいます。
ですので、熱中症になる前に、周囲から事前の声掛けが大切です。
暑さを感じずクーラーをつけていない方には、室内温度計を見てもらい、暑いということをわかってもらうことが重要なのです。
また、睡眠時は特に暑さを感じにくいので、クーラーをつけたまま寝るよう促してあげましょう。
先ほど、お伝えしたように、クーラーはつけたままの方が電気代がかからないという情報を織り交ぜながら説得すると、納得してもらいやすいでしょう。
暑い夏の夜睡眠の質を上げるのは入眠時の汗!
日本では近年夏になると、夜も気温が下がらない熱帯夜の日が増えています。
寝苦しく感じる方も多いと思いますが、なぜ熱帯夜の日が増えているのでしょうか。
日本で熱帯夜の日が増えた理由には、都市化と夏の日照時間が関係しています。
詳しくお伝えすると、都市化により、熱容量が大きいコンクリートの建物が増えます。
夏は、日照時間が長いため、その建物に太陽光が長時間蓄積されます。
その蓄積された熱は、気温が下がる夜に放出されます。
この熱により、熱帯夜になるとされています。
熱帯夜で寝苦しい夜が続くと、睡眠の質も下がってしまいます。
人は、寝ている間に大量の汗をかきますが、良質な睡眠を左右するのは、入眠時にかく汗だと言われています。
入眠時に汗をかき、脳の温度を下げることで、快適な眠りに入ることができます。
そのため、お風呂から上がった直後にクーラーの効いたお部屋に入ってしまうと、汗が出なくなってしまうので注意しましょう。
自然な発汗を促すためには、お風呂から上がったあと、1~2時間は、クーラーの効いたお部屋には入らず、扇風機やうちわなどでゆっくりと身体を冷やすことをおすすめします。
夏はクーラーの湿度設定にもこだわって良い睡眠を
夏の暑い夜、寝苦しさを解消するためには、クーラーの設定温度だけでなく、湿度設定にも注目してみましょう。
お部屋が涼しくても湿度が高いと、汗をかいても蒸発せず、熱がこもりがちになってしまい、寝苦しさは解消されません。
現に、湿度の高い梅雨の時期は、良い睡眠を取ることができず悩む方が増えます。
では、具体的に湿度は何%を保つと、良い睡眠を得ることができるでしょうか。
季節に関係なく、ベストな湿度は50%前後だとされています。
熱帯夜かつ湿度が高い場合は、除湿機能を使い湿度を50~60%まで下げると良いです。
身体が冷えすぎると、風邪を引いてしまったり眠りが浅くなってしまいますが、湿度を50~60%に保つことで、体感温度だけが下がり、汗も蒸発するので効果的です。
また、夏場は、寝具を通気性の良い物に変えるか、こまめにお洗濯をしたり乾燥させることで、寝具自体の湿気も解消することができます。
夏のクーラーで体調が…直当たりを避け良い睡眠を
これまで夏の熱帯夜に、快適な睡眠を取るためのクーラーの設定温度や湿度設定について触れてきました。
女性に多いのですが、クーラーをつけたまま寝ると、朝、体調が優れないという方がいます。
温度を高めに設定していても寝ているときにかいた汗が蒸発することで、身体が冷えすぎたことが原因だと考えられます。
このような事態を防ぐためには、クーラーや扇風機の風を身体に直接当たらないようにし、送風の段階を最小にすると良いです。
また、冷えすぎを防ぐため、就寝の2~3時間後に切タイマーを設定する方がいますが、これはあまりおすすめできません。
短時間に切タイマーを設定しておくと、クーラーが切れたあと、お部屋の温度がみるみる上昇し、暑くて目が覚めてしまうからです。
このことからもクーラーは、寝ている間、ずっとつけたままの方が良いことがわかります。
夏は、クーラーをつけっぱなしで快適な睡眠を
これまで夏の熱帯夜には、クーラーをつけたまま寝た方が経済的にも健康的にも良いということをお伝えしてきました。
ご高齢の方は、熱中症になりやすい上、本人も周囲も気づきにくいので、注意が必要です。
クーラーは、28度に設定し湿度は50~60%に設定すると、快適な睡眠を得ることができます。
この記事が真夏の寝苦しさを解消できれば幸いです。