近年、スマートフォンの利用や日常的なストレスなどが原因で、しっかりと睡眠を取れていない人が増えています。
ですが、やはり、しっかりとした睡眠を取りたいですよね。
そこで、注目したいのが「トリプトファン」です。
トリプトファンは、睡眠に効果があるとされる代表的な成分です。
今回は、良い睡眠が取れない原因や、トリプトファンが含まれる食品、その摂取方法についてご紹介します。
長時間のスマホはNG!トリプトファンで良質な睡眠を
日本では、スマートフォンの普及率が、老若男女合わせて70%にも上っています。
電車に乗れば、ほとんどの人がスマートフォンを見つめていて、若者の中には、スマートフォンがないと生きていけないという人も少なくありません。
情報化社会に必要不可欠なツールとなり、手持無沙汰なときに見ることができるスマートフォンは、人見知りな人が多い日本人の国民性に、マッチしているのかもしれません。
また、寝る直前までスマートフォンを触っているという人も、とても多いです。
しかし、これは由々しき事態で、睡眠障害を引き起こしてしまう危険性があります。
それはなぜかというと、スマートフォンやタブレットなど、強い光を発するものを長時間見ていると、自律神経を整えたり、睡眠を司る脳内の伝達物資である「セロトニン」を減少させてしまうからなんです。
また、慢性的な眼精疲労で、肩こりや首こりといった症状も出てきてしまいます。
そうならないためには、寝る前のスマートフォンの利用を控えることと、セロトニンを増やすことが大切です。
そして、セロトニンを増やすには、トリプトファンを摂取すると効果的です。
次の章では、トリプトファンについて解説します。
トリプトファンが救世主!睡眠に効果的な理由
1章でお伝えしたように、睡眠には「トリプトファン」が効果的です。
では、トリプトファンとは、一体何なのでしょうか。
この章では、トリプトファンについて、詳しく解説していきます。
トリプトファンとは、必須アミノ酸の1つで、人間の健康維持に欠かせない物質の1つです。
睡眠に効果的な理由は、トリプトファンを摂取することで、睡眠に不可欠な脳内物質であるセロトニンの分泌を促す作用が働くからです。
セロトニンを増やす方法には、外からと内からの2つの方法があります。
セロトニンを外からの刺激で増やすには、小川のせせらぎ音やモーツァルトの曲を聴くなどの方法がありますが、中からの刺激で増やすには、トリプトファンを摂取する方法が最も効果的とされています。
セロトニンが減少すると、自律神経の乱れや睡眠障害を引き起こします。
深刻になると、うつ病や不安障害などの精神疾患を引き起こす恐れもあります。
セロトニンは、ストレスや1章でお伝えしたように、スマートフォンなどの電子機器の使用で減少してしまうので、意識的に摂取することが大切です。
次の章では、トリプトファンが多く含まれる食品について、お伝えしていきます。
チーズには、睡眠に効果的なトリプトファンが豊富!
これまで、睡眠にはトリプトファンが効果的だということをお伝えしてきましたが、トリプトファンはどのような食品に多く含まれているのでしょうか。
トリプトファンの含有量が多い、代表的な食品に「チーズ」があります。
ナチュラルチーズやプロセスチーズなどに多く含まれています。
ナチュラルチーズのトリプトファンの含有量は、320g、プロセスチーズの含有量は、290gです(100g中)。
そして、トリプトファンの1日摂取量は、体重によって異なります。
目安としては、成人で1kgあたり2mg程度、摂取する必要があります。
50kgの人で100mg程度の摂取が必要となるので、チーズを食べると効率的に、トリプトファンを摂取することができます。
トリプトファンは、他の乳製品にも含まれていますが、牛乳の含有量は意外と少ないです。
また、乳製品のアレルギーがあるという方は、豆乳がおすすめです。
豆乳は、牛乳よりもトリプトファンの含有量が多く、ヘルシーなので、ダイエット中の女性も罪悪感なく摂取できるでしょう。
では、次の章では、乳製品以外のトリプトファンが含まれる食材をご紹介します。
大豆にもトリプトファンが豊富!意識的に摂取しよう
トリプトファンは、チーズや乳製品以外にも、「大豆」に多く含まれています。
日本人は、昔から、お味噌汁や納豆などの大豆製品を積極的に摂ってきました。
しかし、食の多様化やパン食が増えたことで、お味噌汁を飲む人が減ってきています。
昔ながらの和食は、トリプトファンをたくさん摂取できるので、献立を少し見直してみると良いかもしれません。
「納豆」は、手軽に食べられて値段も安いので、朝忙しく、朝食を作るのが難しい方にもおすすめです。
また、同じ大豆製品である「きなこ」も、ヨーグルトやドリンクに入れるなどすれば、手軽で効果的にトリプトファンを摂取できるのでおすすめです。
また、朝に大豆を食べると、日中の眠気を防いでくれます。
日中の眠気は、血糖値の上昇が原因だとされていますが、大豆には血糖値の上昇を抑える効果があるからです。
朝に大豆を取ることで、日中うたた寝することなく、夜には、良質な睡眠を得ることができます。
トリプトファンを含む赤み肉を食べると、睡眠以外にも効果がある?
4章では、大豆製品にトリプトファンが多く含まれていて、睡眠に効果的だとお伝えしましたが、トリプトファンは、「肉類」にも多く含まれています。
特に、鶏肉や牛肉の赤身に多く含まれています。
どちらもヘルシーなので、女性も気兼ねすることなく食べることができるでしょう。
また、赤身肉は、代謝もアップするので、ダイエットにも効果的です。
さらに、100歳以上の方が食べている食品のランキングを見てみると、1位に「豚肉」が入っていました。
赤身のように弾力のある肉は、咀嚼する回数が多くなります。
そして、咀嚼の回数が多くなると、脳内の血流がよくなり、脳が活性化します。
肉類を食べることによって、トリプトファンを摂取することと咀嚼することの相乗効果で、より健康に近づくことができるのです。
トリプトファンは、肉類以外にも、数の子やすじこなどに多く含まれていますが、魚卵にはプリン体も多く含まれているため、多く摂取することはおすすめできません。
魚卵を多く摂取すると、生活習慣病や通風などの原因になってしまうからです。
肉類は、適切な量であれば毎日食べても大丈夫なので、おすすめです。
睡眠に効果のあるトリプトファンを上手に摂取する方法
これまで、睡眠にトリプトファンが効果的だということをお伝えしてきましたが、この章では、トリプトファンを上手に摂取できるレシピをご紹介します。
先ほどお伝えしたように、トリプトファンが多く含まれる大豆製品は、朝に摂取すると、より効果的です。
朝ごはんにおすすめのレシピは、「納豆冷や奴」です。
お豆腐に、納豆と備え付けのたれをかけ、さらにお好みで、ごま油やのりをかければ完成です。
手早く簡単にできるので、忙しい朝におすすめです。
また、トリプトファンは、鮭にも多く含まれているので、朝ごはんを作る時間のある方は、鮭と納豆ごはん、そしてお味噌汁の献立をおすすめします。
胃腸が弱く、朝ご飯が食べられないという方は、バナナヨーグルトがおすすめです。
トリプトファンは、バナナにも含まれており、同じくトリプトファンが多く含まれるヨーグルトと一緒に摂取できるのでおすすめです。
お好みで、きなこをかけると、トリプトファンをより多く摂取できます。
しかし、トリプトファンは、大量に摂取すると、肝機能障害という思わぬ副作用が出る危険性があります。
トリプトファンの1日の摂取量は、6000mg以下にすることが推奨されているので、適切な量を摂取し、バランスの良い食事を心掛けましょう。
トリプトファンは、睡眠以外にもさまざまな効果があった!
これまで、トリプトファンの効果について、お伝えしてきましたが、参考になりましたか。
トリプトファンが含まれる食品を摂取することは、脳機能の向上や健康維持など、睡眠以外にも効果があるので、ぜひ食事に取り入れてみて下さい。
ですが、何事もバランスが大切なので、トリプトファンの摂取に集中せず、栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。