みなさんは、リビングの電球が切れた時、どうしていますか?
なんの迷いもなく、今まで取り付けていた電球と同じものを付け替える、という方が多いかもしれません。
今まではそうだった方も、次はきちんと選んでみませんか?
選ぶには、部屋の広さに合ったワット数になっているかどうかの確認や、省エネ・省コストといった観点などからも、一度はしっかりと見直しておくことが必要があるでしょう。
そこで、どのようなリビングにしたいか、これを機に居心地の良い空間を作ってみましょう。
電球にはどんな種類がある?それぞれの特徴は?
電球には大きく分けて、3つの種類があります。
この種類の特徴をご紹介しましょう。
◯『LED』
省エネ・低コストを実現し、かつ、長寿命です。
また、CO2排出量も少なく水銀も使用されていないので、環境に優しいといった一面もあります。
スイッチを入れるとすぐに点灯し、ON/OFFの切替時も寿命が縮まないので、トイレや玄関などに適しています。
◯『白熱電球』
この電球の最大の特徴は、温かみのある柔らかい光を出すことです。
また、調光も可能なので、シーンに合わせた演色効果が期待できます。
こういった微妙な光の微調整ができることから、照射対象を美しく見せるスポットライトとして適しています。
電球を選ぶ際に目安にする、よく耳にする『ワット数』という表記は、この白熱電球の明るさを基準にしています。
◯『蛍光灯』
この電球は、一般家庭だけでなく、オフィスなどにも広く使用されている馴染みのある電球です。
メリットは、低コストであることと、重さが軽いので不安定な場所にも取り付けやすい、といった手軽なところにあります。
また、リビングなど広い面を明るく照らすのに向いているため、フロアランプとして適しています。
以上、3つの電球について特徴をご紹介しました。
それぞれの電球をリビングに取り付けた時の効果は?
では、上記のそれぞれの電球の特徴を抑えたところで、実際にリビングに取り付けた場合、それぞれどう作用していくのか一緒に考えていきましょう。
◯『LED』
LEDは寿命が長いので、一度取り付けてしまえば、次の交換作業までのスパンが長くなります。
高い場所の場合は、作業が少なくて済むので、大きなメリットとなり得るでしょう。
また、リモコン一つで、照度の調節が細かい段階で可能といったことや、CO2や熱をほとんど出さないことから、リビングに多い植物や装飾品を傷める心配もありません。
そして、何より、取付後のランニングコストが安く済むということも、LEDならではの効果の一つです。
◯『白熱電球』
白熱電球をリビングに取り付けた時の効果は、何と言っても、その温かさと美しさでしょう。
特徴的な温かく柔らかい雰囲気は、とても落ち着きますね。
そして、ガラス越しに見える赤く灯るフィラメントは、ずっと眺めていたいくらい心を惹きつけます。
そういった味のある雰囲気を、リビングで味わうことができるのが、白熱電球のメリットですね。
◯『蛍光灯』
蛍光灯は影が出にくく、広い空間であるリビングを照らすのに向いています。
また、効率も良くイニシャルコストもかからないので、1日でも光が無くなると困るリビングの場合、手軽に交換できる点もメリットです。
そして、電球の種類が多いことも忘れてはいけません。
今までとは色の違う電球を選ぶだけで、リビングのムードをガラリと変えることができます。
さて、それぞれリビングでの効果についてお分かりいただけたでしょうか。
では、次からはもう少し細かく電球を選んでいくときのポイント、『ワット数』と『色温度』についてご紹介します。
明るさも比較してみよう!よく聞く『ワット数』の本当のところ
『ワット』とは『明るさ』と認識している方は多いと思いますが、実は『ワット』とは『消費電力』を示す単位なのです。
ただ、消費電力が高くなれば、明るさが増すのも事実です。
「結局どうなの?」と、この『ワット数』をはっきりさせたいですよね。
電球選びには、明るさの比較はとても重要です。
『ワット数=明るさ』が成り立つのは、白熱電球を使用した場合です。
蛍光灯やLEDに関しては、白熱電球より低い消費電力でも、同等の明るさを実現することができるため、厳密には、ワット数で明るさを比べることはできないのです。
そのため、高い省エネ効果を持つLEDでは、実際の明るさの指標である『ルーメン』で明るさが表記されています。
明るさを表す『ワット』と『ルーメン』。
これでは、電球を選ぶ際に明るさの比較が難しくなってしまいますよね。
そこで、注目してほしいのが『○○W(ワット)形』といった表記です。
これは、『白熱電球でいう○○ワット相当の明るさですよ』といった意味なのです。
このように、ワット数とは、異種類の電球の明るさを表す際に基準となる指標であり、比較の目安に役立つもので、リビングの電球を選ぶ際に欠かせないポイントになります。
リビングの広さとワット数の関係
ワット数が何かわかったところで、そのワット数を参考にしながら、ご自宅のリビングに適した電球を選んでいきましょう。
ここでは、白熱電球を基準に見ていきます。
白熱電球の1畳あたりの必要ワット数は、30~40Wと言われています。
さらに、蛍光灯の場合は、1畳につき10~20Wが適当と言われています。
そして、LEDの場合です。
LEDは、高い省エネ効果を持つので、明るさの度合いを『ルーメン』という指標で表記しています。
1畳にあたりに必要な明るさは、約400ルーメンと言われています。
つまり、6畳のリビングでは400(ルーメン)×6(畳)で、2400ルーメン以上の明るさが必要ということになります。
ところが、この数値はダウンライトに取り付けた場合の一般的な数値であって、上記と同じ6畳の場合でも、取り付ける照明器具がシーリングライトになると、2400ルーメンの明るさでは十分と言えなくなるのです。
一般的に、シーリングライトの場合、6畳では2700ルーメン以上の明るさが必要と言われているのです。
ここで、疑問がひとつ浮かびます。
『1ワットは何ルーメンなの?』
これは、照明器具や環境、電球に発光効率により大きな違いが出るため、単純には換算できないのです。
ただ、参考程度に、1ワットは約30~200ルーメンと言われています。
また、今後、LEDの進化と共に、さらに発光効率が上がるとも言われています。
このように、明るさを比較する際に、『ワット数』と『ルーメン』は大いに役立ちますが、電球の特性や照明器具の違いなどで、変動があることを念頭に置いておくと良いでしょう。
ワット数と併せて確認しよう!電球の色温度
蛍光灯やLED電球を選ぶ際の判断材料として、先ほど、『ワット数』や『ルーメン』といった単位をご紹介しましたが、もう一つ『色温度』という単位をご紹介していきます。
色温度とは、電球の光の色を『ケルビン(K)』といった表記で表した単位です。
このケルビンが高くなるほど、青みがかった色になり、低くなるとオレンジがかった色になります。
普段、生活している中での朝日や夕日といった自然光は2000K、日中の太陽光は5000Kと言われています。
これが、人工照明となると、どうでしょう。
ろうそくが約2000K、白熱電球は約2800K、蛍光ランプ(昼白色)は5000K、蛍光ランプ(昼光色)は6500Kと言われています。
さて、色温度(ケルビン)について理解したところで、次はご自身のリビングでの過ごし方を想像してみましょう。
落ち着いてのんびり過ごしていますか?
もしくは、趣味などに没頭し、細かい作業をされていますか?
また、一緒に過ごす人など家族構成はどうでしょうか?
「夫婦二人のゆったりとした時間の流れなのか」、「小さな子供が好奇心旺盛に走り回る活動的な時間の流れなのか」、ご自身の過ごし方を考えてみましょう。
誰とどう過ごすのか、といった環境によって適したケルビンの数値を絞っていくと良いでしょう。
ご自身のライフスタイルに合わせて、『ワット数』+『色温度』を基準に選んでいくと、居心地の良いリビング空間が手に入りますね。
最後に最も重要な電球選びのポイント!リビングでの過ごし方
ここまでは、電球の特性や機能性について学んできましたが、最後に考えていきたいことは、先にも触れました『理想のリビング像とは何か』ということです。
何気なく点けている照明も、きちんと丁寧に選んでいく事で、温かさや、くつろぎなどさまざまなリビングの雰囲気を演出することができるのです。
リビングは、主に家族団らんの場所として使いたい方には、少し落ち着いたやさしい明るさが向いています。
また、テレビや読書を楽しみたい方には、はっきりとしたクールな明るさの方が目にも負担がかかりません。
あるいは、時間帯によって多目的に使い分けたい、という方には、リモコン一つで調光が可能なものが向きますし、雰囲気よりも省エネ・省コストを重視される方には、白熱電球は向きませんね。
このように、電球のワット数だけでなく、理想のリビング像と照らし合わせながら、最適な電球を選んでいきましょう。
ずっと居たくなるようなリビングに!
電球は、突然切れてしまったり、引越しなどのタイミングでない限り、意識することもない、と言う方がほとんどだと思います。
いつも当たり前にあるものとして『これでいいの?』と疑う事もありません。
ですが、当たり前にあるものこそ、見直してみるべきではないでしょうか。
リビングで過ごす時間は、家で過ごす時間の大半を占めます。
その空間で、あなたがどう過ごしたいのかを考えることは、あなたの人生の貴重な時間をどう過ごすかを考えることでもあります。
小さな電球一つですが、今までとは違うその後の理想のリビングを想像したらワクワクしませんか?
一番身近なリビングを、あなた自身のために、より良い空間にしていきましょう。