普段電気スイッチなんて気にすることなどありませんよね。
ただ、この電気スイッチの接触が悪くなると「電気がつかない…」なんてことになりかねません。
また、電気のスイッチの位置が暗中だとわかりずらいなんて悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、電気スイッチの交換作業にあたって、注意する点やその方法についてご紹介していきます。
ほたるスイッチとは?
ほたるスイッチとは、電気を消している時も暗い中、スイッチの位置がわかるように、パイロットランプを点灯させる仕組みをいいます。
この「ほたるスイッチ」は、パナソニックが商標登録している名称であり、同様の仕組みを採用する東芝ライテックの商品は、「オンピカ・オフピカ」の名称となります。
電気スイッチは、一般的にパイロットランプのついていないものが通常です。
消灯時においてパイロットランプでスイッチの位置がわかる、ほたるスイッチに交換することにより、夜の帰宅時の暗中でもスイッチをストレスなく操作することができるようになります。
また、高齢者の方がいる家庭では、その視認性の高さから利用している方も多いようです。
このように、暗中での電気スイッチの操作について困っている方や、高齢者の方がいる家庭、また、現在の電気スイッチの接触が悪くて困っている方には、是非このようなスイッチに交換することをおすすめします。
電気スイッチを交換する料金
では、古い電気スイッチをほたるスイッチに交換する費用はどの程度になるのでしょうか。
①ほたるスイッチ本体
ほたるスイッチ本体の料金は、一個あたりシングルが790円、ダブルが1410円、トリプルで2030円(税抜き)となります。
②交換工事料金
電気スイッチの交換工事を業者さんに頼むと、一個あたり4000〜5000円くらいが平均的な料金となります。
また、電気スイッチの交換について、業者さんに頼むとなると、スイッチの料金+交換工事料金に加えて「出張費」がかかる場合もあります。
この出張費については業者さんによって異なりますが、3000円〜と設定しているものが多いようです。
このように、電気スイッチの交換について業者さんに頼むとなると、スイッチ一個あたり5000〜6000円(出張費別)かかることになります。
意外に高額ですよね。自分でできれば工事料金はかからないので経済的です。
そこで、以下では、電気スイッチの交換について、自分で行う方法についてご紹介していきます。
電気スイッチの交換に免許は必要!?
電気スイッチについて自分で交換するといっても、その工事に不備があったりして問題が起きないか不安な方もいますよね。
実は電気スイッチの取り扱いには注意が必要で、工事の不備や手入れの不備が原因で火災等が起きる危険があります。
電気スイッチの工事の不備による火災はあまりないようですが、プラグ周りのホコリが原因で電気火災に発展したニュースは、みなさんもご存知ではないでしょうか。
そこで、このような危険の含む電気工事については、電気工事士法により「電気工事士免状」が必要とされています。
この電気工事士免状には第一種と第二種があり、電気スイッチの交換については、第二種(第一種でも可)の電気工事士免状が必要となります。
電気工事士免状は、都道府県知事が交付するもので、その交付の条件として、(第一種ないし第二種)電気工事士試験に合格する必要があります。
少し面倒だという方も多いと思いますが、この試験に合格すれば、電気スイッチの交換だけでなく、コンセントの修理等も可能になるので、業者にいちいち頼まなくてよくなるため経済的ですし、「自分でやってみたい」という方にはおすすめです。
第二種電気工事士試験について
では、電気工事士試験とはどのようなものなのでしょうか。
電気スイッチの交換に最低でも必要な、第二種の試験についてみていきましょう。
①筆記試験
筆記試験は以下の分野について、四肢択一方式により行われます。
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
(4)電気工事の施工方法
(5)一般用電気工作物の検査方法
(6)配線図
(7)一般用電気工作物の保安に関する法令
②技能試験
技能試験は、筆記試験の合格者(ないし免除者)を対象に、次に掲げる事項の全部又は一部について行います。
試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法で行われます。
(1)電線の接続
(2)配線工事
(3)電気機器及び配線器具の設置
(4)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
(5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
(6)接地工事
(7)電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
(8)一般用電気工作物の検査
(9)一般用電気工作物の故障箇所の修理
この、筆記試験と技能試験が通れば合格です。
平成28年度の試験実施状況についてみると、筆記試験の受験者は114,528人で、合格者67,150人と6割に届かないくらいです。
技能試験の受験者は84,805人で、合格者は62,216人と合格率は7割を超えるので、対策さえしていれば決して難しいものではありません。
電気スイッチの交換方法①〜準備編
晴れて電気工事士試験に合格したら、申請して電気工事士免状を取得し、これで電気スイッチの交換工事が自分でできるようになります。
以下では、電気スイッチの交換作業に入る前に準備することをご紹介します。
①部品の購入
ほたるスイッチは、プレート、取付枠、ハンドル、スイッチの部品からなります。
これらの組み合わせで、上述したシングルやダブルにすることができます。
まずは、この部品を購入しましょう。
②使用する工具の準備
電気スイッチの交換作業に必要な工具は、プラスドライバー、マイナスドライバー、以上です。
買い揃えるまでもなく、これならどこの家庭でも用意できますよね。
③ブレーカーを落とす
電気スイッチの交換作業に入る前に必ずブレーカーを落としましょう。
ブレーカーを落とせば感電の心配もなく、安全に作業することができます。
電気スイッチの交換方法②〜作業編
ここまでできれば準備万端です。
いよいよ、新しい電気スイッチに交換する作業に入ります。
①古いスイッチのカバーを外す
ビスで止まっているタイプのものもありますが、一般的な電気スイッチのカバーは手だけで簡単に外すことができます。
固くて外せないようでしたら、マイナスドライバーを隙間に入れ外しましょう。
②スイッチの枠を外す
スイッチのカバーを外すと、スイッチ本体をはめ込むための枠が壁に埋め込まれています。
この枠は、ビスで止められているので、ドライバーで外しましょう。
このビスが取れれば簡単に外すことができます。
③スイッチを外し、新しいのに取り替える
スイッチに入っている配線は、マイナスドライバーを差し込みロックを解除して外します。
この配線を取ったら、スイッチを外し、新しいスイッチを取り付けます。
あとは、新しいスイッチの後ろに外した配線を再度取り付けます。
④枠を取り付けてカバーを付ける
あとは、外した工程の逆で、枠をビスで固定し、カバーをつけて完了です。
新しい電気スイッチの交換が完了したら、ブレーカーを入れて点灯チェックしましょう。
電気が付けば配線に問題は無いのでこれで全ての工程が完了です。
作業は簡単だけれど…
以上のように電気スイッチの交換は簡単な作業です。
しかし、だからといって電気工事士免状がないまま作業してはいけません。
やはり、電気火災の危険があるので専門的な知識が必要ですし、違反したものは三月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処するとされています。
ルールを守って適切に電気スイッチの交換作業を行いましょう。