住宅で使用されている照明の蛍光灯や白熱電球が切れると、交換するのが面倒で嫌ですよね。
電球は可能な限り長持ちさせたいですが、それらの寿命を決める要因ってなんだか知っていますか?
今回は、蛍光灯の寿命を決める要因と、白熱電球のメリットと長持ちさせるポイントについて、住宅で使用する照明でおすすめな色についてお話します。
蛍光灯の寿命を決める要因とは?①
蛍光灯にも寿命は存在しますが、通常の電球よりも造りが複雑なため、どれくらい長持ちするのかはあらゆる原因によって変わってきます。
蛍光灯が使用限界を迎える理由は大きく分けると2つになります。
ひとつは「エミッターの劣化」で、もうひとつは「蛍光物質の劣化」です。
エミッターに関しては、点灯と消灯を繰り返していくと少しずつ消耗していき、それと共に寿命も減っていきます。
一方、蛍光物質の方は、蛍光灯から放たれる可視光線を生み出している物質が減ることで寿命が縮みます。
寿命を変化させる原因は「点灯と消灯の回数」「温度」「電圧」「周波数と安定器」の4つが挙げられます。
エミッターは明かりを点けている時ではなく、点けた瞬間に減る仕組みとなっています。
つまり点けた回数が多ければ多いほど寿命が失われていくのです。
1回ごとに1時間ほど短くなると言われているので、頻繁に点滅させるのはやめておきましょう。
なるべく長く使いたいなら、視界が暗くなるぎりぎりのタイミングまで点けないようにするという手もありますが、そこまでするほど高価というものでもないので普通に使っていれば良いかと思われます。
蛍光灯の寿命を決める要因とは?②
蛍光灯や電球の寿命は、条件次第では本来設定されている寿命よりも早く限界が来ることがあります。
その条件のひとつが「温度」です。
温度が高いと蛍光灯の電流が増えてしまい、フィラメントに塗られているエミッターという物質がどんどん減っていきます。
だからと言って低くてもいけません。
低いと今度はフィラメントが温まらないので、エミッターがあちこちに飛び散ってしまいます。
20度くらいが適温であり、長持ちすると言われています。
また、電源の電圧も深く関係しています。
照明のほとんどは決められた電圧を守ることで、正常に機能を働かせることが出来ます。
しかし、高すぎると温度の時と同じく、エミッターの消耗が早まるのです。
ただし、日本では一定の電圧を保った状態で電源が送られてくるため、これに関しては心配しなくても良いでしょう。
この他には「電源周波数」というものがあります。
日本は何処も50Hzか60Hzのどちらかの地域に分けられており、蛍光灯の種類によっては異なる周波数の照明を使うと2割ほど寿命を縮めてしまったり、安定器が壊れやすくなる可能性があります。
ですが、Hf型ならどちらの周波数でも対応しています。
適切なものが手元になければ、このタイプを使いましょう。
電球型蛍光灯と比較して白熱電球のメリットとは?
白熱電球ではなく蛍光灯を使う人も多いですが、白熱電球にもメリットは存在します。
寿命に関しては使い方によって長持ちしますし、何より演色性が高いことは白熱電球の特徴と言えるでしょう。
演色性とは「照明の光で何かを照らした場合、その対象は本来の色を出せるのか」ということを意味しています。
白熱電球の演色性は「100」と文句のつけようがありません。
一方、蛍光灯は「84」と決して悪い数値ではないものの、白熱電球よりは劣ります。
また、白熱電球はスイッチを入れればすぐに最大の光量で点灯しますが、蛍光灯の場合は点くまで多少のタイムラグがあり、しばらく待たなければ明るさが最高になりません。
最近のものはある程度改善されていますが、それでも全ての蛍光灯があっという間に点くわけではないです。
白熱電球が活躍するのは冬場や寒い地域と言えるでしょう。
蛍光灯は外の気温が低いと光がちらついたり、明るさを最大限まで引き出すことが出来ません。
ですが、白熱電球は常に一定の明るさが出せるので、寒い日や場所では白熱電球を使った方が良いかもしれません。
白熱電球の寿命を長持ちさせるポイント
蛍光灯の寿命はその時の状態や状況によって変化しますが、白熱電球はおよそ1000時間と言われています。
使用するにつれて、そのたびに発生した熱と光によってフィラメントが劣化してくるため、大体3、4ヶ月もすれば切れてしまうでしょう。
なるべく長持ちさせるコツは、調光機能を備えている照明器具を使うことです。
これがあるとつまみやスイッチ、リモコンなどで光量をコントロールすることが出来ます。
光を抑えれば電圧が下がるので、フィラメントに掛かる負担も軽減されるのです。
その分薄暗くなってしまいますが、寿命を延ばすならこの方法が良いでしょう。
また、電圧が110V用の電球を使うのも手です。
一般家庭に送られる電圧は100Vですが、それに対して110V用の電球を使うと負担を減らすことが出来ます。
ただし、多少部屋は暗くなるので、くつろぐスペースであるリビングや寝室よりは、洗面所やトイレ、屋外など調光器を取り付けにくい場所に使うとそこまで気にならないでしょう。
リビング・ダイニングに使用する照明は電球色がおすすめ
リビングやダイニングに取り付ける蛍光灯や電球は、寿命の長さで決めるのも大事ですが、色も重要なポイントとなります。
ダイニングは食事をするところなので、料理を美味しく見せる色でなければいけません。
そこで柔らかい色合いの電球色を使えば、料理の美味しさを引き立たせるだけではなく、身体と心を落ち着かせる効果があるので、楽しい雰囲気に包まれたまま、美味しい食事を味わうことが出来るでしょう。
リビングは家族全員がくつろぐために使う部屋なので、やはり電球色がおすすめです。
薄暗いのでテレビは観にくくなるかもしれませんが、リラックスするには最適です。
ゆったりとくつろぎたいのなら白熱灯が良いでしょう。
ブラケットやフロアスタンドを組み合わせれば、安らぎの空間として最高のムードが完成します。
家は疲れた身体と心を休めるための場なので、リラックスを優先するなら電球色がふさわしいと言えるでしょう。
あとは、部屋の使用者や目的によって変えましょう。
例えば、子供部屋なら昼白色の方が勉強に取り組みやすいと感じられますし、お年寄りは電球色をとても暗いと認識します。
白色にすれば明るい部屋を作れるということです。
寝室の照明にも電球色を!
寝室は寝るまでの時間をリラックスした状態で過ごすための部屋なので、照明もそれに合わせる必要があります。
使う電球や蛍光灯は、色や寿命などを考慮して選び、間接照明なども取り入れて、自分が思いきりくつろげる部屋を作って下さい。
基本的に夕食後から就寝までと、一日の終わりを過ごす時に使う部屋が寝室です。
そのため、安眠が出来るように、寝付きが良くなるような場所にしなければなりません。
照明の色は暖色系のものを使いましょう。
つまり明るい色合いで、色温度が低いものになります。
例えば、蛍光灯なら「電球色(L)」がベストです。
明るさに関しては、一気に消えるのではなく徐々に暗くなっていくようにすれば、寝る時間が近いということを身体も認識してくれるので、すんなりと眠りにつくことが出来ます。
いくつかの照明を使って室内を照らし、就寝時間が近付いてきたら少しずつ消していくようにすると良いでしょう。
工夫を凝らして、身も心も落ち着かせることが出来る部屋を生み出して下さい。
照明の電球の使い方に気をつけてみよう
電球の種類によって取り付け場所の向き、不向きがあります。
今まで、蛍光灯を長持ちさせようと、こまめにオンオフを繰り返している方もいると思いますが、かえって寿命を縮めているんです。
少し使い方を変えてみることで電球を長持ちさせることができるので、是非実践してみて下さい。