電球に書かれている「100v」と「60wまで」とは?

ふと気付いたら、電球が切れそうになっていることが多いです。
そんな時、電球を取り替えますよね。

ですが、手元の電球を、よく確認せずにつけようとしていませんか?

そこには「100v」「60wまで」などの表示があると思います。
この「100v」「60wまで」の意味を知っていますか?

今回は、「100v」「60wまで」の意味と、正しい使い方をご紹介していきましょう。

一般的に知られている電球の歴史

電球と聞いて想像するのは、よく見かけるありふれた丸い形のものだと思います。

電球の歴史は古く、1879年、それまで実用化が難しかった真空の電球をアメリカのトーマス・エジソンが開発に初めて成功しました。

日本では、1884年に初めて白熱電球が点灯され、それから長い年月、私たちの生活になくてはならないものとなったのです。

その後、1980年に世界初の電球型蛍光灯が発売されました。

この電球型蛍光灯は、白熱電球と比べると電力消費量が小さく、かつ長寿命という理由から白熱電球から電球型蛍光灯への切り替えが推奨され始めました。

また、この頃には、黄色や赤色、緑色のLEDは以前から実用化されていましたが、青色のLEDはまだありませんでした。

1993年に初めて青色のLEDが開発されたことによって完全な白色LEDが開発されたのです。

そして、1996年に新しい灯かりとしてLED電球が発売されるようになりました。

LED電球は、白熱電球、電球型蛍光灯と比べてはるかに省エネ、低消費電力となっており、白熱電球や電球型蛍光灯からLED電球へ切り替えを推奨する運動が世界中で広がっています。

電球には、このような歴史があったのです。

そして、昔は主流であった白熱電球もいまでは、少なくなってきています。
しかし、まだ使っている家庭もあります。

そこで、白熱電球を使用する場合の「100v」「60wまで」について記していきます。

電球を取り付ける器具の「100v」とは

電球について詳しく知ることができた所で、電球を取り付けようとする機器に書かれた「100v」とは何かについて記していきましょう。

「100v」は「100ボルト」と読み、電圧のことを表しています。
日本では多くの地域が100vの電圧ですが、一部の地域では110vの電圧を使用しています。

白熱電球は真空にしたガラス管の中にフィラメントがあり、電気を流すとフィラメントが発熱をして光を出します。

この仕組みの単純さから、電圧の変化を受けやすいため、白熱電球は100v、110vの表示があるのです。

それでは、100vと110vの電圧の差で、白熱電球はどのように影響してくるのでしょうか。

110vの機器に100vの電球を使用すると、適切な機器を使用した場合に比べて明るさが30%暗くなり、電球の寿命が約3倍長くなります。

逆に100vの機器に110vの電球を使用すると、明るさが40%明るくなり、寿命は約1/4に短くなってしまいます。

使用する電球に対して電圧が高ければ明るく、低ければ暗くなり、電球自体の寿命も左右されてしまうのです。

そのため、「100v」というのは、適切な機器に使用するために必要な表示なのです。

では、「60wまで」とは一体何のことなのでしょうか。
次の章で見ていきましょう。

電球を取り付ける機器に書かれた「60wまで」とは?

では、電球に書かれている「100v」の意味が分かったところで、今度は「60wまで」とは何のことなのかを見ていきましょう。

w(ワット)とは、消費電力を表す単位のことです。
この数値が大きいほど、明るさも増していきます。

また、w(ワット)の数字が大きくなると発熱量も変わっていきます。

そして「60w」は電球自体の表示ですが、「60wまで」とは電球を付ける機器の表示なのです。

電球を使用できる機器にはそれぞれ決められたw数があり、それ以上のw数の電球を付けると思わぬ事故の原因となります。

先ほど、「電球のw数が大きくなると発熱量が変わってくる」と言いましたが、機器がその熱に耐えられる限度が決められているため、そのような表示がされているのです。

「100v 60wまで」の表示に別のものをつけたらどうなるのか

先ほどの内容で、「100v」のところに「110v」の電球を、「110v」のところに「100v」の電球を使用しても、明るさと寿命が変わるだけで使用はできるとわかりました。

では「60wまで」の表示のある機器に、違うw数の電球を付けても使用できるのでしょうか?

一般的に売られている電球のw数は、「20w」「40w」「60w」「100w」の4種類が主流です。

電球のw数が増えると消費電力、発熱量共に増えるのですが、大事なのは発熱量です。

電球を付ける機器には、フードやプラスチックでできたカバーが付けられていますよね。
そのフードやカバーが耐えられる発熱量が「○○w」として表示されているのです。

「60wまで」の機器になら、明るさは減りますが「40w」でも「20w」でも取り付けることができます。

しかし、「60w」より大きなワット数の電球は、取り付けることができません。

発熱量が大きく、フードやカバーを溶かしてしまい、火災や事故の原因となってしまいます。
また、過電流となり機器自体の破損にも繋がります。

このような、思わぬ事故を防ぐためにも、ワット数の表示は必ず守るようにしましょう。

電球型蛍光灯の「形」と「100v 60wまで」の表示は別のことを表す?

先ほどまでは白熱電球について書いてきましたが、電球型蛍光灯の場合はどうなるのでしょうか?

電球型蛍光灯には、「60w」ではなく「60w形」と書いてあります。

電球のワット数は消費電力を表す値でしたが、この「形」とは、実は消費電力のことではなく、発熱電球の「○○w」と同じ位の明るさであるという意味です。

そのため、消費電力は別に「○○w」と表記してあります。

例えば、電球型蛍光灯に書いてある「60w形タイプ」は白熱電球の「60w」相当の明るさで、「消費電力11w」と表示されていれば消費電力が11wなので、「60wまで」の機器に使用できます。

このように蛍光灯は、白熱電球と比べ消費電力が少なく、かつ白熱電球と同等の明るさを作れるものです。

少し紛らわしいですが、電球型蛍光灯を使用する場合は「○○w形」ではなく、必ず「消費電力○○w」の表示を見て使用するようにしましょう。

また、蛍光灯はその仕組みから「100v」や「110v」の電圧の差を受けないようになっています。
ですから「100v」も「110v」も関係なく使用することができます。

LED電球は「100v 60wまで」で使用できるか?

LED電球でもパッケージに「○○w相当」と書かれているものが多いです。

これも電球型蛍光灯の「○○w形」と同じく、白熱電球の「○○w」と同じくらいの明るさであるという表示です。

電球は、同じ明るさを出すのにかかる消費電力は

白熱電球>電球型蛍光灯>LED電球

と、蛍光灯よりさらに低い消費電力で、同じだけの明るさを出せるようになりました。

白熱電球で40wかかるところを、LED電球ではおよそ5wほどで、60wではおよそ8wと大幅に消費電力を減らすことができるのです。

また、LED電球はその仕組みから100vや110vの電圧の差を受けにくく、どちらの電圧でも問題なく使用できるようになっています。

ですから、一般的に売られているLED電球のほとんどは「100v 60wまで」の機器に使用できると言えます。

しかし、LED電球を使用する際には、注意しなければならないことがあります。

「60w相当」のLED電球は「60wまで」の機器に使用することはできますが、その機器に密封型のカバーがついていたり、電球の形によってカバーが接触するなどして熱が放出されないと、故障の原因となります。

LED電球はその仕組みから熱に弱く、使用する際に十分な熱の放出ができないと電球の寿命が著しく低下し、電球が使用できない原因となったり、熱が異常に溜まり機器の変形や発火の原因となるのです。

また、機器に明かりの調節機能があるものには、LED電球は使用できません。

必ず調節機能に対応したLED電球を使用するようにしてください。

見逃してはならない注意喚起の表示

いかがでしたか?

何気なく使っている電球ひとつでも、間違えれば大事故につながります。

使用する際には必ず表示を確認し、その機器にあった電球を使うことが大事です。

その表示と意味を知ることが、快適な生活の第一歩になります。

最近では、少ない消費電力で大きな明るさを出す電球も増えてきました。

灯りは、私たちの生活になくてはならないものだからこそ、安全に使いたいものですね。