60w相当のLED電球と100w相当の明るさはwが目安ではない!?

最近では、白熱電球よりもLED電球が普及してきている中で、LEDに交換する方も多いのではないでしょうか?

LED電球を購入するとき、60w相当や100w相当と見かけるかと思います。

ここで注意したいのが、○○w相当とある中で、ワット数で明るさを判断していませんか?

実はLED電球で、明るさを選ぶ基準は他にあるのです!

今回はLED電球に交換するときの注意ポイントについてお話していきます。

60w相当、100w相当、LED電球の明るさはワット数ではない!?

白熱電球では、その消費電力量を示す60wや100wといったワット(w)数が明るさを示す目安とされてきました。

一方、LED電球やLED照明の明るさは、光源から出射されたすべての光の明るさである光束の量を示すルーメン(lm)により示されます。

LED電球・LED照明は、白熱電球よりずっと少ない消費電力で同じ明るさを実現できるため、ワット(w)数を直接明るさの指標とはできないのです。

しかし、白熱電灯の明るさに合わせる形で「何ワット(w)形相当」としてLED電球の製品パッケージに表示されています。

しかし、こうした「何w形相当」という表示は統一基準がなくメーカーによりまちまちだったため、同じ表示でも明るさが異なるということが生じます。
実際の明るさを反映していないというトラブルも多く、利用者にとって混乱の原因ともなってきました。

したがって現在では、LED電球やLED照明の明るさを示すためには光源からの光すべての明るさを示す「光束」の量を表すルーメン(lm)が用いられるようになっているとともに、白熱電球の各ワット(w)数に相当する具体的ルーメン値が示されています。

このことからLED電球はwでは、明るさを判断できないのです。

白熱電球からLED電球に交換!注意するポイントは?

wとは、消費電力のことです。

LED電球は、白熱電球と同じ口金に取り付けて使用できるとともに10wで白熱電球60w相当の明るさが得られます。
つまり100w相当でも17w程度で済みます。

すなわち白熱電球を単純にLED電球に置き換えるだけで80%以上も消費電力節約となるため、早くそうしたくなる場合も多いものです。

このようにLED電球の導入は、白熱電球の交換と同様でいいと考えられますが、失敗するケースもありますので、交換のポイントについてお話しします。

電球が切れて取り外したときですが、該当する口金がどの規格に相当するか正確に把握するのはなかなか困難です。

口金の規格は直径により区別され、照明用電球の多くは直径26mm相当の「E26」または17mm相当の「E17」という規格を採用しています。

これらの規格のうちどちらであるかは、照明器具自体にシールを貼って表示しているという場合もあります。
しかし、シールがなく判断に手間取る場合も多く、迷う場合は定規などを用いての実測が有効です。

60w相当と100w相当ってどのくらいの明るさ?ルーメンを確認しよう

ここまででLED電球に書かれている表現の多くは、○○w電球クラスである、という表記の仕方であることが理解できたかと思います。
それと同時に明るさの値としてルーメン(lm)が表記されています。

ただし、同じ60w電球クラスでもlm値の表記は製品によって、約300~800lmと非常に大きな差があります。
同じ○○w電球クラスでもこれだけlm値に差があるのは、LEDの光の「直進性」が非常に強いためです。

このため、LEDは一方向しか照らすことができず、照らすことのできない箇所を考慮しないまま照らされた先の照度が60w電球クラスとなれば60w電球クラスと表記されます。
実際のlm値は弱くても、照らす範囲が狭ければ明るい該当箇所だけ測定して○○w電球クラスと判定、表示されます。

100w電球クラスの場合はlm値は、おおむね1500lm程度となりますが、製品によっては同じ100w電球クラスでも850lm程度のものもあるという具合にメーカーによるばらつきがあります。

全光束が850lmなのに100w電球クラスは矛盾ということができるはずです。
この場合、確かに60w電球クラスでの810lmよりは確かに明るいですが、100w電球クラスということになる1520lmからは非常にかけ離れてしまっています。

60wと100wのLED電球、明るさ以外にも光の広がり方にも注意!

LED電球を使う場合は、光の広がり方によって下方向タイプと全方向タイプの2種類あるということに注意する必要があります。

さらに、光の広がり方は製品により300度、200度、集光タイプなどいろいろ分かれています
このように光の広がり方が雑多なため、従来の白熱電球や蛍光灯に合わせてできた照明器具からは効率的に光が広がらない傾向にあります。

60w形、100w形それぞれで○○lmと表記されていても、光の広がり方や照明器具との組合せにより、明るさが異なってくる可能性がでてくることに注意する必要があります。

下方向タイプの場合、リビング用の照明器具に取り付けると思った程部屋全体が明るくならないことがあります。

また、ルームスタンドなどでは上向きにを取り付けるものが多いことから、天井方向が明るい一方床方向は暗いというアンバランスな結果となることが多いです。

こうした問題を解決し、白熱電球同様幅広い方向に光が広がるようにしたLED電球が全方向タイプです。
リビングのように全体の照明を目的とする場合は、全方向タイプがおすすめです。

LED電球の照明の色にも注目してみよう

LED電球は60w電球クラス、100w電球クラスといった区別ばかりでなく、白熱電球同様光の色でも区別されます。

LED電球の一般的な色は、昔からの電球同様オレンジ色がかった光を出す電球色、太陽光にも似た自然な明るさを示す昼白色、昼光色よりは少し青っぽくクールな昼光色となっています。

これらの色は、部屋の用途、雰囲気や使う人の好みにより選ぶのが好適です。

例えば寝室のように穏やかにリラックスすべき部屋では電球色、昼間でも人がいるリビングやダイニングは昼白色、仕事や勉強など気持ちを集中させるべき活動をする部屋は昼光色がそれぞれ最適です。

いろいろな中で、どの色の照明にするか選ぶのが難しいのは、リビングにおいてメインとする照明の色でしょう。

リビングでどんなことをするのかにより分けるのがよく、リラックスや料理の味を引き立てるためには電球色、子どもがそこで勉強や読書、また家事をするというのであれば昼光色や昼白色とするのが効果的です。

このように目的に応じて色を変えるのには、これら3種の色を調節できる調色機能の付いたシーリングライトがもってこいです。

LED電球に交換できない場合がある!?

照明器具によっては、60w電球クラス、100w電球クラスを問わず、一般的なLED電球の取付、使用ができない場合が出てきます。

まず、多くのLED電球は、光を強めたり弱めたりする調光器を接続させた照明器具では使えません。
これらの場合、パッケージに調光器に対応する旨の記載があるものを選択します。

次に、LED電球は白熱電球に比べて発熱量が少ないのが利点ですが、電流を流して発光が起こることにより、やはり発熱が生じます。

この発熱によりLED電球が高熱になる結果、光が弱くなって寿命が短くなり、ついには壊れてしまいます。

浴室などで使われている密閉型器具では、こうした熱が閉じ込められやすいことから、放熱方法を工夫することにより、過熱を防ぐ機構を備えた「密閉型器具対応」の製品を使う必要があります。

さらに廊下の天井では、天井にはめ込むようになった「ダウンライト」がよく使われます。
ダウンライトの多くは、天井の周りを覆う断熱材を持ち上げるようになっているため、それ自体断熱材に覆われるという具合になります。

こうした器具は、断熱材施工器具と呼び、やはり一般的なLED電球では対応できないことになります。

LED照明に交換する時は確認をしてから交換しよう

白熱電球に比べると、LED電球は注意するポイントが多いですが、電気代は安く、長時間使用することができるのでたくさんの良い点があります。

LED電球に取り替える際は、様々な注意ポイントを確認し、購入するようにしましょう。