小さいお子さんや女性に、根強い人気の天蓋付きベッド。
天蓋のルーツは釈迦存世のインドにまで遡り、ベッドとしては中世ヨーロッパからはじまったといわれています。
木製の豪華な天蓋付きベッドを扱う輸入品やオーダーメイド品に加え、身近で手に入る様々な商品の種類までをまとめてみました。
天蓋付きベッドのメリットやデメリットを探り、優れた機能性を知ったうえでお部屋作りに活かしてみましょう。
そもそも「天蓋」ってどんなもの?
天蓋付きベッドは、ベッドの上部にフレームやレールを取り付けて布地で覆った、装飾性の高いベッドのことです。
子供用アニメのプリンセスの寝室や、洋画などの王宮のシーンなどに時折登場しますよね。
「天蓋」とはそもそもどんなものか、ご存知でしょうか。
「天蓋」の歴史はインドの釈迦存世の時代まで遡り、身分の高い貴人が、炎暑や熱風、粉塵をから身を守るために、従者に掲げさせた傘からはじまったといわれています。
その後、仏教では仏像の荘厳となり、木製や金属製の天井から吊るして仏像の上にかざす傘として用いられました。
僧の歩行にも、長い柄の付いた傘が使われていたようです。
また、キリスト教では、大聖堂の祭壇や、祭式時の高位聖職者の座席の上にかざす傘となり、天井から吊るしたり、柱で支えたものに形を変えています。
このように、傘としての機能性に加えて、身分や位の高さを表す象徴でもあったのが「天蓋」なのです。
木製天蓋付きベッドのルーツは?
「天蓋」はなぜベッドに付けられるようになったのでしょうか。
天蓋付きベッドのルーツは中世ヨーロッパにあります。
この当時の上流階級では、睡眠のためのプライベートな空間である「寝室」という定義がありませんでした。
個人個人は、宮殿や屋敷の広間の1室で生活していたため、部屋の区切りとしてカーテンを吊るしたことがはじまりだったようです。
14世紀はじめには、ベッドに木製の天蓋が取り付けられるようになりました。
この時代の建物は天井がとても高いつくりのものばかりで、シャンデリアをはじめとする家具は埃がいっぱいだったようですね。
そのため、ベッドの埃よけとして天蓋が必要だったといわれています。
また、虫除けや隙間風を防ぐ効果に加え、貴族の寝姿を隠すものとしても重宝されたようです。
その後、天蓋付きベッドはどんどん広がり、15世紀以降の上流階級において一般化しました。
上流階級で使用されたことから、ベッドをさらに豪華に彩り装飾性も増した、中世ヨーロッパの華やかな文化を色濃く表すものにまで発展しました。
天蓋付きベッドの豪華なイメージは、このようなルーツがもとになっているといえるでしょう。
天蓋付きベッドのメリットは?
こういった歴史ある天蓋付きベッドは、女性や小さなお子さんには、永遠の憧れともいえる寝具ですよね。
実際に天蓋付きベッドを使うと、どんなメリットがあるのでしょうか。
まずは、デザイン性に優れ、見た目がオシャレで豪華なことが挙げられるでしょう。
近年は、木製だけでなく手軽なアイアン素材のフレームが多く、お部屋に配置しやすいサイズや、設置しやすい構造のものが普及しています。
また、天蓋が取り付けられていることによって、プライベートな空間として確立し、静かでゆっくり眠れる安眠効果もあります。
カーテンで囲ってあることで、外部の照明が和らぐことも、質のよい睡眠につながるでしょう。
さらに、冷暖房の風が直接当たるのを回避できるため、エアコンを付けっ放しの夏場に体を冷やしすぎてしまうこともなく、冬場は暖房による乾燥から身を守ります。
もちろん、虫除けの効果もあります。
見た目の豪華さからは想像もつかない、数々の高い機能性が、天蓋付きベッドの魅力ともいえますね。
天蓋付きベッドのデメリットは?
機能性に優れている天蓋付きベッドにも、デメリットがあります。
天蓋部のカーテンの洗濯が大変なのが、その1つではないでしょうか。
天蓋付きベッドのカーテンには白などの淡い色のものが多く、汚れも目立ちますし、寝具として衛生面も気になります。
こまめに洗濯したいとはいえ、一般的なベッドなら寝具のカバー類やシーツの洗濯だけで済むところが、ボリュームのあるカーテンが加わるとなかなかの大仕事になります。
また、特に需要がありそうな子供部屋や、1人暮らしの女性に多いワンルームマンションなどはお部屋が狭い場合が多く、天蓋付きベッドを配置するとものすごい圧迫感が生じます。
インテリアにこだわりたくても、木製のアンティークな天蓋付きベッドなどは、大きすぎてお部屋に設置が不可能なこともあるでしょう。
さらに、デザインに特徴がありすぎることもデメリットになり得ます。
天蓋付きベッドだけを見れば、豪華で優雅、異国情緒を存分に味わえて特別な空間を演出できるように思えますが、お部屋に配置してみるとどうしてもベッドだけが浮いてしまいます。
他の家具を含めて、お部屋のイメージを統一するのがなかなか困難といえるでしょう。
天蓋付きベッドを購入するのなら、これらのデメリットもしっかり理解しておきましょう。
天蓋付きベッドの種類!木製からアイアンまで素材やデザインも豊富!
外国の家具のイメージが強い天蓋付きベッドですが、近年は小さいお子さんや女性を中心に人気が集まり、国内でも様々な店舗で取り扱われています。
その種類も豊富で、やはりデザイン性が重視されたものが多いようです。
白やピンクを基調とした柔らかいオーガンジー素材のカーテンが使われた、プリンセスをイメージしたものは、お子さんに人気があるようですね。
もちろん、赤や黒、紫といったカラーを取り入れた妖艶な大人の雰囲気のものもあります。
S字形やC字形をデザインに組み込んだ、ヨーロッパのロココ調を忠実に再現した高価なベッドから、キャノピーと呼ばれる装飾用天蓋部のみの販売もあります。
アンティークな感じにこだわるなら木製ですが、お値段的に手軽な、フレームの色がアンティークゴールドのアイアン素材のものもおすすめです。
お子さん用には、好みが変わっても安心な天蓋が取り外せるベッドがいいかもしれませんね。
また、天蓋付きのベビーベッドは愛らしいだけでなく、虫やハウスダストから赤ちゃんを守り、温度や湿度に敏感な赤ちゃんの肌を、冷暖房の直風から保護する役目もあります。
それぞれの特徴を把握し、天蓋ベッド選びを楽しんでみて下さい。
輸入品やオーダーメイドで自分だけの木製天蓋付きベッドを!
木製の天蓋付きベッドは本来は海外のものなので、輸入品の方が、つくりやデザインが本格的です。
フレームに施される装飾の細部にまでこだわる方なら、輸入家具専門店をおすすめします。
サイズや材質、木製なら使っている木材の種類、カーテンの生地の種類やデザインまで、自分のイメージに最も近い商品を見つけることができるでしょう。
しかしながら、輸入家具ゆえに、納品までに大体4か月ほどを有することはご理解頂かなければいけません。
また、天蓋付きベッド用カーテンの、オーダーメイドを請け負っているところもあります。
様々な生地の素材、カラー、デザインの中から選択でき、自分だけの天蓋用カーテンをつくることができます。
洗い替え用に仕立てておくのもいいですし、模様替え時にカーテンを変えるだけで、お部屋の雰囲気を一変できます。
このようなお店のサービスを利用して、お部屋の家具として、とことん天蓋付きベッドにこだわってみるのもいいですね。
デザインだけじゃない!機能性にも優れた天蓋付きベッド
貴族や王室をイメージする天蓋付きベッドは、豪華な雰囲気に魅了されます。
お姫様気分を味わえることで、お子さんや女性には永遠の憧れのベッドといっても過言ではないでしょう。
天蓋付きベッドには、カーテンがある個室としての安眠効果に加え、照明を和らげたり、冷暖房の直風や虫から身を守る効果もあります。
オシャレなインテリアとしてだけでなく、機能性に優れた天蓋付きベッドは魅力がいっぱいです。