ダイエットで痩せるために睡眠が大切だということを知っていますか?
人は寝ている時間帯にも、エネルギーを消費しており、睡眠中に分泌される成長ホルモンとコルチゾールが痩せるために重要な働きをしてくれます。
しかし、睡眠不足に陥ると成長ホルモンの分泌が減少する上に、食欲を増進するホルモンが増えてしまうと言われているのです。
今回は、睡眠と痩せることの関係についてご紹介します。
痩せるためには睡眠が大切!成長ホルモンの分泌が増える時間帯
「人間は、日中活動しているときにカロリーを消費するから寝ない方が痩せる」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、人は寝ている間にもエネルギーを消費しているため、一概に寝ないほうが良い、とは言えないのです。
呼吸や消化活動など、寝ている間に行われている生命を維持するための活動を、基礎代謝と言います。
基礎代謝量が多いとエネルギー消費量も増加するため、痩せやすくなります。
ある研究データでは、睡眠時間が4時間以下の人は、7~9時間の人よりも73%も肥満になりやすいと報告されています。
それには、睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きも理由のひとつとして挙げられます。
成長ホルモンには、皮膚や筋肉を修復したり、脂肪を分解したりする効果があるとされていますが、睡眠時間が減ると成長ホルモンの分泌が減少してしまいます。
成長ホルモンが減ると脂肪を分解する働きが鈍ってしまうので、ダイエットで痩せるためには、しっかりと睡眠を取ることが大切なのです。
また、成長ホルモンが多く分泌されるのは、入眠してから3時間経過するまでと、22時~夜中の3時の時間帯と言われています。
この時間帯を押さえて睡眠を取れば、ダイエットで痩せる効果を上げられるかもしれません。
睡眠不足で過剰分泌!?痩せるのを邪魔するホルモン
睡眠時間はダイエットにとって大切な痩せる時間帯。
では、なぜ睡眠不足はダイエットに悪影響を与えるのでしょうか?
まず、睡眠不足に陥ると、「レプチン」と呼ばれる満腹を感じるホルモンが減少します。
そして、「グレリン」という食欲を増加させるホルモンが過剰分泌されます。
別名「空腹ホルモン」と呼ばれるグレリンが増えることにより、空腹感を満たそうと、食欲が促進されてしまうのです。
また、グレリンにはもう1つ厄介な効果があります。
それは、グレリンが分泌されることで、食事の時間が記憶されてしまうことです。
毎日、決まった時間に食事を取っている、規則正しい生活をしている人にとっては問題ありません。
しかし、不規則な生活を送っている人にとって、グレリンは少々厄介な存在です。
普段から夜遅くに食事を取っていて、それが習慣になっていると、本当に空腹の状態でなくても、その時間帯にお腹が空いたと感じてしまうのです。
グレリン以外の理由でも、夜遅くに食べる習慣はダイエットに良くありません。
22時頃から深夜にかけて、肥満遺伝子と呼ばれる「BMAL1(ビーマルワン)」が活発になるためです。
肥満をため込みやすくするBMAL1とグレリンは、ダイエットの大敵なので、夜遅くに食べるのは控えるようにしましょう。
そして、前述しましたが、睡眠不足は脂肪の分解に大切な成長ホルモンの分泌の妨げにもなります。
このような理由から、しっかりと睡眠時間を確保することが、ダイエットで痩せるために大切なのです。
痩せるために知っておくべき寝ている時間帯に分泌されるホルモン
これまでで、睡眠不足はダイエットの大敵であることがわかりました。
次に、ダイエットで痩せるために知っておくべきホルモンをご紹介します。
睡眠で痩せるために重要なホルモンは、主に4つあります。
「レプチン」、「グレリン」、「成長ホルモン」、「コルチゾール」です。
レプチンとグレリンは前述したように、食欲のコントロールに深く関わっているホルモンです。
レプチンが食欲抑制に働きかけ、グレリンが食欲増進に働きかけます。
睡眠不足になると、レプチンが減る一方でグレリンが増えてしまい、過食につながる恐れがあります。
そのため、熟睡することでレプチンの分泌を増やし、食欲をコントロールことが痩せるために大切なのです。
次に、成長ホルモンは脂肪を分解してくれます。
睡眠中にエネルギーを消費するのには、成長ホルモンが重要な役割を担っているのです。
最後のコルチゾールは、別名「ストレスホルモン」と呼ばれています。
睡眠中は、コルチゾールの分泌が抑えられていますが、睡眠不足に陥ると増加します。
コルチゾールが増えると基礎代謝が低下してしまうので、痩せにくくなってしまうのです。
しかし、これは日中の起きている間に、コルチゾールが増えた場合の作用です。
実は、コルチゾールは、ダイエットの敵にも味方にもなります。
睡眠中に分泌されるコルチゾールは、脂肪の分解を促進して、エネルギーに変えてくれるのです。
4つのホルモンから、睡眠と痩せることの関係が理解できたでしょうか。
次は、ダイエットで痩せる効果を高めるためには、何時頃に寝たら良いのか、時間帯を見ていきましょう。
痩せるために最適な時間帯に睡眠を取る
痩せるために重要な成長ホルモンは、入眠してから3時間経過するまで、そして22時~夜中の3時の時間帯に多く分泌されます。
つまり、睡眠中、効果的に脂肪を分解するには、22時~夜中の3時の時間帯に、最低でも3時間は寝ていた方が良いのです。
また、睡眠中に分泌されるコルチゾールは、体内にたまった脂肪を分解してエネルギーに変えてくれます。
そして、深夜から早朝にかけて、コルチゾールの分泌量が増えます。
痩せたい人は、成長ホルモンとコルチゾールの働きの相乗効果を受けるためにも、遅くとも0時には寝るようにすると良いでしょう。
就寝時間をこれらのホルモンが多く分泌される時間帯に合わせることで、ダイエットの効果を上げられるかもしれません。
もちろん、時間帯を意識するだけでなく、質の良い睡眠を取ることも大切です。
7時間程度の睡眠時間を目安に、しっかりと熟睡するようにしましょう。
ダイエットで痩せるために効果的に睡眠を取る方法
これまで、睡眠と痩せることの関係についてご紹介してきました。
次は、ダイエットで痩せる効果を高めるために、どのように睡眠を取ればいいのかをみていきましょう。
1.痩せるために役立つホルモンが分泌されやすい時間帯に寝る
何度も言うようですが、成長ホルモンは睡眠中に出やすいです。
そして、分泌されやすいと言われているのが、22時~夜中の3時の時間帯です。
この時間に少なくとも3時間は寝るようにしましょう。
2.寝始めの最初の3時間は熟睡する
深い眠りに入りやすい最初の3時間の間に、成長ホルモンが多く分泌されます。
睡眠中に、脂肪を分解してエネルギーを消費するためにも、睡眠環境を整えて熟睡できるようにしましょう。
3.7時間を目安に睡眠を取る
睡眠時間も大切とされており、7時間睡眠を切ると肥満率が上がる、とも言われています。
人によって適切な睡眠時間は異なりますが、7時間を目安に眠ることが望ましいでしょう。
さらに言いますと、翌朝疲労が回復していて、スッキリと起きられる睡眠時間がベストです。
4.夕食は寝る3時間前までに取る
睡眠時間も大切ですが、眠る状態も大切です。
タイミングを間違えることで、体に負担が掛かります。
食後すぐに寝てしまうと、胃腸がフル稼働した状態で眠ることになります。
胃腸の働きにより、睡眠の質が下がってしまうので、夕食は寝る3時間前までに取るようにしましょう。
5.お酒やカフェインに気を付ける
お酒を飲むと眠くなるという方もいるかもしれませんが、寝酒は眠りを浅くしてしまいます。
また、カフェインを含んだ飲みものも、寝る前は避けましょう。
カフェインには覚醒作用や利尿作用があるため、睡眠の質を下げてしまいます。
6.朝起きたら日光を浴びる
起床時に光を浴びることで、体内時計が整い、夜の寝付きを良くします。
天気の良い日は、太陽の光を浴びるようにしましょう。
天気が悪いときは照明の光でも大丈夫です。
7.朝食のときにトリプトファンを取る
「トリプトファン」は、脳内で「セロトニン」に変化する必須アミノ酸です。
セロトニンは、夜になると睡眠ホルモンの「メラトニン」に変わり、寝付きを良くしてくれます。
その結果、睡眠の質が上がり熟睡できるようになるのです。
トリプトファンは、大豆製品、乳製品、卵、肉、アジ、マグロ、カツオなどに含まれているので、積極的に摂取しましょう。
睡眠がもたらす効果はダイエットで痩せるのをサポートする以外にも!
睡眠は、ダイエットで痩せるのをサポートする以外にも、良い効果があります。
1.疲労回復
睡眠は、体を休めるためにとても大切な習慣です。
深い眠りのノンレム睡眠がしっかり取れると、成長ホルモンが多く分泌されます。
成長ホルモンにより、体の疲労回復が行われます。
睡眠により疲れをリセットすることができるのです。
2.病気を予防する効果を期待できる
血圧は、交感神経が優位だと高くなります。
そのため、睡眠不足になると血圧が下がりにくくなってしまいます。
高血圧は、心臓病や脳卒中の原因にもなる可能性もあるため、睡眠をしっかりと取りましょう。
また、睡眠不足は、血糖値も下がりにくくします。
睡眠不足により、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの働きを鈍らせてしまうためです。
血糖値を上手くコントロールできなくなると、糖尿病になる恐れがあります。
病気を予防し、体の健康を保つためにも、きちんと睡眠を取りましょう。
3.心の健康を保つ
睡眠不足は、自律神経に悪影響を与え、気分を落ち込ませやすくなると言われています。
日中に眠かったり、疲れが取れなかったり、イライラしたり、感情が上手くコントロールできなくなったりします。
そして、それらが原因で、またストレスがたまり、悪循環に陥ります。
睡眠は体の健康だけでなく、心の健康にも重要な習慣なのです。
4.美容・美肌効果
睡眠中に分泌される成長ホルモンには、アンチエイジング効果もあります。
しっかりと眠ることで、肌質の改善が期待できます。
ですから美肌になるためにも、睡眠時間は削らず、熟睡できるよう心掛けていきましょう。
また、成長ホルモンが多く分泌される時間帯を押さえて、睡眠を取るようにしましょう。
睡眠中に分泌される成長ホルモンとコルチゾールが痩せるのをサポート!
ダイエットで痩せるためには、睡眠中に分泌される成長ホルモンとコルチゾールが大切な働きをします。
睡眠中に、脂肪を分解して、エネルギーを消費するためには、成長ホルモンとコルチゾールが多く分泌される時間帯を押さえて、寝ることが大切です。
また、熟睡できれば、心身の健康を促進し美肌効果も期待できます。
痩せたい人は、睡眠時間をしっかりと確保するようにすると、ダイエットをより効果的に進めることができるでしょう。