近年の住宅ではカウンターキッチンの需要が高まっていますが、カウンターキッチンをさらに使い勝手が良くおしゃれに見せてくれるのがニッチの存在です。
ニッチというのは、壁面をへこませて作る「くぼみ」のことですが、作る場所や形によって、収納にも飾り棚にも使える優れものなのです。
今回は、ニッチをどのような場所でどのように使うのか、様々なアイデアとともにニッチの魅力をまとめてみました。
これから家を建てる、もしくは、リフォームを考えている方は、ニッチを設けてみてはいかがでしょうか。
キッチンのカウンター内側に作りたいスパイスニッチ
キッチンのカウンターに付けるニッチといえば、まず挙げたいのがスパイスニッチです。
スパイスニッチは、その名の通りスパイスを収納するためのニッチのことで、キッチンカウンターの内側部分に作られることが多いものです。
カウンターの内側にニッチがあると、ごちゃごちゃしがちなスパイス類が内側へ収まることでどこから見てもキッチンがスッキリとして見えますね。
スパイスニッチの良いところは見た目だけではなく、その機能性も高いところです。
ニッチがない場合は、カウンターの上にスパイス類を置いている方も非常に多いのではないでしょうか。
しかし、カウンターの上では力加減によって落下の恐れもあり、調味料が飛び散って大参事、なんてこともないとは言えませんよね。
その点、スパイスニッチならば調理中にサッと手を伸ばすことができて、しまう時にも奥に壁があるので、無造作にしまうことが可能です。
さらに、スパイスニッチはスパイスだけでなく、例えばシンク前にはゴミ用のビニール袋のストックを、あるいは食器用ふきんを可愛いカゴに収めて置いておくだけで各段にキッチンが使いやすくなります。
キッチンタイマーやスケールなど、頻繁に使うキッチン用品を入れておくのも良いでしょう。
カウンター外側のニッチには便利用品がたくさん!
ニッチといえばスパイスニッチが一番かと思えば、カウンターの外側でもニッチは大きく活躍してくれます。
まずおすすめしたいのは、ダイニングテーブルの高さに合わせてニッチを設けるということです。
そうすることで、テーブルをカウンターに付けることが可能ですし、食事中でもニッチに手を伸ばしやすくなりますよね。
例えば、箸やカトラリーをレストランのようにカゴに収めてニッチに入れておけば、食事の時にサッと取り出すことができます。
テーブルで使う醤油差しや七味などのスパイスを、トレーに並べておいても便利です。
さらに、食事中以外でも便利なティッシュケース、ちょっとしたメモを取れるメモ用紙と筆記具や、のど飴を入れたカゴを置いてみても良いかもしれません。
カウンターの外側ならば、ニッチの中にコンセントを設置しておくのも非常に便利です。
例えば携帯を充電したり、パソコンをダイニングテーブルで使う時に役立ちますよね。
あるいは、キッチンが物であふれている時に、電気ポットやケトルだけはダイニングテーブルに出しておくという使い方が可能になります。
カウンターの外側のニッチは、ご家庭に合わせてどのようなものでもしまうことができそうですね。
カウンターにマガジンラック用ニッチを作ればお部屋がスッキリ
キッチンカウンターの外にニッチを作る場合には、マガジンラック用のニッチもおすすめのひとつです。
リビングやダイニングに本棚を置いている家庭は、あまり多くはありませんよね。
しかし、「リビングやダイニングで本や雑誌を読む」という方も多いのではないでしょうか。
また、今日の新聞や後で見ようかと思っていた広告など、ダイニングテーブルに出しっ放しということはありませんか?
そうしたものも、まとめてマガジンラックへ入れる癖を付けておくことで、お部屋をスッキリとキレイに見せることができます。
また、小さなお子さんがいるのであれば、絵本を置くスペースとしてマガジンラックを使用しても良いですよね。
まだ小さな内は自分のお部屋の中で遊ぶよりも、リビングにおもちゃを広げて遊ぶことの方が多いのかもしれません。
中でも、絵本は大きさも重量もあるものですから、少しの量でも出しっ放しにしているとお部屋は散らかって見えます。
母親のいるキッチンのそばのマガジンラックならば、お子さんも安心してお片付けを学んでくれるかもしれませんね。
キッチンカウンターのサイドにはレシピ本を収納
キッチンの内側と外側のニッチをご紹介しましたが、カウンターのサイドにもニッチを付けることは可能です。
カウンターのサイドは、スペースが小さく家具を置く場所でもないため、ニッチを設けることで、わずかながら収納を増やすことが可能になります。
ここでも、使い方として特におすすめしたいのはマガジンラックです。
例えば、レシピ本は調理中にサッと取り出すことができる場所へ置いておきたいですよね。
しかし、キッチンと近すぎても、水はねや油はねが気になってしまい、意外に収納するスペースは取れないものです。
カウンターのサイドのマガジンラックであれば、カウンターを回り込まなくても手を伸ばすだけで取ることができますし、収納してあれば汚れる心配もありません。
また、レシピ本に限らず、収納術や片付け、節約術の本などもキッチンの近くに置いておくと便利です。
キッチンで煮込み料理などを作っていると、火のそばを離れることはできないものの、することがない空き時間というものがたまに出てきます。
そんなちょっとした時間に立ったまま読めるような、軽い読み物を置いておくのも良いでしょう。
キッチンを華やかに見せる飾り棚としてのニッチも
さて、ここまでは実用的な収納としてのニッチの使い方をご紹介してきましたが、ニッチは飾り棚として使用されることも非常に多いものです。
カウンターの外側やサイドは、内側部分と違い多くの方の眼に触れるところですから、飾り棚として使用した方がおしゃれな空間を作りやすいかもしれません。
あるいは、半分を収納にして半分を飾り棚にするという方法もあります。
例えば、お気に入りの食器やグラスを飾っても良いでしょうし、好みの雑貨を入れても良いでしょう。
小さな観葉植物などでさわやかなグリーンを入れると、キッチン回りの雰囲気が明るくなりますよね。
家族の温かみを感じることができる、家族旅行などの写真を飾れば楽しい気持ちになれますし、小さな子どもの作った作品を飾るギャラリーにするのも素敵ですね。
棚の上やカウンターの上に小さな物を飾ると、掃除が大変になりますし、ふとした時に触って落としてしまう可能性もあります。
しかし、ニッチのようにへこみを活かした飾り棚ならば、落下の危険性も少なくなりますし、場合によってはガラス戸をいれてホコリ対策をすることもできますよね。
収納が増えるのも嬉しいのですが、こうした自分好みのインテリアを飾る余裕があると、お部屋をもっとおしゃれに見せることができそうですね。
キッチンのカウンターにニッチを作る時の注意点とは?
それでは最後に、キッチンのカウンターにニッチを作る時の注意点をご紹介します。
ニッチを作る時には、最初からどのような形で使うのか、物が全て置かれた状態をシミュレーションして作るようにしましょう。
特に、カウンターの内側のニッチは、作る場所やサイズを間違えると、非常に使い勝手が悪くなります。
適当なサイズで作ってしまうと、予定していたスパイス類の瓶の頭がぶつかってしまう可能性がありますし、幅が狭くてもスパイスの一部が入らないなんてことになるかもしれません。
ガスコンロの住宅の場合には、ニッチの位置によっては、油や煙が回って汚れてしまう可能性があります。
作業台の前も、食器を入れる水切りがニッチを塞いでしまうこともあるかもしれませんよね。
また、カウンター外側のニッチも、ダイニングテーブルの存在を忘れて作ってしまうと、せっかく作った収納がテーブルの陰に隠れて使えなくなる可能性があります。
だからといって、邪魔にならないようにとにかく小さなニッチを作ってしまうと、何も入らないただのへこみになってしまうかもしれません。
せっかくニッチを作るのならば、思いきり活用できるようにご自分の家庭にあったサイズで作るようにしてくださいね。
ニッチを上手に使って一味違うキッチンを
ニッチは作る場所もサイズも自由であり、幾通りもの楽しみ方を見つけることができます。
ちょっと足りない収納にも、無機質なキッチンの色付けにも、家庭によって違う楽しみ方を考えられるのが良いですよね。
ニッチを上手に活用して、おしゃれなキッチンを作ってみてはいかがでしょうか?