日本人のライフスタイルにベッドが多く取り入れられ、質のよい睡眠のためにマットレスが重要視されています。
自分に最適な一枚とはどのようなものでしょうか。
高価なベッド用マットレスを購入する際は、寝心地や機能性を十分に理解しておきましょう。
失敗しないベッド用マットレス選びに重要なポイントを、素材の特徴と硬さ、厚みのなどの性質からまとめてみました。
ベッドマットレスの特徴
今や日本人の寝具は、従来の畳の部屋にお布団を敷くスタイルから、フローリングのお部屋にべッドを置くスタイルに変化しています。
毎日のお布団の上げ下ろしが足腰の負担になり、お年寄りが畳の敷かれた和室に、使いやすいベッドを置いているのもよく見かける光景です。
また、睡眠の質を重視する傾向にあり、ベッド用のマットレスにもこだわって購入するようになってきました。
特にベッド用のマットレスは、お布団に比べて厚みがあり、安定した寝心地で、寝ている間しっかりと身体を支えます。
厚みがあることから、重くて運びにくい印象が強いですが、その分丈夫で耐久性に優れています。
天日干しが難しいことから心配な衛生面も、ハウスクリーニング業者に依頼すれば、クリーニングが可能なため安心です。
このような利点を踏まえ、ベッド用のマットレス選びに役立つ特徴についてまとめてみました。
ベッドマットレスの種類「ボンネルコイルマットレス」
ベッド用マットレス選びには、主流であるスプリング素材の特徴を理解しておくことが重要です。
ボンネルコイルのマットレスは、内部のスプリングが全て連結した構造で、面で支えることで身体の凹凸にフィットします。
鋼鉄線材をふんだんに使い、シングルサイズのマットレスで20kgほどの重さがありますが、硬めの質感で身体全体をしっかりと支え、安定感のある寝心地です。
内部のコイルスプリングの上に重ねる詰め物や側生地の素材で、マットレスのクッション性が変わるため、メーカーによって少しずつ寝心地や質感に違いがでてきます。
また、スプリングが全て繋がった構造上、二人で眠る時には横揺れを感じることがあります。
しかし、ボンネルコイルマットレスは多素材の厚みのあるマットレスと比べると、抜群に通気性に優れています。
部屋の湿度や、寝汗による湿気にも強いため、カビが生えにくい衛生的なマットレスといえますね。
ベッドマットレスの種類「ポケットコイルマットレス」
前章で挙げたボンネルコイルマットレスを、進化させたのがポケットコイルのマットレスです。
ベッド用マットレス選びには、この二種類のマットレスの違いをしっかり把握しておくことが大切です。
ポケットコイルマットレスは、内部のスプリングを圧縮し、通気性のある不織布の袋にひとつひとつ包み込むことで、スプリングが独立し、身体を点で支えるサポート感のある寝心地になります。
シングルサイズで460~650個の独立したスプリングコイルが使用され、その数が多いほど身体のラインに密接する点が増えてフィットします。
このたくさんの点が、横になった時に肩部や腰部のみが沈み込むのを防ぎ、優れた体圧分散機能で身体全体を均一に保ちます。
また、スプリングが独立していることから、横揺れしにくく、ギシギシという特有の音がしないため、二人寝にも適しています。
一般的にスプリング素材のマットレスは、コイル形成時に通電し、熱処理によってその強度を増していますが、ポケットコイルでは、ひとつひとつ袋に入れる際に約25%圧縮するため、さらに強くへたりにくい特性もあります。
ポケットコイルマットレスは複雑な構造上どうしてもコストが上がりますが、機能性と耐久性にとても優れたマットレスです。
ベッドマットレス選びのポイント「硬さ」
ベッド用のマットレス選びに重要になってくるのが、硬さです。
人はそれぞれ体型や体重、体温などが異なるうえ、毎日の習慣からくる癖なども加わって、ひとりひとり寝姿勢が違います。
自分にあったマットレスを考える際に、手掛かりになるのが、理想的な寝姿勢を維持できる硬さかどうかです。
現在の睡眠学上では、立っている時と同じ状態が理想的寝姿勢とされ、この姿勢を維持するために、体圧分散機能に優れたマットレスを選ぶことが大切です。
また、程よく寝返りをしやすい硬さであることも重要です。
実際あまり知られていませんが、身体への無理な圧迫を減らし、スムーズな血流を促すために無意識に動いているのが寝返りです。
肩や腰など体重のかかる部分が沈み込んでしまうマットレスは、身体の一部に負担がかかっているためうまく寝返りが打てません。
ベッド用マットレスの多くを占めるスプリングマットレスは、この体圧分散機能に優れた構造ではありますが、スプリングの素材、詰め物や側生地の質がメーカーによって異なります。
素材や実際の硬さを理解したうえで、マットレスを選んでみましょう。
ベッドマットレス選びのポイント「厚み」
ベッド用マットレス選びにおいて、もうひとつの重要ポイントは厚みにあります。
しっかりとしたスプリングを使用し、体圧分散に優れた丈夫でへたりにくいマットレスは、その構造上ある程度の厚みが必要です。
ベッド用スプリングマットレスで最低限の厚みは約15cmです。
この厚みのマットレスは、スプリング素材の上の詰め物の質で寝心地が左右され、スプリング自体のへたりの原因にもなるので注意が必要です。
一番需要のあるのが厚み20cm前後のマットレスです。
程よい硬さを維持し、8年以上の耐久期間が想定されるものがほとんどで、裏表どちらにもクッション材が施され、両面使用できるものが多くなります。
また、最近はスプリング素材の高品質化に伴って、分厚いマットレスが減ってきているのですが、厚み30cm以上のマットレスもあります。
この厚みのマットレスにはとても高価なものが多く、質の高い詰め物がふんだんに使用され、クッション性に優れた柔らかさが特徴になります。
厚みと詰め物の質も考慮して自分にあったベッド用マットレスを見つけましょう。
ベッドマットレス選びは慎重に
ベッド用マットレスは高価なものが多く、すぐに購入というわけにはいかないものですよね。
これまでにご説明した、素材のスプリングの種類、硬さや厚みなどを選ぶポイントにして、できる限り手で触れ質感を感じ、可能なら直接横になって寝心地を確かめたいものです。
多数の寝具メーカーで開かれている展示会で、気になるベッドマットレスを試したり、その寝具メーカーのエキスパートである店員さんに、詳しい話を聞くこともおすすめします。
また、1週間や1ヶ月という一定期間、気になっているベッド用マットレスをレンタルしてみるのもひとつの方法です。
今ではたくさんのレンタル業者が、ベッドやマットレスのレンタルをしていますし、レンタル業者が取り扱っている寝具メーカーの幅も広がっています。
さらに、お目当てのマットレスを使用しているホテルなどに思い切って宿泊してみるのもいいかもしれません。
高価なベッド用マットレスを購入する前に、しっかりと自分にあったものを選び、できる限りの方法で質感や寝心地を試してみて下さい。
必ず、自分に最適のベッド用マットレスが見つかるはずです。
自分にあったベッドマットレスを選ぼう!
ベッド用マットレスは高価なものが多く、購入する際はしっかりとした下調べが必要です。
スプリング素材の質や硬さ、厚みなどの様々な要素から最適なものを選びましょう。
さらに、寝心地にもこだわり、展示会や店頭などで実際に試してみることをおすすめします。
多種類のベッド用マットレスの中から、自分にあった1枚が見つかるはずです。