すのこベッドが、お布団の湿気対策として優れていることは知っていても、「それだけじゃないの?」と思っていませんか?
もちろん、通気性はすのこの命ですが、物作りニッポンのメーカーは、それだけでは終わらせません。
その人気の理由は、安さと機能性にあります。
お財布に優しく、お布団が干せたり高さ調節ができたり、コンパクトに収納できたりと、いろいろな選択肢があるのが特徴です。
さっそく、どんなすのこベッドがあるのか、タイプごとに見ていきましょう。
すのこベッドはベッドと床置きの2タイプ
「すのこベッド」は、形で分けると2種類あります。
ひとつは、マットレスを乗せる部分がすのこ状になっているベッドです。
すのこベッドと聞けば、通常はこちらのタイプを思い浮かべるのではないでしょうか。
すのこ部分以外は普通のベッドと変わりなく、フレームが木か金属か、引出しがあるかどうかが選べます。
純和風のベッドなので、しゃれた海外製品を選ぶことはできませんが、日本の風土に合った製品を手頃な価格で手に入れることができます。
もうひとつは、文字通り「すのこ」です。
畳や床の上に置き、その上に寝具を乗せて使います。
どう見ても「すのこ」そのものですが、押入れ等のすのこと混同しないように、敢えて「すのこベッド」と呼び分けているようです。
しかし、ベッドと言うだけあって、上に人が立っても耐えられるだけの強度や、コンパクトに出し入れできる使い勝手の良さが、最大限に工夫されています。
見かけは多少違いますが、どちらも人気で、すのこの良さをシンプルに実感できます。
ベッドタイプの1番人気は、パイン材フレーム!
ベッドタイプのすのこベッドで1番人気は、パイン材をフレームに使ったベッドです。
パイン材とは松の木の総称で、温かくて優しい雰囲気が好まれ、ナチュラル系家具の素材として愛されている木材です。
人気の秘密は、見た目の柔らかな美しさと共に、2万円程度で手に入る手頃さにあるでしょう。
また、すのこ部分は軽くて丈夫なLVL合板で、マットレスやお布団をしっかり支えます。
LVL合板は、繊維方向を一致させて貼り合わせているので、湿気に強く、柱になるほど丈夫な木材です。
そして、片側半分が収納庫(引出し)になっているものもありますが、通気性を優先するなら、ベッド下収納を別に準備した方が良いかもしれません。
そこまで気にしないという方は、マットレスをこまめにローテーションさせて、内部の湿気が片側半分に偏らないように気を付けましょう。
そして、お布団干し機能を持っているものは、すのこを半分に折って起こし、そのままお布団を掛けて干すことができるので便利です。
また、高さが3段階調整できるものも多いですね。
脚を付けなければフラットなベッドに、ひとつ付ければロータイプ、ふたつ付ければ普通の高さのベッドになるのです。
ライフスタイルに合わせて脚の高さを調節できるので、長く使うことが可能です。
その他のベッドタイプいろいろ
同じパイン材フレームでも、ヘッドボードのないフラットなベッドなら、1万円以下で手に入れることができます。
「低めの縁台」といった感じで、フレームとすのこが同じ素材のものは、そのまま置いていてもおしゃれです。
価格ももちろんですが、ヘッドボードや宮棚付きのベッドよりも、組み立てが楽なことが嬉しいですね。
また、鉄パイプフレームのすのこベッドも人気です。
半分に折りたたんで収納できるものがほとんどで、その状態でお布団干しも可能です。
折りたたんだ時の幅は45cmほどで、キャスターが付いているので、窓際へ移動させて干すことも可能です。
余裕でベッドを動かして掃除ができますので、お掃除好きな方にはぴったりです。
こちらの鉄パイプフレームベッドも、1万円前後で手に入ります。
そして、籐製のすのこベッドは、すのこベッドの中ではかなり高価な部類です。
3万円以上しますし、籐製品は独特な雰囲気を持っていますので、籐製を選ぶ方は少ないのではないでしょうか。
しかし、アジアンテイストな部屋にはぴったりです。
エスニック風やリゾート風の部屋作りを目指す方には、ぜひお勧めしたいベッドです。
床置きタイプの1番人気は折りたたみ式!
床置きタイプのすのこベッドは、折りたたみ式が人気です。
2つ折りや、4つ折りのすのこベッドは、逆のV字やM字で固定すると室内干しができるところがポイントです。
そして、くるくる巻いて使うロール式のすのこベッドは、毎日の扱いがとても楽です。
小さくまとまるので、折りたたみ式よりも収納場所に困りません。
通気性に差はありませんので、あとは好みと生活スタイルで選びましょう。
例えば、ロフトにお布団を敷いて寝ている場合には、お布団をはしご伝いに上げ下げするのが大変で、干す間隔がついつい開いてしまいがちです。
そんな時、力を発揮してくれるのが、4つ折りタイプのすのこベッドです。
2つ折りでも良いのですが、天井の低いロフトでは背の低い4つ折りの方が扱いやすく、また小さくたためるのでロフトに持ち上げる時も安全です。
一方で2つ折りは、床を広く使いたい時に便利です。
お布団を敷いているのとほぼ同じ面積を必要とする4つ折りよりも、お部屋を広く使えます。
また、ロール式は、お客様用あるいは季節用品として使う場合、オフの時に物置のスペースをあまり取らず、いくつも準備できるのが魅力です。
すのこの素材人気第1位は、桐製品!
すのこベッドの材質には、いろいろあります。
ベッドタイプの場合には、フレームが別の材質(パイン材や鉄)でも、すのこ部分は圧倒的にLVL合板です。
ただし、ベッドを選ぶ際には、フレームの印象が第一条件でしょう。
すのこの材質を気にする方は、あまりいないかもしれませんね。
床置きタイプは、ほとんどが桐製で、プラスチック・ヒノキと続きます。
昔から収納箱として大切なものを守り続けてきたように、桐は湿気に大変強く、虫も付きにくい木材です。
軽くて扱いやすい上に、価格も3千円から6千円程度とお手頃ですので、一番人気なのも当然ではないでしょうか。
また、ヒノキは香りが良く、日本人が大好きな木のひとつです。
防虫効果が高いので、押入れのすのことしてよく使われ、桐より重く安定感がありますが、価格は1万円以上と高めです。
そして、プラスチック製すのこは、湿気知らずでカビとは無縁です。
しかし、温度変化や太陽光に弱いので、木材よりも早く劣化します。
ただ、木製よりは軽くて扱いやすく、基本的にはメンテナンスフリーです。
すのこベッドの大敵!油断から来る寝具の敷きっぱなし!
「人気のすのこベッドを導入したけれど、やっぱりお布団が湿気る」という方は意外に多いようです。
カビていれば買い替えるか、洗いに出すかしているはずですから、問題は起こりにくいはずです。
しかし、湿気で困っていた方が、お布団やマットレスを十分に乾燥させずに、すのこだけを導入したのであれば失敗してしまいます。
すのこには湿気を逃がす力はあっても、寝具を乾燥させる力はないからです。
また、お布団を十分乾燥させても、床や畳が湿気を含んだままだと、やはり寝具へ影響します。
湿気が原因で、すのこベッドを使い始める時は、まず、お布団と床を十分に乾燥させておきましょう。
さらに、いくら湿気に強いすのこベッドでも、木製品なら湿気を吸いますし、そのまま放置すればカビが生えます。
特に、床置きタイプは高さがありませんので、いくら通気性が良くても、掛け布団を掛ければ通気孔をふさいでしまいます。
そのままお布団を敷きっぱなしにすれば、空気の逃げ場がなく湿気がたまる一方です。
そのため、お布団を毎回しまうのでなければ、せめて床とお布団に隙間ができるベッドタイプを選びましょう。
しかし、それでも敷きっぱなしなら、カビが発生してしまいます。
大切なのは、すのこさえあれば全部OKだと過信しないことです。
通気性に優れたすのこを使っても、お布団のお手入れは定期的に行ってくださいね。
ベッドタイプと床置きタイプ!あなたはどちらを選ぶ?
すのこベッドを選ぶ基準は、ベッドタイプなら部屋の雰囲気に合わせるか、お布団が干せる跳ね上げ形式のものでした。
床置きタイプは、表から見えませんので、あとはどう使うかの問題です。
お手入れを怠れば何を使っても意味がありませんが、そうでなければ、少なくとも湿気に困る回数は減るはずです。
湿気が減れば、カビやダニにも有効です。
すのこベッドは、置くだけで薬剤も要らない、1番簡単なアイテムかもしれませんね。