「マットレスの上に敷布団はいるのか?いらないのか?」
このように迷ったことのある方は、多いのではないでしょうか?
そして、迷いながらも何となく今までの使い方でそのまま使用している方も多いことでしょう。
しかし、今の使い方だと身体に負担を与えてしまっている可能性がないとも限りません。
今回は、マットレスに敷布団はいらないのか、マットレスと敷布団それぞれの用途についてまとめてみました。
マットレスと敷布団の用途は同じ?どちらを使っても良い?
ベッドの上でも床に直置きでも、マットレスと敷布団は別々に使用するものです。
つまり、マットレスの上に敷布団はいらない、というのが正しいと言えます。
そうなると、マットレスと敷布団のどちらか好きな方を使えば良いということになりますよね。
しかし、実際には使う場所や環境によって、それぞれを上手に使い分ける必要があります。
ベッドを使用している場合には、セットでマットレスの付いていることがほとんどですよね。
中にはフレームだけで購入する方もいらっしゃるとは思いますが、セットで購入する方のほうが多いのが実情です。
床に直置きの場合、和室ならば敷布団だけでも良いのですが、フローリングならマットレス1枚か敷布団との重ね使いをしている方が多いことでしょう。
昔と比べて、近年の日本の住宅事情は大きく変わりました。
和室自体がない住宅、通常の畳よりも少し硬めの和紙畳の普及などによって、以前のように敷布団だけで眠るには少し厳しい環境だとも言えます。
そのため、寝具メーカーからもそれぞれの環境に適した、新たなマットレスや敷布団が登場しています。
マットレスと敷布団はほぼ同じ用途で使うものだけれど、それぞれに適していない場所や環境もあり得る、というように考えるのが一番良いのでしょう。
ベッドにはマットレス?敷布団はいらない?
マットレスと言えばベッドに付きものだというイメージがありますが、それならばベッドには敷布団が適していないということでしょうか?
まず、フレームとマットレスがセットになっている一般的なベッド、こちらに敷布団はいらないと言えます。
そもそもベッドマットレスとは人がそのまま寝るように設計されているものなので、敷布団を敷いてしまっては生産者の意図した寝心地と大きく変わってしまう可能性があります。
マットレスとお布団を重ねることで、なんとなく寝心地が向上しそうな気はするかもしれませんが、実際には柔らかすぎて身体が沈みこみ過ぎ、大きな負担となるのです。
さらに、重ねることで湿気が閉じ込められてしまう、という問題もあります。
敷布団を重ねていると、身体から発散される汗が敷布団に染みこみ、その下のマットレスとの間にカビやダニを発生させてしまう恐れがあるのです。
一方で、すのこベッドや畳ベッドのようにお布団を使用することを想定して作られた商品もあります。
お布団をベッドで使用したいという方は決して少なくないため、すのこや畳以外にも「敷布団を使えるベッド」というコンセプトの商品も数多くあります。
ベッドでは敷布団がいらないということはなく、マットレスか敷布団を別々に使用すれば好みで変えても良いと考えられますね。
床にマットレスを直置きするなら敷布団はいらない?
それでは、床にマットレスを直置きする場合にはどうでしょうか?
畳のお部屋であれば、マットレスでも敷布団でも好きなほうを使用できますよね。
しかし、床がフローリングの場合には敷布団はいらないと言えます。
まず、フローリングのように硬く冷たい場所に敷布団を敷くと、身体の底付き感を感じます。
硬すぎる場所で眠ると背中や腰に負担が掛かってしまい、寝返りも満足に打つことができません。
そのため、深い睡眠をとることもできなくなってしまいます。
また、冬場などは床の冷たさがダイレクトに伝わって身体を冷やしてしまうでしょう。
さらに、お布団は吸湿性に優れているため、身体から放出された水分や熱気により床とお布団の間で湿気がこもってしまうことも考えられます。
湿気がこもればカビやダニが繁殖してしまう可能性も高くなるでしょう。
フローリングへ直置きするのならば、マットレスを使用するほうが安心でおすすめです。
それでもどうしてもお布団を使いたいということであれば、薄手のマットレスを重ねて使用するか、敷布団を2枚重ねて使用するようにしましょう。
本来の使い方とは異なりますが、床との間に硬めのマットレスやお布団を挟むことで冷えと底付き感は軽減されることでしょう。
ただし、単体で使用するよりも湿気対策に十分配慮するようにしたほうが良いですね。
マットレスや敷布団の湿気対策は?
ここまでマットレスと敷布団の使用場所について見てきましたが、どちらの場合にも湿気については注意が必要となります。
人は眠っている間にコップ1杯分は汗をかいていると言われていますから、湿気対策はしっかりととらなくてはなりません。
もちろん敷布団がいらない1枚使いのマットレスでも、湿気対策は必要となります。
まず、一番シンプルな方法として、朝起きてから必ずマットレスや敷布団に風を通すことが必要になります。
床に直置きの場合には毎日、ベッドでマットレスを使用している場合には最低でも週に1回はマットレスを立てかけて乾かすようにしましょう。
重くて完全に立てかけるのが難しい場合には、マットレスとベッドフレームの間にものを挟んで持ち上げるだけでも効果があります。
寝室は、加湿器を使用している方も多くいらっしゃる場所ですので、窓を開けて換気をすることも大切です。
また、マットレスや敷布団の下に、除湿シートやアルミシートを敷いたり、床置きすのこを使用しても効果があります。
ただし、シートを敷いていても通気と換気は必ず必要となりますから、除湿グッズを過信しすぎずに、こまめなお手入れをするように心がけましょう。
敷布団はいらない!しかしそのまま寝るのはNG
床とマットレスの間について湿気対策をご紹介しましたが、マットレス自体に湿気が染みこまないようにするのも1つの湿気対策と言えます。
マットレスに敷布団はいらないとしても、直接横になってしまうとマットレスに汗や汚れが染みこんでしまい、劣化が早まることとなります。
そのためにも、マットレスには必ずベッドパッドや敷パッドを使用するようにしましょう。
ベッドパッドには、マットレスの保護を目的としたものと、寝心地を調整する厚手のものの2種類があります。
現在使用しているマットレスの寝心地に全く不満がないということであれば、保護だけを目的としたベッドパッドと敷パッドを使用するだけで十分でしょう。
マットレスを本格的に保護したい場合には、完全に包み込むタイプのマットレスプロテクターを併用するのも良いかもしれませんね。
しかし、こうして保護することでマットレスに寝汗が染みこみにくい分、ベッドパッドや敷パッドにはしっかり湿気が浸透しています。
衛生的にするため敷パッドは頻繁に、ベッドパッドは1~2ヶ月に1度くらいは洗濯をするようにしましょう。
さらに、マットレスをどのように保護しようとも湿気がゼロになるということはありませんので、やはり通気と換気は必要となります。
安価な寝具の使い心地は?価格と品質は比例している!
毎日必ず使用する寝具ですが、適正な価格というのはどれくらいなのでしょうか?
もちろん安価で品質が良ければ言うことはないのですが、寝具に関してはある程度の金額を見込んだほうが失敗が少なくて済みます。
ベッドに関しては価格帯に大きな幅があるため、ここでは直置きで使用する場合の寝具について見ていきます。
敷布団がいらない1枚敷きのマットレスならば3万円~5万円前後、敷布団の下に敷く薄手のマットレスならば数千円くらいが適正でしょう。
敷布団の場合は、綿敷布団で2万円以上、羊毛敷布団は3万円以上を目安に考えると、安定した品質のものが手に入ると考えられます。
安価な寝具でも最初は寝心地の良いものがありますが、耐用年数はどうしても下がってしまい、すぐにへたってしまう可能性があります。
ただし、高ければ高いほどずっと使い続けられるのかというと、そういうわけではありません。
もちろん、安価な寝具と比べれば長期にわたる寝心地の良さは確保できます。
しかし、寝具の耐用年数はおよそ決まっているため、打ち直しなどで長持ちさせることはできても一生同じものを使用するのは難しいでしょう。
また、寝心地を追求した10万円を超える寝具の場合でも、耐用年数に変わりがあるわけではありません。
どのような寝具でも一定期間で買い替える必要があるということを踏まえて、バランスのとれた寝具を購入するようにしてくださいね。
身体を預ける大切な寝具だからこそ妥協はしないで
マットレスと敷布団は、基本的には1枚で使用することが分かりましたが、1枚使いの寝具はそれなりに高額の買いものになってしまいますよね。
そのため、「今使用しているお布団の重ね使いでも良いかな」と考えて、しまいたくなるかもしれません。
しかし、寝具は1日の終わりに疲れた身体を預ける大切なものです。
この機会に一度、自分の使う寝具を見直してみるのも良いのではないでしょうか。