寝具売り場に行くと、様々な寝具小物が販売されていますよね。
しかし、中にはベッドパッドや敷パッドなど、名称が似ているものもあって混乱することがありませんか?
そもそも、ベッドの上に置く寝具は順番が決まっているものなのでしょうか?
今回は、ベッドを使用している方へ、どのような順番で寝具を敷くと良いのかご紹介していきます。
ベッドの寝具はこの順番で敷くのが基本
それでは早速、ベッドの上に敷く寝具の順番を肌に触れる側からご紹介していきます。
①敷パッド
②シーツ
③ベッドパッド
④防水マットレスプロテクター
⑤マットレス
一般的にはこの順番で敷くものですが、③のベッドパッドについては汚れ防止と寝心地調整のように用途が違うものもあるので、2枚使用することがあります。
②のシーツは、マットレスとベッドパッドをまとめてカバーするものになります。
フラットシーツで挟み込んでも良いのですが、ボックスシーツだとベッドメイキングが簡単にできるのでおすすめです。
③のベッドパッドは、四隅にゴムがついているタイプのものが一般的で、マットレスにゴムを引っ掛けて使用します。
そして、④のマットレスプロテクターを⑤のマットレスに掛けて、ベッドフレームに直接置いて使用します。
他にも、場合によってはマットレスの下に除湿シートを敷くこともあります。
こうして並べてみると、意外に数が多くて役割のわかりにくいものがありますね。
このような順番にするには、どのような理由があるのかを見ていきましょう。
寝具を順番どおりにする理由とは?
ベッドで使用する寝具は思いの他多く、実際に「これは必要なのか」、「この順番に意味はあるのか」と思ってしまいませんか?
しかし、寝具を長持ちさせるためには、こうして全てを使用する方が良いとされています。
まず、敷パッドは肌に触れる場所に敷かれるため、肌触りや吸放湿性に優れているもので、下へ汚れを通さない役割があります。
シーツもほとんど同じ役割と言えますが、敷パッドと違い固定して使用することでずれにくく、敷パッドがずれた場合なども汚れを下に通しにくいと言えます。
ベッドパッドは、マットレスがへたった場合に寝心地を強化してくれる役割のものと、厚手なので吸収した汗をマットレスに伝えにくい役割のものがあります。
マットレスプロテクターは、文字通りマットレスを保護するもので、マットレスの寝心地の良さを確保するものとなります。
こうして用途や役割を見てみると、順番通りに並べる意味も見えてきますよね。
特に肌に触れる部分は、触り心地や寝心地を良くするために優れた効果があり、寝ている間にかいた汗や皮脂は下に伝わらないように幾重にもカバーされています。
このような寝具を使用することで、全体を支える大切なマットレスはきちんと保護されて、長く使えるようになっているのですね。
ベッドの寝具で最低限必要なのは?
寝具のそれぞれに重要な役割があるのはわかりましたが、順番に見ていくと用途が重なっているものが多いとは思いませんか?
そうなると、やはり「いくつかは省いても良いのでは」という気がしてしまいますよね。
確かに一般的な家庭で一式を揃えてしまうと、家族全員分の洗濯をするだけでも大変で、さらにすべての分の洗い替えを用意するのは収納も多く取ってしまい、少し現実的ではないようにも思えます。
前述したセットの中で、最低限必要になるのはどの寝具なのでしょうか。
まず、敷パッドとシーツはほぼ同じ役割を果たしているので、どちらか1枚でも使用することは可能です。
ベッドパッドは、汗や汚れをしっかり吸収するために用意しておくべきものでしょう。
その点、防水マットレスプロテクターはあれば便利なものですが、ベッドパッドがその役割を担ってくれるので、必ずしも用意しなくても良いものではあります。
つまり、敷パッド(orシーツ)+ベッドパッド+マットレスが最低限必要なものだと言えるでしょう。
ただし、敷パッドはずれやすく、シーツは1枚で使用すると汗などを下に通してしまう可能性があるため、ベッドパッドが汚れやすくなる可能性はあります。
そのため、全てのセットで使用するよりも洗濯の頻度は増えると言えるでしょう。
自分の好みや、洗濯の頻度なども考慮して必要なものを揃えるようにしてみましょう。
夏でも寝具の順番は一緒で良い?
ベッドで使用する寝具の基本はご紹介しましたが、暑い夏は寝具の順番を変える必要があるのでしょうか?
また、寝具の量を減らした方が良いのでしょうか?
暑くても、寝具の量を減らす必要はなく、順番も変える必要はありません。
むしろ、汗を大量にかく可能性も高いため、ぜひセットで使用しておきたいところです。
全てのセットを揃えるのが大変な場合でも、敷パッドとシーツだけは合わせて使用した方が良いでしょう。
さらに、マットレスの下に除湿シートを敷いておくと安心です。
シーツはさらりとした綿100%の素材がおすすめですが、肌に直接触れる敷パッドは接触冷感素材のものもおすすめです。
リネンやリヨセルの敷パッドは、涼しく気持ちの良い素材でありながら水にも強い優れものですので、洗濯の頻度が高い夏にはピッタリの素材です。
綿100%の敷パッドとシーツの組み合わせは、吸湿や放湿と合わせて通気性も良いので、こちらも夏にピッタリと言えますね。
自分の好みで様々な組み合わせを試しつつ、他の季節よりも汗が浸透しやすいことを踏まえて寝具を選ぶようにしましょう。
冬の寝具の枚数と順番は?
さて、それでは冬の寝具はどうなるのでしょうか?
夏は汗をかきやすいから寝具をフルセットで使用しましたが、冬は反対に減らした方が良いのでしょうか。
冬でも寝具の順番自体が変わるということはありませんが、敷パッドやシーツ、さらにベッドパッドの素材によって枚数を減らすということはあります。
冬の寝具で特におすすめしたいのは、ウール・ムートンのベッドパッドやシーツです。
ウールやムートンは、熱伝導率が低いので保温効果があります。
さらに、吸湿性が非常に高いため、寝ている間に多量の汗をかいてもさらりとした寝心地をキープしてくれます。
専門家の方は、その優れた吸湿性により夏の使用さえおすすめすることがあります。
本来は敷パッドやシーツの下にベッドパッドを使用するべきですが、ムートンのものはベッドパッドだけで使用できるものもありますので、そうした場合にはシーツや敷パッドが不要となります。
ただし、ウールのベッドパッドは、側生地が綿やポリエステルのものが多いため、通常1枚で使用することはありません。
上に温かい素材のシーツや敷パッドを使用すると良いでしょう。
そして、冬も床からの冷気と温められたマットレスに温度差が生じ、湿気が溜まりやすくなっているので、除湿シートをマットレスの下に敷いた方が安心です。
ベッドでお布団を敷いて眠りたい時には
ここまではベッドのマットレスを使用する場合の寝具をご紹介してきましたが、ベッドにお布団を敷いて眠りたいという場合にはどうしたら良いのでしょうか。
大体においてベッドとマットレスはセットになっていますが、お布団で眠る方が好きだという方もたくさんいらっしゃいますよね。
そうした場合の寝具は、順番も内容も変わります。
こちらも肌に触れる順でご説明しています。
①敷パッド(orシーツ)
②敷布団カバー
③敷布団
④(必要ならば)除湿シート
以上となり、マットレスは敷かないようにします。
マットレスは、通常お布団を敷かないで使用するのを前提に設計されています。
一方お布団は畳くらいの硬さで眠ることを想定して作られています。
この二つを重ねてしまうと、やわらかすぎる寝心地のために身体が沈みこみすぎて、寝返りは打ちにくく身体も痛める可能性があります。
また、マットレスと敷布団の間に熱気がこもり、カビやダニの原因を増やすこととなります。
ただし、一般的なベッドフレームに直接お布団を敷くことは、フローリングの床と同じように硬すぎて身体が痛くなることも考えられます。
もし、最初からお布団を使用する予定でベッドを購入するならば、畳ベッドやすのこベッドなどお布団に向いているベッドフレームを選ぶと良いですね。
順番を守って身体も寝具も保護しよう
ベッドの寝具を正しい順番で敷くことは、寝具を長持ちさせるだけではなく、私たちの身体にとっても一番眠りやすい形となっているのです。
前述した通り、暑い時は通気性や吸湿性、寒い時は保温力などと快適に眠るための細やかな配慮がされています。
毎日を快適に過ごせるように、寝具の順番を正しく守って気持ち良く眠り、一日の疲れを癒してくださいね。