「お布団を切ると可燃ゴミとして捨てられる」と、自治体の広報などで読んだことはありませんか?
自治体がお布団カットを推奨するのは、お布団のかさを減らして、ゴミを捨てる回数を減らすのが目的です。
それによってカラスや猫の被害を減らしたり、ゴミ捨て場に戻るための費用を節約できるからです。
出す方としても、粗大ゴミ代を節約できるなら嬉しいですね。
ただ、ゴミ捨て方法は全国一律ではありません。
ここでは、違いや注意点を少しご紹介しましょう。
自治体によって違うお布団ゴミの回収システム
お布団は燃えるゴミですから、自治体で定めたゴミ袋に入りさえすれば、基本的に日本全国どこでもそのまま回収してもらえます。
特大サイズのゴミ袋1枚に入るのは、シングルの敷布団なら3分1から4分の1くらいですから、2回から4回、はさみを入れればなんとかなるでしょう。
ですが、ゴミ袋が何袋にもなってしまっては、回収をスムーズにするために切る、という意味がなくなってしまいます。
大量にゴミを出す時は「粗大ゴミ扱い」になる自治体がほとんどですから、可燃ゴミに出す場合は2回くらいに分けた方が無難かもしれません。
しかし、これはあくまで一般的な例です。
自治体の中には、全く別の方法で回収しているところも多いのです。
ご自分の市町村の広報をよく読んで、本当にそれでいいのかということを確認しておかないと、回収してもらえなかったり、余計なひと手間だったりします。
例えば、港区では、どんなゴミでも30cm以下にしなければならないという厳しい大きさの制約があるので、お布団は事実上、粗大ゴミ扱いです。
また、可燃ゴミでも切る必要の全くない自治体もあります。
尾張市では多少お布団がはみ出ていても持って行ってもらえますし、さいたま市では90cm以下なら縛って袋に入れて収集所に置くだけで大丈夫です。
色々な方式がありますが、どれもスムーズなゴミ回収のためですから、自治体の規格に沿った方法でお布団を処理してくださいね。
お布団を切るなら裁ちばさみを準備しよう!
先程の項で、お布団であっても自治体で定められたゴミの回収方法に則れば、基本的には回収してもらえるということが分かりましたね。
お布団を切る必要がない場合はいいですが、切る必要があるところもあります。
それでは、一般的な切る場合について考えていきましょう。
お布団を切って可燃ゴミとして出すなら、必要なのは当然はさみです。
しかも、文房具の紙を切るはさみではなく、裁縫用の裁ちばさみが必要です。
なぜなら、お布団の綿はいわば布の原材料なので、布用のはさみでなければうまく切れないのです。
普通、どのご家庭にもある文房具用はさみは、紙切り専用のはさみです。
紙は繊維が短く、糊で固めたようにしっかりつながっているので、刃が楽に入っていきます。
一方、布は繊維が固くて長く、糸同志のつながりが緩いので、切れ味が悪いと繊維が逃げていってしまいます。
ですから、裁ちばさみには1回で布にがっちり食い込むような、かみ合わせのいい鋭い刃が付いています。
しかし、紙用のはさみにはそこまで求められていないので、布を切る時には役不足になってしまうのです。
もし、紙用のはさみを使いたい場合には、綿をピンと伸ばした状態で少しずつ切っていけば繊維を逃がさずに切ることができます。
嬉しいことに、最近は裁ちばさみも100円均一のお店で売っています。
裁ちばさみを持っていない方や、大切な裁縫用の裁ちばさみをナマクラにしたくない方は、1本買ってスピードアップを狙ってはいかがでしょうか。
お布団を切る時の注意点
切る時はゴミ袋サイズに小さくするだけなので特に気をつけることもありませんが、あえていうならホコリに気をつけましょう。
・ホコリをできるだけ出さないように、作業を早く終わらせる
・出たホコリが広がらないようにする
この2つに気をつければ大丈夫です。
裁ちばさみを使う場合は、お布団にそのままはさみを入れても問題なく切れますので、ホコリもそんなに立ちません。
しかし、紙用のはさみを使う場合は、お布団の皮の布と中綿を別々に切った方が作業が早く進みます。
そして、中のホコリが綿から直接出てきますので、こまめに掃除機をかけながらマスクをして作業をしましょう。
作業を早めるために手でちぎったり裂いたりする方法もないわけではありませんが、中綿が露出しているので、ホコリが立ちやすくなっています。
できるだけお布団を大きく動かさないように気をつけてください。
また、お布団の種類でいえば、羽毛布団は切るのに向きません。
なぜなら、切れば部屋中に羽毛が散ってしまうからです。
羽毛布団の場合は、諦めて粗大ゴミにするか、処理センターに持ち込んでください。
切って可燃ゴミ?それともゴミの持ち込み?
お布団を切るのも、1枚ならまだ何とかなりますが、2枚3枚となると大変な作業です。
もし、有料のゴミ袋を使う地域であれば、処理センターに持ち込んだ方が手間もかからず、安くあがることが多いようです。
1番多いのは、事前に処理センターに連絡の上で持ち込み、10kg単位で料金を払うというシステムです。
例えば、千葉市の場合では、
45Lのゴミ袋:1枚36円
持ち込み:10kg270円
となっています。
仮に、お布団1枚にゴミ袋が3枚必要だとすれば、1枚当たりのゴミ捨て代は108円ですね。
これがお布団2枚になれば216円、3枚なら324円ですから、手間を考えると2枚以上なら持ち込んでも値段的にはそう変わらないようです。
他の自治体の例を挙げると、北九州市は10kg100円、藤沢市は70円と、持ち込めるなら持ち込んだ方がゴミ処理代が安くなる地域はあちこちにあります。
そういう地域であれば、ホコリまみれになって切るよりは、自分で処理センターに持ち込んだ方が健康のためにはいいかもしれません。
しかし、いきなり行っても引き取ってもらえないので、事前に連絡し、日時を確認してから持って行ってくださいね。
お布団の下取りで切らずに無料処分
全国には、ゴミ袋に料金がかからない地域が意外にたくさんあります。
しかし、大阪市や港区のように、ゴミ袋は無料でも、30cm以上のゴミは粗大ゴミ扱いになるという自治体もあります。
お布団を30cm大に切ることを考えると、それだけで頭が痛くなってしまいますね。
しかし、そんな時の選択肢として、お布団を下取りに出すことを検討してみましょう。
お布団を処分したい時というのは、普通は、古くなったお布団を買い換えたい時ではないでしょうか。
買い換えであれば、同じ種類のお布団を「引き換え」という形で下取りしてくれるお店がたまにあります。
新しいお布団を揃えたい時は、まずお店に古いお布団を引き取ってくれるかどうか確認してから買うようにしてみましょう。
うまくいけば、手間をかけずにお布団を処理することができます。
どうせ切るなら自宅用にリサイクル!
もし、ご自宅でリサイクルを考えるなら、古いお布団はペットのベッドになってくれます。
特に敷布団は厚みがあってしっかりしているので、人間にはへたって痛いお布団でもペットには十分な厚さのベッドになります。
大型犬のいるご家庭ではベッドが高額になりがちですが、敷布団を半分に切ってすそをまつるだけで、タダで柔らかなベッドのできあがりです。
一緒に古い布団カバーも半分にすれば、簡単にファスナー付きのペット用ベッドカバーもできます。
もっと小さくペットキャリーのサイズに切って底に敷けば、病院へ向かう時、具合の悪くなったペットを寒さから守ってくれるでしょう。
また、座るだけなら人間にも使えます。
キャンプ好きの方なら、敷布団を4分の1サイズに切れば、車のカーゴルームやベンチの座布団になってくれます。
同じものをこたつの周りにぐるりと敷けば、大人数でもはみ出さず、仲よく隣り合って座ることができます。
何より嬉しいのは、サイズが小さくなっているので洗濯機で楽に洗えることでしょう。
ゴミにしようと思っていたものですから、汚れても傷んでも、あまり気になりません。
それに、ペットの喜ぶ顔や、キャンプでどう使うかを考えると、お布団を切る大変さも半減します。
楽しくお布団を処分することができますので、ペットがいたり、キャンプのご趣味のある方は、1度試してみてはいかがでしょうか。
お布団を切って節約!地域に貢献しよう
お布団は、どの自治体でも大きすぎて回収に困っている、燃える粗大ゴミです。
普通はお布団を切るなどとはなかなか考えないものですが、「切れば可燃ゴミに出せる」と広報に書く自治体が増えて、切ってみようと思う方も増えてきているようです。
実際、やってみると思ったより簡単です。
少し頑張るだけで節約できて、ゴミ収集のお手伝いにもなるのです。
捨てるしかないお布団が出てきたら、ぜひトライしてみてくださいね。