羽毛布団は、夏でも冬でも使える優秀なお布団ですが、1年を通して使用する事ができる分、季節の変わり目などで洗いたくなる人も多いのではないでしょうか。
しかし、クリーニングに出すと手間やコストがかかるので、洗濯機で対応できるなら家で洗いたいものですよね。
今回は、「羊毛布団は家の洗濯機で洗っても大丈夫?」、「脱水や乾燥方法はどうすれば良い?」などの疑問についてお答えします。
羊毛布団の特徴やケアについて
ウールと呼ばれる羊毛には、どのような特徴があるのでしょうか。
洗濯機で洗う前に、羊毛の特徴について知っておきましょう。
羊毛は、その名の通り羊の毛を使用していますので、繊維自体がタンパク質で構成されています。
羊毛の繊維は、繊維の表面がうろこ状になっており、クリンプと呼ばれる独特の縮れによって、吸水性、放湿性、保温性が保たれているため、夏は涼しく、冬は暖かく使用する事ができます。
さらに羊毛は、弾力性も持ち合わせているので、寝具にはぴったりの素材であり、肌の弱い方や赤ちゃんでも使用する事ができる優秀なお布団であるといえますね。
また、他の天然繊維や化学繊維からできたお布団は、お布団の中でダニが繁殖しやすいのですが、羊毛布団の場合は、お布団内にダニが繁殖しにくいため、ケアに手間がかからないというメリットもあります。
ただし、お布団内での繁殖はしにくいものの、お布団の表面にダニがつく事もありますので、時々はお布団を乾燥させたり、短時間の天日干しをするようにしましょう。
羊毛布団は洗濯機で洗っても大丈夫?
羊毛布団は、1年を通して使用するため、時々は洗濯したくなりますよね。
高級なお布団なので、クリーニングに出すと安心できますが、持ち運ぶ手間やコストがかかってしまう事を考えると、なかなか面倒ですよね。
できれば、手間もコストもかからない家での洗濯が一番良い方法なのではないかと思いますが、実際はどうなのでしょうか。
実は、羊毛布団は、基本的に家の洗濯機で洗う事は避けたほうが良いといわれています。
なぜなら、洗濯機のような激しい圧力や負荷で洗濯してしまうと、羊毛の繊維は収縮してしまう性質を持っているからなのです。
収縮してしまうと、繊維は固くなってしまうため、お布団内で片寄ってしまいます。
片寄って固くなってしまうと、弾力性が失われるばかりか、吸水性、放湿性、保温性の機能も大幅に低下してしまう事になります。
ですから、基本的に羊毛布団は洗濯機では洗う事はおすすめできません。
しかし、薄手の羊毛布団の場合は、洗濯機の使用ができる物もあります。
もし、ご自宅に薄手の羊毛布団がある場合は、まずはお布団の表示を確認してみましょう。
表示に、「ウォッシャブル」と記載があれば洗濯は可能です。
薄手の羊毛布団がある場合は、まずは表示を確認してから洗濯をするようにしましょう。
羊毛布団を洗濯機以外で!自宅での洗い方と注意点
羊毛布団でも、薄手の物なら洗濯機で洗える事が分かりましたね。
欲をいえば、薄手以外の羊毛布団も自宅で洗えたら嬉しいですよね。
では、洗濯機の使用ができない厚手の羊毛布団の場合、自宅ではどのように洗えば良いのでしょうか。
厚手の羊毛布団は、洗濯機で洗うと繊維が正常に機能しなくなるほど傷んでしまいますのでおすすめはできませんが、手洗いでなら自宅で洗う事が可能です。
ここで、洗濯に関する注意点がありますのでご説明します。
【厚手の羊毛布団の手洗いの注意点】
〇もみ洗いはしない
羊毛布団は、同じ個所を何度ももみ洗いしてしまうと、繊維が固くなってしまいますので注意しましょう。
〇強い圧力
繊維の汚れを取ろうとして、強い力で踏むなどしてしっかり洗ってしまうと、もみ洗い同様、繊維が固くなってしまいます。
また、強い圧力で洗う事は、繊維がよれて弾力性を失う原因になりますので、注意が必要です。
羊毛繊維は、繊維と繊維の間に空洞がある事で弾力性や保温性を保っていますので、手洗いする時は、優しく洗う事を意識しましょう。
繊維を傷つけないためにも、お布団表面の汚れを取るように、軽く手洗いするのがポイントです。
また、洗濯時に使う洗剤は、すすぎの際に残ってしまわないように、液体洗剤を薄めて使うようにしましょう。
羊毛布団は洗濯機の脱水を使っても良い?
羊毛布団でも、自宅で洗える事が分かりましたが、脱水はどのようにすれば良いのでしょうか。
厚手の場合は、お布団に含む水分も多いため、ついつい洗濯機の脱水を使ってしまいたくなりますが、これはおすすめできません。
なぜなら、回転による強い圧力で繊維がよれて傷ついてしまうからです。
せっかく丁寧に手洗いしたのに、最後を洗濯機の脱水で繊維を傷つけるわけにはいきませんよね。
手洗いして、よくすすいだあとは、ゆっくりと踏んで水分を出しましょう。
乾かす時間の事を考えると、早く脱水を済ませたくなりますが、急ぐと強い力で踏み込んでしまうため、繊維にはよくありません。
脱水作業は、焦らずゆっくり時間をかけて行うようにしましょう。
また、薄手の羊毛布団の脱水は、洗濯機が使用できるだけあって脱水も通常使用で構いませんが、気になる場合は、軽めに済ませて乾かすと良いでしょう。
羊毛布団の干し方とコインランドリーでの乾燥機使用について
羊毛布団を手洗いする時は、力を入れずに丁寧に洗うと良い事が分かりましたね。
また、厚手の羊毛布団の脱水は、洗濯機を使用するのではなく、軽く踏んで水分を抜くのが良い事も分かりました。
最後は干し方になりますが、脱水が終わったら天日干してよく乾かしましょう。
通常の湿気取りでは、長時間の天日干しは羊毛には不向きですが、お布団全体を水に濡らして洗った時は、まずは水分を切ってよく乾かした方が良いので、天日干ししてしっかりと水分を抜きましょう。
乾かす際は、2つ折りでも構いませんが、物干し竿を2~3本の上に、少し広げた状態でお布団を置くと、風通しも良くなり乾きも早くなります。
しかし、もしかすると「コインランドリーの乾燥機で一気に乾かそう!」と思う人もいるのではないかと思いますので、ここで、脱水を終えたお布団の乾燥にコインランドリーを使用しても問題ないのかどうかをご説明します。
乾燥にコインランドリーを使用する場合には、重要な注意点があります。
もし、脱水後にコインランドリーを使用する場合は、一度天日干しをして、お布団の水分をしっかり切ってから乾燥機を使用するようにしましょう。
濡れた状態で回転の圧力をかけてしまうと、お布団内の繊維がよれて縮んでしまいますので危険です。
まずは、天日干しをしてしっかり水分を抜いて、ほぼ乾いた状態になってから乾燥機を利用するようにしましょう。
羊毛布団の普段のお手入れ
洗濯機で洗った薄手の羊毛布団も、手洗いをした厚手の羊毛布団も、表示に従った洗い方をしたり、丁寧に洗えば、繊維が縮んだり固くなる事はありません。
乾いた後も、洗濯前と同じように弾力性を持った羊毛布団として使用する事ができます。
洗濯後は、しばらくは洗う必要はありませんが、もしお布団を天日干ししたい時は、短時間の天日干しか、陰干し程度で十分です。
羊毛布団は大変デリケートな繊維ですので、長時間高温に当てると繊維が傷ついてしまいます。
日光に当てて天日干ししたい場合は、30分程度で十分でしょう。
それ以外の場合は、風通しの良い場所で陰干しすると良いでしょう。
せっかくの高級布団ですから、長く良い状態で使用できるように、繊維の特性に応じたケアをするようにしましょう。
洗濯機で洗えない羊毛布団の洗濯工程
1 洗濯機で洗えない羊毛布団を自宅で洗う時は、薄めた液体洗剤で軽く洗う
2 すすぐ時も繊維を潰さないように、丁寧にすすぐ
3 脱水時もすすぎ同様、圧力をかけすぎないようにする
4 干す際は天日干しでよく乾かす
5 コインランドリーの乾燥機を使用する場合は、水分が抜けてからにする
羊毛布団は大変デリケートな繊維なので、表面の汚れを取るように軽く洗うのがポイントです。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。