オフィスの椅子、油圧式やガス圧式タイプ別の故障と修理

オフィスでよく見かける、レバーを上げ下げすると座面の高さが変わる椅子、ありますよね。

便利で使いやすいため、オフィス以外でも自宅で使っているという方もいるのではないでしょうか。

しかしその椅子、ただレバーで上げ下げするだけのものだと思っていませんか?

自分の使っている椅子が油圧式なのかガス圧式なのか、それによって修理や整備も変わります。

ここではそんな椅子についてお話していきましょう。

オフィスの椅子は油圧式とガス圧式の二つ!修理はできるのか

オフィスで使う椅子には、レバーを使うことで座面の高さを変えられるものが主流となっています。

その椅子には主に2種類あり、油圧式とガス圧式と呼ばれるタイプがあります。

油圧式はその名の通り、座面の上げ下げを司る部分が油圧シリンダーでできています。

内部に入っているオイルを、弁を使って上下することで座面の高さを変えることができます。

価格はそれほど安くはありませんが、丁寧に扱えば5~10年は使用できるため、コスト面でも重宝します。

しかし、最近ではあまり販売されなくなりました。

なぜならば、もっと低い価格で売り出すことのできるガス圧式の椅子が流行したためです。

ガス圧式は、ガス圧シリンダーを使用した椅子のことです。

内部にあるガスに圧力をかけることで、座面の高さを変更することができます。

油圧式に比べ価格も安く、また修理に必要なシリンダーの交換も自分でできることから現在主流となっています。

しかし、油圧式に比べ座面の高さが変えられなくなる、という故障を起こす頻度が高く、また修理に出すには修理費がかかることから、油圧式に比べるとコスト面では不安が残ります。

それでも、手軽に買い替えができることから、デザインも豊富で現在販売台数は増えています。

油圧式の椅子、これって故障?

油圧式の椅子は油圧シリンダーを上下することで座面の高さが変わると言いましたが、ではどんな時に故障を疑えばいいのでしょうか。

油圧式の椅子の故障で一番多いのが、油圧シリンダーからのオイル漏れです。

長年使用しているとシリンダー内部のパッキンが劣化し、そこからオイルが漏れてきます。

椅子のある床にオイルが垂れていることで気づくことが多い事例です。

また、オイルが漏れていなくても自然と座面が下がってきてしまうのも故障の一つです。

この場合も内部のパッキンの劣化で高さが保てず、自然と下がっていってしまいます。

緩やかではありますが、徐々に座面が上がらなくなってくるので早急な対策が必要です。

油圧式の椅子の代表的な故障の例はこの二つですが、ではこの故障を自分で修理することはできるのでしょうか?

油圧式の椅子の修理はできるのか?

油圧式の椅子の故障には油圧シリンダーからのオイル漏れと、自然に座面が下がってきてしまうという二つの事例をご紹介しましたが、これらの故障を自分で修理することはできるのでしょうか?

実は、油圧式の椅子の修理は、自分ではできないのです。

油圧シリンダーの内部は、一度分解してしまったら自分で直すことはできません。

そのため、販売元、もしくは製造元へ修理を依頼するしかありません。

しかし、コストがかかる面から買い換えることも検討した方がいいでしょう。

買い替えるまでの応急処置としては、オイルが漏れている箇所をタオルやウエスで覆い、オイルが床にこぼれるのを防ぐ対応をしましょう。

また、自然に下がってしまう座面については、下から添え木のように支えてあげることで下がることは抑えられますが、あくまで応急処置なので早急な修理、または買い替えが必要です。

ガス圧式の椅子の故障の目安とは

ガス圧式の椅子の故障は、油圧式のものとは違い、多くは座面の高さのコントロールができなくなるものです。

何もしていなくても自然と座面が下がっていってしまい、どれだけレバーを引いても上がらなくなるというのが特徴です。

また、上がっていたはずの椅子に座った瞬間に下がってしまうということもあります。

これはガス圧シリンダー内のガスが使用中にどんどん減っていってしまい、圧力が保てなくなるためです。

ガス圧シリンダーの内部のガスは使用していなくても自然と減っていってしまうものですが、使用していると減りも早くなります。

このように座面が下がってしまうのはガスの圧力による故障です。

また、反対に上がりきった座面が下がらないことがあります。

これは故障ではなく、座面を下げるための重さが足りない場合に起こります。

取り扱い説明書などに記載されているのですが、40㎏以上の負荷がかからないとガス圧式の椅子は座面が下がりにくいのです。

この場合は、上がりきってしまった座面に40㎏以上の体重をかけレバー引くことで座面が下がっていきます。

このようにガス圧式の椅子の故障は自然と下がっていくものなのですが、自分で修理することはできるのでしょうか?

ガス圧式の椅子、修理は自分でできるのか

先ほど、ガス圧式の椅子の故障はガスの圧力不足による座面の高さを保てないことだと分かりました。

では、ガス圧式の椅子は自分で修理できるのでしょうか?

故障の原因がガスの圧力不足であれば、ガス圧シリンダーを交換することで修理することができます。

その際、必ずその椅子に合ったシリンダーを選ぶことが大切です。

一般的なガス圧式シリンダーであれば、3000円〜とお手ごろですが、メーカーによって形が違うこともあるのでまずは製造元に問い合わせてみることも大切です。

そして、自分で修理する際に外してはいけない部分や部品など、重要なことがたくさんあるので取り扱い説明書に必ず目を通してください。

修理を行う場合は座面を外し、シリンダーを交換するのですが、あまりに金額の安いシリンダーではガスがすぐ抜けてしまうなどの不具合も生じやすいため、椅子自体の買い替えも視野に入れてみましょう。

油圧式は自分で修理することができませんが、ガス圧式でしたらこのように自分で修理も可能です。

ガス圧式の椅子で起こった事故と対策

中国で使われていたオフィスチェアで、爆発事故が起きたという事例があります。

この事故に使われていた椅子は油圧式だと言われていましたが、本当はガス圧式の椅子でした。

原因はシリンダー内のガスがなんらかの理由で爆発を起こし、部品が座面を突き破り座っていた人に突き刺さるという悲惨なものでした。

このような事故があると思うと扱いたくなくなると、思ってしまう方もいることでしょう。

では、日本で使われているガス圧式の椅子で同様の事故は起こりうるのでしょうか?

現在、日本で使われているガス圧式シリンダー内部のガスは、窒素ガスが使用されています。

このガス自体は不燃性のものなので、爆発事故が起きる可能性は低いと言えます。

しかし、ガスが不燃性であってもそれが入っているシリンダーには圧力が常にかかっており、ガスが膨張することで破裂の危険はあります。

それを防ぐためにも、ガス圧式シリンダーのついている椅子の近くで暖房器具を使うのは避けましょう。

また、椅子の値段だけで決めるのではなく、品質保証書がついている安全の確認された椅子を購入するようにしましょう。

保証がされていれば修理依頼も保証期間内であれば安く済んだりと、のちのトラブルにも対処がしやすくなります。

極端に安価な椅子を選ぶのは避け、安全の保障のある椅子を選ぶことも重要です。

油圧式もガス圧式も、椅子は正しく使おう

いかがでしたか?

オフィスで使われる高さの変えられる椅子について、油圧式とガス圧式があること、その二つの椅子の故障と修理についてお話ししました。

どんな製品も便利ですが、正しく使わないと思わぬ事故の原因になります。

使用する環境にも注意を払い、安全に使いましょう。