最近の住宅は、畳の和室よりフローリングの洋室が多くみられます。
お布団派の人は、直接、フローリングにお布団を敷いて寝ている人も少なくありません。
しかし、直接お布団をフローリングに敷いて寝るのは、体にもお布団にも良いことではありません。
そこで、おしゃれな琉球畳を使って、フローリングでもお布団で寝れる、和モダンな空間を作ってみましょう。
フローリングにお布団を敷くのは危険
フローリングに直接、お布団を敷いて寝ていると、さまざまな問題が発生してきます。
たとえば、硬いフローリングにお布団を敷いて寝た場合、腰の部分には空間ができ、睡眠中に腰や背中に負担をかけて痛めてしまいます。
なぜなら、フローリングが体重の重さをそのまま跳ね返してしまい、寝返りの回数を減らしてしまうからです。
それによって、寝ている時の体重の分散や、筋肉をほぐすために行う寝返りがうまくできず、筋肉が固まってしまうのです。
加えて、お布団が通気性のよいものでも、硬いフローリングには通気性がありません。
寝ている間にかいた汗をお布団が吸湿しても、排湿ができなくなります。
まさに、カビが喜ぶ環境を作っているのです。
このフローリングに敷いたお布団の中は、カビが発生する温度20度から25度、湿度が65%以上の環境に当てはまります。
つまり、人が寝ている時にかく約コップ1杯分の汗が、お布団とフローリングの間に留まり、カビが増え続けてしまうのです。
このような事態を避けるためにも、フローリングに直接お布団を敷くのは止めて、琉球畳を置き畳に使ってお布団を敷いてみてはどうでしょうか。
フローリングの置き畳に使える琉球畳ってどんな畳?
では、フローリングの置き畳として使える、琉球畳とはどんなものなのでしょうか。
通常、畳の素材は井草ですが、本来の琉球畳に使われる井草は、カヤツリグサ科の「しちとうい」と呼ばれる、沖縄を中心として栽培されている井草です。
耐久性はとても強く、農家の居間や商店などで使われていましたが、近代では畳の中でも高級品として認知されています。
その耐久性の秘密は、独特の目が細かさにあり、一山に1本の経糸が使われているため、強度は井草の数倍と言われています。
この織り目は、普通の畳と比べてもひと目でわかるほど、細かく編み込まれています。
そのため、人の出入りが多い商店や、昔の農家の居間で使うお布団の摩擦などにも耐えられるため、使われてきたのです。
また、三角の断面で泥染めをしていない、乾燥してから織られいることなどや、触り心地や臭いにも特徴があります。
しかし、最近の琉球畳と呼ばれているものは、この「しちとうい」はあまり使われておらず、合成繊維や和紙、井草を使っているものがほとんどです。
そのため、本来の琉球畳のように、縁の無い畳や正方形の畳・縁のない半畳タイプの畳のことを琉球畳と呼んでいることが多いのです。
琉球畳は、縁が無くすっきりとした独特なイメージがあるので、和室だけではなく、洋室にも使われることが多くなっています。
琉球畳のメリットとデメリット
琉球畳は、フローリングのある洋室に使うと、おしゃれなモダンな雰囲気を出すことができて、インテリアの一つにもなっています。
その反対に和室に使用すると、和室のよさを引き立ててくれる効果を果たしてくれます。
また、畳の目を意識して配置すると、全体のバランスもとりやすくコーディネートを楽しむこともできます。
たとえば、和室続きのLDKなどに使うと程よいアクセントになり、和モダンな雰囲気をアピールすることができます。
さらに、半畳の縁のない琉球畳は、部屋を広く見せる効果があります。
そして、耐久性に富んでいるため、お布団の上げ下げなどで起こる摩擦に強いので、通常の畳に比べると傷みは少ないそうです。
この強靭な琉球畳は、お布団の上げ下げで起こる摩擦などには程遠い、激しい稽古が行われる柔道の道場にもよく使われています。
しかし、琉球畳の縁のない部分は、中心部分よりも強度は劣ってしまいます。
また、総合的にみると魅力がある琉球畳なのですが、一般的な畳に比べて価格は高くなります。
これは、琉球畳の製造過程の、曲げや裁断などの難しい加工技術を伴うために価格が高くなっているそうです。
そして、「しちとうい」や天然井草を100%使っているものは、化学繊維や和紙を使っているものと比べて、2倍以上の値段になる場合もあります。
お布団を敷いてもさまになる琉球畳を選ぼう
では、高価な「しちとうい」や天然井草を使ったものではなく、手軽に置ける琉球畳にはどんな種類があるのでしょうか。
フローリングに琉球畳を置いて、その上にお布団を敷いて寝るだけでなく、日中もインテリアの一つとして使えるといいですね。
インテリアとしての効力を考えるなら、デザイン性のある化学繊維や和紙で作られているものを選んでもいいでしょう。
この琉球畳は、色の種類が豊富で、好みの色を選ぶことができます。
そして、色あせしにくく、汚れも落としやすい上、ダニやカビも発生しにくいので、きれいな状態を長く保つことができるという利点もあります。
また、化学繊維のものは、安全基準を満たしているので健康面でも安心です。
しかし、色の種類が豊富で天然井草を織り込んでいる琉球畳は、半畳サイズでも1枚約25000円程度と高額です。
そのため、コストを落としたい人は、色の選択はしなくても琉球畳の持つ、細目の織り目を活かしたものでもいいでしょう。
琉球畳を敷く方向を変えるだけで、独特な味のある市松模様を作ることができます。
これは、お布団が敷ける4畳半の小さなスペースなら、半畳タイプ9枚で作ることができます。
こちらは1枚18000円程度で、少しコストを抑えることができます。
また、特殊加工されていない元々の、天然井草の風合いを味わいたいなら、一般的な井草を使った琉球畳でもいいかもしれません。
これは、耐久性や抗カビ、ダニ効果に欠けますが、価格は同様の1枚18000円程度で市松模様を楽しめます。
フローリングに琉球畳を敷いてみよう
どうしても価格に妥協できない場合は、通販サイトに手頃な価格で販売されている琉球畳も販売されているので、検討してもいいかもしれません。
いずれの琉球畳でも、お布団を敷いて寝る場合には、琉球畳の厚みは30ミリ前後がおすすめです。
この程度の厚みは、お布団を敷いて寝る時や日中でもフローリングとの段差がほとんど気になりません。
逆に、厚みがあるものを敷くと重量感がでて、落ち着きのあるモダンな雰囲気を演出することもできます。
そして、琉球畳を敷く範囲は、フローリング全面でもいいのですが、部分的な置き畳にすることだけでも、おしゃれな洋室にすることができます。
さらに、日中はお布団をたためば、市松模様が独特の琉球畳らしさを主張してくれます。
そして、畳には防音効果があり、子どもが遊ぶスペースや趣味などができるフリースペースにすることができます。
しかし、1人暮らしのワンルームでは、どうしてもお布団を敷きっぱなしになりがちです。
その場合は、フローリングと琉球畳の間に、厚めのすのこなどを上手に使い、小上がり風のお布団スペースにしてもいいかもしれません。
これなら通気性もさらによくなります。
琉球畳とお布団の手入れも忘れずにしよう
琉球畳を敷くことで、フローリングにお布団を敷いて寝るよりも体に負担がかからず、快適に寝ることができるでしょう。
しかし、忘れてはならないのがお手入れです。
どうしても、琉球畳とフローリングの間や、琉球畳同士のつなぎ目の間に、ほこりが溜まりやすくなりがちです。
すき間の掃除は忘れずにしましょう。
また、市松模様に配置している場合は、そのまま畳を引きずると、フローリングに傷がついてしまう可能性があるので注意しましょう。
そして、畳の通気性を過信せず、お布団の上げ下げはできるだけ毎日し、定期的に畳を上げて、風通しをしておくといいでしょう。
風通しをする時は、天気のよい日に陰干しをするようにしましょう。
うっかり、天日干しをしてしまうと、畳表が焼けてしまいせっかくの琉球畳も台無しです。
その他では、琉球畳を拭く時は、必ず乾拭きで畳目に沿って拭くようにします。
カビを生やしてしまう原因になるので、濡れた雑巾や布では拭かないようにしましょう。
同じ様に、掃除機をかける時にも、畳目に沿って優しくかけてあげましょう。
琉球畳の目に逆らって掃除機をかけてしまうと、表面を傷めてしまうので注意しましょう。
琉球畳でいい夢みよう!
フローリングの部屋でも、琉球畳を使えば体にも優しく、気分も落ち着けることでしょう。
さらに、琉球畳そのものが持っている独特の雰囲気が、和モダンなインテリアになるのです。
こんな素敵な空間で、寝ることができるならきっと、毎日いい夢をみることができることでしょう。