産まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜問わず眠ったり起きたりしますよね。
夜中に何度も赤ちゃんに起こされた、という経験もあるかと思います。
産後は夜泣きや授乳等で、慢性的な寝不足に悩まされる方も多いでしょう。
今回は、そんな赤ちゃんの睡眠リズムのサイクルについてご紹介します。
生まれたばかりの赤ちゃんの睡眠リズムは?
産後間もない赤ちゃんには、睡眠リズムはあるのでしょうか?
ここでは、新生児期の赤ちゃんの睡眠についてまとめました。
・新生児期の睡眠時間は16~18時間
新生児期の赤ちゃんは、1日の大半が睡眠時間となります。
平均睡眠時間は16~18時間ですが、長い子は20~22時間も眠る子もいます。
それ以外はミルクを飲む・おしっこやうんちをする、といったサイクルとなっています。
このころは、昼夜の区別や睡眠リズムは出来ておらず、赤ちゃんによっては、よく眠る子もいればあまり眠らない赤ちゃんもいます。
また、この時期の赤ちゃんは、昼夜問わず起きてしまいます。
・生後1~2ヶ月頃から睡眠時間はだんだん短く
新生児期を過ぎると、少しずつ睡眠時間は短くなっていきます。
1日の平均睡眠時間は14~15時間程度となります。
だんだん大きくなるにつれて、哺乳量も増えるため、少しずつまとまった睡眠がとれるようになってきます。
しかし、小さな物音に反応してしまったり、抱っこで寝かしつけてからベッドへ寝かせようとすると起きてしまう「背中スイッチ」と呼ばれるものが発動するのも、この頃からが多いようです。
この頃はまだ睡眠が浅いため、些細なことに反応しやすい時期と言えます。
睡眠のリズムがだんだん整ってくるのはいつ頃?
上記では新生児期の赤ちゃんの睡眠についてご紹介しました。
では、いつ頃から睡眠リズムは整ってくるのでしょうか?
・3~4ヶ月頃になるとメラトニンが作れるようになる
メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれ、覚醒と睡眠を切り替えるホルモンのことを言います。
生後3~4ヶ月頃になると、自らメラトニンを作りだせるようになるため、昼夜の区別がつくようになり、睡眠の質が良くなってきます。
また、質の良い睡眠がとれるようになるため、まとまった睡眠がとりやすくなります。
・生後4~6ヶ月頃から生活にメリハリを
1日の生活リズムがだんだんつき始める4~6ヶ月頃から、少しずつ規則正しい生活リズムをつけてあげましょう。
メラトニンの分泌を促すためにも、朝起きたら日光を浴びる・お風呂の時間を決める・就寝時間を決めて睡眠環境を整える等工夫をしてあげると良いですね。
しかし、まだリズムにばらつきのある時期なので、無理してリズムを整えようとせず、少しずつ習慣づける感覚が望ましいです。
赤ちゃん時期の睡眠の特徴とは?
上記でもお伝えした通り、赤ちゃん時期の睡眠状態は大人とは全く異なります。
では一体、どのような違いがあるのでしょうか?
・睡眠サイクルの切り替え方
大人も子どもも、一晩に何度かは睡眠サイクルの切り替え時に目を覚ましています。
その際、大人は切り替えがうまく出来ますが、赤ちゃんはまだ睡眠が未熟なため上手く切り替えが出来ず、夜泣きをしてしまいます。
睡眠のサイクルとは、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のことを言います。
「レム睡眠」とは浅い睡眠に近い眠りの状態で、この時に脳は記憶を整理します。
反対に「ノンレム睡眠」は、脳を休めるための眠りで、大脳皮質や交感神経などを休ませ、記憶の定着やストレスを取り除く働きが行われています。
人は眠っている間に、このレム睡眠とノンレム睡眠を交互に切り替えるのですが、大人はこのサイクルが90分間隔なのに対し、赤ちゃんは50分間隔と言われています。
この睡眠のリズムが上手く切り替えられない、月齢の浅い赤ちゃんほど、夜泣きの回数が多くなるのです。
・寝ついた時と状況が変化している
「眠る時はママの腕の中だったのに、目が覚めたらお布団の上にいる」
この状況に、赤ちゃんが不安を覚えて泣いてしまうということも、夜泣きの一因となっている場合があります。
その際に、泣いてママを呼び、眠りについた時と同じ状況を作ってもらおうとします。
また、本能から、眠りについている間も周りに異常がないか確認をしているとも言われています。
赤ちゃんの夜泣きは、上記の要因であることが多いようです。
赤ちゃんの睡眠不足がもたらす影響は?
赤ちゃんはよく寝るイメージがありますが、個人差もあります。
また、気づかないうちに大人の生活リズムに合わせてしまっている、ということもあります。
赤ちゃんの時期の睡眠不足は、どのような影響があるのでしょうか。
・脳の発達に影響をもたらす
大人も子どもも、脳の疲れは睡眠でしか回復させることが出来ません。
特に赤ちゃん~幼児期は、外部から様々な刺激を受け発達する時期のため、睡眠で脳を休ませ、記憶を整理することが大切になってきます。
しかし、睡眠不足の状態になってしまうと、記憶力の低下・情緒不安定・風邪を引きやすくなる、といった症状を引き起こしてしまいます。
また、睡眠時間が短くなるほど、脂肪を分解する働きを持つ成長ホルモンの分泌量が少なくなり、脂肪が体に溜まりやすくなってしまいます。
・夜更かしの赤ちゃんが増えている
世界的に見てもアジア圏(特に日本)は赤ちゃんの睡眠時間が少なく、就寝時間が遅いという統計が出ています。
原因の一部としては、親の生活リズムやテレビ・スマートフォンの普及で外部からの情報やブルーライト等の刺激が多いことなどが挙げられています。
全てを一度に変えるのは難しいですが、少しずつ睡眠のとりやすい環境を整えていけるように心がけましょう。
規則正しい生活リズムをつけやすくするには?
新生児期を過ぎ、赤ちゃんもだんだん動けるようになってくると、今度は生活リズムや睡眠時間を意識するようになりますよね。
しかし、どのようなリズムをつければ良いのか、初めのうちは戸惑ってしまう方も少なくないと思います。
そこで、赤ちゃんたちが成長と共に、どのような生活リズムを送るようになるのかをまとめましたので、参考にしてみましょう。
・生後1~2ヶ月
この頃は、上記でご紹介したように一日にほとんどを眠って過ごします。
・3~5ヶ月
昼夜の区別がつき、授乳のリズムが整ってきます。
この頃から、少しずつ生活リズムがつけられるようになってきます。
起床時間・朝寝や昼寝の時間・就寝時間などのリズムがだんだんついてくると、授乳の時間や回数も少しずつ整ってきます。
・6~8ヶ月
首もすわり、体もしっかりとしてくる頃です。
離乳食も少しずつ食べられるようになってくるので、消化やアレルギーの有無を考え、午前の授乳時間に離乳食を追加してみましょう。
また、体を動かせるようになるので、日中はおもちゃなどでたくさん体を動かして遊ばせてあげることで、夜もぐっすりと眠れるようになります。
おもちゃ遊びなど、たくさんのものに触れて五感が刺激される時期なので、脳も活性化されていきます。
・9~11ヶ月
離乳食も3回食になり、食事の時間を決めやすくなってきます。
また、ハイハイやつたい歩きが出来るようになる赤ちゃんもいます。
排せつのリズムもつき、体力がついてくるため朝寝の時間も短くなってきます。
運動量がさらに増えるため、夜はぐっすりと眠る赤ちゃんが増えてきます。
もちろん赤ちゃんによって個人差はありますので、赤ちゃんの成長ペースに合わせてリズムを作っていくのが理想です。
赤ちゃんに心地よい睡眠のために出来ることは?
上記から赤ちゃんの睡眠リズムの大切さが分かってきましたが、眠ってほしい時間にすぐ寝ついてくれることはなかなか難しいと思います。
そのような時に、効果的な入眠儀式と言われるものをご紹介します。
・授乳や抱っこをする
ママのぬくもりが感じられる、授乳や抱っこは入眠にとても効果的です。
抱っこの場合は、ゆらゆらと気持ちの良い動きをつけてあげることで、眠りにつきやすくなるでしょう。
・子守唄や音楽を流す
聞き慣れた声で歌を歌ってあげるのも、安心感を与えられる方法です。
ゆったりとしたテンポで、歌ってあげるのがポイントです。
音楽も、ゆったりとしたテンポの曲やオルゴールを流すと良いでしょう。
・絵本を読み聞かせる
子守歌と同じく、声を聞くことで安心感を与えることが出来ます。
また、一定のトーンで落ち着いて読むことがポイントです。
抑揚をつけすぎてしまうと、入眠の妨げとなることがあるので注意しましょう。
他にも、体をトントンしてあげたり、ぬいぐるみなど好きなおもちゃをそばに置いて心を落ち着かせてあげるのも効果的です。
また、手足などを握って軽くマッサージしてあげると、触れ合っている安心感とマッサージの心地良さが入眠に繋がることもあります。
このようなことを参考に、赤ちゃんに合った入眠方法を探ってみましょう。
無理せず、少しずつリズムを整えよう!
赤ちゃんの睡眠時間の確保や生活リズムを作ることは大切ですが、そればかりを意識して無理をしてしまってはママやパパも疲れてしまい逆効果です。
赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつリズムを整えていけるようにしましょう。
まずは、可愛い赤ちゃんとの楽しい時間を大切に過ごすのが一番ですね。