ここ数年、仕事関連での過労死事件を良く耳にするようになり、大きな社会問題となっています。
その過労死の一番の原因は、睡眠不足であるということも分かってきました。
では、睡眠不足が続くとどのような症状が出てくるのでしょうか。
もし、最近眠れていないと思う人は是非見て下さいね。
睡眠不足と過労は関係がある!睡眠不足とはどんなもの?
皆さん、毎日睡眠はしっかりとれていますか。
残業などで帰る時間が遅くなったり、家に帰宅することが出来ないという話も良く耳にします。
実は、日本は世界と比べて、労働時間が非常に長いとされています。
そして、それと比例するかのごとく、日本の睡眠時間は世界水準と比べると非常に短いということもわかって来ました。
では、睡眠不足に陥るとどのような状態になるのでしょうか。
まず、睡眠とは人間の日中の疲れやその日の出来事を頭の中で整理、リセットする時間です。
その時間が不足してしまうと、身体に溜まった疲れを回復することが出来ず、頭の中を整理することが出来ません。
その結果、集中力が欠けてしまったり、覚えていることを忘れてしまう認知機能、足取りがおぼつかなくなってしまうなどの運動機能がみるみるうちに低下してしまいます。
この状態が続くことで、精神的、肉体的にも過労状態となり、身体にさまざまな症状が現れ、最悪の場合死に繋がる場合もあるのです。
また、普段しっかりと睡眠をとっている人が、2週間毎日の睡眠時間を削るだけで、2日徹夜した時とほぼ同じ状態になるということがわかりました。
このように、睡眠不足は精神的、肉体的にも大変危険なものという理解を知っておく必要があります。
もし、ここ数日睡眠時間が短いと感じる人はなるべく多くの睡眠をとるようにしましょう。
現代の睡眠不足と過労に陥る原因とは
現代の過労や睡眠不足、その原因とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
原因として挙げられる要素は5つ考えられます。
①過労
休日でも会社に出勤して平日と変わらず仕事をする、身体を休める時間が無く、「また明日も仕事か…」という精神的、肉体的な過労が要因としてまずは挙げられます。
②ストレス
睡眠不足、人間関係などの精神的、身体的ストレスも挙げられます。
時間がなくて眠れないことがストレスとなり、そのストレスがさらに不眠症を招いてしまう、という悪循環に陥ってしまうのです。
③パワハラ
パワーハラスメントと言い、上司からの言葉や叱責は、弱った心に特に強い衝撃を与えます。
この3つは、過労死の3大要因と言われる程の過労の原因として挙げられます。
そして、最近もう1つの要因が挙げられるようになりました。
それは、新入社員であるということです。
仕事に慣れていない新入社員は、過労自殺に追い込まれやすいということがわかってきました。
新入社員は、どうしても上司の期待に応えようと頑張りすぎてしまいます。
その結果、睡眠不足や過労の症状を経て、自殺してしまうというケースが増えているのです。
睡眠不足で具体的にどのような症状が出る?
お伝えしてきたように、睡眠不足、過労は身体に大きな負担をかけると共に、精神的、肉体的にも悪影響を及ぼしてしまいます。
では、睡眠不足や、過労状態になった場合、具体的にどのような症状が出てくるのでしょうか。
睡眠不足と過労、分けてご紹介していきます。
●睡眠不足の症状
・色々なものにぶつかりやすくなる
寝不足になると脳の情報処理の速度が遅くなります。
普段なら「椅子があるから避ける」といった信号を、脳が身体の神経に伝えて回避行動を起こします。
ですが、処理速度が遅くなると、頭で考えていても身体が動かない、または、情報が頭に入って来ません。
そのため、ものがあることに気が付かないなどの症状が出てきます。
・アメや氷を噛む
睡眠不足に陥ると、セロトニンという物質の分泌量が減少します。
噛むというリズム運動は、神経に伝達させるセロトニンの分泌を促す行動です。
セロトニンは、目を覚ます、気分を安定させるという効果があり、幸せホルモンとも呼ばれるほど、心と身体のバランスを保つ働きをしてくれるのです。
アメや氷を噛むという行動は、無意識に心と身体のバランスを保つためにセロトニンの分泌を脳が求めている状態と言えます。
このほかにも物忘れが酷くなったり、夜中に甘いものが食べたくなったりと様々なサインが身体に出てきます。
このように、睡眠不足になると心身共に不調が出てきます。
すぐに解消出来るものもあれば、慢性化して長期の治療が必要になることもあるでしょう。
これらの症状に心当たりがあるという人は、注意が必要です。
過労の症状が出たら早めに対策をとろう!
●過労の症状
・頭痛
・手足のしびれ
・吐き気
・ふらつき
・夜になると不安や焦りで寝つけず睡眠不足になる
これらの症状が悪化することによって、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞などの脳疾患、うつ病を発症して自殺をするなどの死に直結するような症状に変わっていきます。
このような症状が出た場合は、早めに対策をとることが重要となってきます。
では、どのような対策があるのでしょうか。
・病院で診察してもらう
まず一番の方法は、病院で診察してもらいましょう。
特に最初にお伝えしたような症状が見られた場合は、早急に病院で診察してもらう必要があります。
・労働時間を減らす
可能であれば労働時間を減らしてもらうようにかけ合いましょう。
・会社を辞める
これはもう最終手段となりますが、限界だと感じたら会社を辞めることも一つの手段です。
「いつか良くなる」と思っていても、良くなることはないと思ってください。
仕事も大事ですが、まずは自分の命を守ることが第一です。
ストレスの要因とは?症状と対策
皆さんは、少なからず毎日ストレスを抱えているのではないでしょうか。
職場や家庭、人間関係など、挙げるときりがありませんよね。
ストレスとは、外側からの刺激で自分の心と身体に負担がかかり、精神状態に歪みが出来た状態のことを言います。
また、嫌なことを我慢する、やりたいことが出来ないなどの欲求や、気持ちを抑え込むことにより、発散することが出来ない状態を言います。
このようなストレスは、段階的に進行します。
・警戒反応期…外部からの反応を受けて心が緊張している状態です。
・抵抗期…ストレスに心が抵抗している状態です。
・疲はい期…外部からのストレスが長期間続き、心が耐えられなくなる時期です。
疲はい期まで達してしまうと、心が疲れて抵抗力が弱り、身体の機能も低下していくなどの様々な不調が症状として出てくるようになります。
では、ストレスにはどのような要因が考えらえるのでしょうか。
・物理的要因…天候や気温、車の音や近所の騒音
・化学的要因…薬品や添加物などの化学的な物質
・生物的要因…過労や栄養不足、睡眠不足などの症状
・精神的要因…人間関係や性格、環境の変化など
以上が要因として考えられます。
では、ストレスに対してどのような対策をすれば良いのでしょうか。
大切なことは、ストレスの原因を知り、嫌なことは無理をせず、ポジティブに考えるように心がけることです。
ストレスがたまっているなと感じたら、心から笑ったり、好きな音楽や好きなことをするなどの開放的な時間を作って解消する方法をとるようにしましょう。
過労は体力に自信があるという人ほど注意すべき!?
睡眠不足でも、自分は体力に自信があるから大丈夫と思っている人がいらっしゃると思います。
ですが、過労に一番注意しなければならないのは、そのように体力に自信があるという人なのです。
過労は海外では「サイレントキラー」と呼ばれています。
なぜ、サイレントキラーと呼ばれるのか、それは本人が気が付かない間に疲れが身体の内部に蓄積し、身体が丈夫で健康な人ほど症状が出てくるまでに時間がかかってしまうからです。
特に、体力や気力に自信があるという男性ほど、過労の症状に気がついていない状態であることが多い傾向にあります。
このように、体力に自信があるという人こそ、過労死の危険が潜んでいるのです。
「自分は体力も気力もあるから大丈夫」と強気でいるのではなく、「自分ももしかしたら」という意識を持つようにしましょう。
過労は初期の段階できっちりと対策をとろう!!
過労や睡眠不足は死に繋がる、と言っても過言ではありません。
人の標準睡眠時間は、6~7時間です。
睡眠をしっかりとることで、過労や病気の発症を防ぐことが出来ます。
睡眠が足りていないな、という人は毎日しっかりと睡眠をとるようにしましょう。