ベッドの生活は便利ですが、ベッドも寝具である以上、寝汗などの湿気とは縁が切れません。
ベッドの湿気は寝苦しいだけでなく、カビやダニへの心配もあります。
十分お手入れができる場所や時間があればいいのですが、なかなかそうもいきません。
ベッドに除湿シートが必要かなと思ったときには、まずはどんなタイプが合っているかを考えてみましょう。
除湿シートの素材にも種類がある
除湿シートは、文字通り湿気を吸い取ってくれるものです。
また、除湿マットと呼ばれることもあります。
備長炭やシリカゲルを使うもの、吸湿性の高い特殊な繊維を織り込んだものなどがあります。
備長炭やシリカゲル素材の除湿シートは比較的安価で、約2千円から6千円くらいで購入できます。
どちらも食品にも使われる、安全でお馴染みの素材です。
吸湿力の高い特殊な繊維が使われている除湿シートは比較的高価で、6千円から1万円くらいになります。
また、シリカゲル製品に比べると、吸湿量が多いものが多く、6リットルを超える商品もあります。
干すタイミングは、だいたいどれもマーカーが付いていて、その色が変わって干し時を教えてくれます。
吸湿量の少ないタイプは、少なくとも2~3日おきに干す必要がありますが、軽くて扱いやすいのが特徴です。
除湿量の多いタイプは干す回数が少なくてすみますが、干す時点では大量に水分を吸い込んでいるのでかなりの重量になります。
例えば1キロのシートが6リットル湿気を吸えば7キロにもなります。
また、どれもベッドパッドの下、あるいは敷布団の下に敷いて使うことができます。
そして、柔らかいタイプや、硬めのがっちりしたタイプなど、硬さにも違いがあります。
がっちりタイプは寝心地を考えて作られていないので、ベッドであればマットレスの下に敷いて使いましょう。
汚れた場合は、家で洗えるものと洗えないもの、ドライクリーニングが必要なものと様々ですので、表示をよく確認して選びましょう。
除湿シートの落とし穴!必要なのは吸湿量より使い方
除湿シートの性能表を見ると、湿気を何リットルも吸い取ってくれると書いてあるものがあります。
ですので、お布団やベッドの湿気取りに、「これさえ敷いておけば大丈夫だ」と思ってしまいがちです。
しかし、それが落とし穴なのです。
除湿シートは、干して乾燥させなければ効果を発揮しません。
ですので、「使ったら、干す」が鉄則です。
除湿シートを選ぶときに必要なのは、どれくらいの頻度で除湿シートが干せるかを考えておくことです。
ベッドパッドの下に敷こうと考えた場合、毎日干せるなら軽くて扱いやすいものが一番です。
一日二日おきでも頻繁に干せるなら、吸湿量が少ないタイプでも大丈夫です。
逆に、週末にしか干せないようなら、多少値が張ってもある程度吸湿量の多いものを選びましょう。
除湿シートを買おうと思ったときは、どれだけ湿気を吸い取ってくれるかにばかり目が行きがちです。
しかし、どうやって溜まった湿気を放出させるかを考えておかないと、手に余ったり役不足になることも考えられますので、注意が必要です。
ベッドの湿気を溜める原因!こんな習慣があったら要注意!
ベッドで寝るメリットのひとつは、お布団を押入れに出し入れする手間が省けることですが、一方でそのことがベッドに湿気をためる原因になっています。
こんな習慣があれば要注意です。
①掛け布団を掛けたままにしていないか
起きてすぐ掛け布団や毛布を元通りにすれば、見た目は片付きますが、寝た間に溜まった湿気をそのまま封じ込めることになります。
人が寝ている間に失う水分は、約コップ一杯(200cc)と言われます。
それが全部寝具に移る訳ではありませんが、毎日少しずつでも滲み込んでいけば、相当な量になるということは容易に想像できます。
②マットレスを置きっぱなしにしていないか
ホテルでは、スプリングを長持ちさせるために3ヶ月に一度、頭と足部分を入れ替え、さらに裏返してと、年に4回位置を変えるのだそうです。
空調の効いたホテルでは、それだけで除湿の効果も期待できると思われます。
しかしながら、一般のご家庭では、買ってから何年もずっと置いたまま、裏側を見たこともないという方が多いようです。
空気に触れることがなければ当然蒸発もできず、湿気は溜まっていくばかりです。
中まで吸いこんでしまった湿気を取り除くには時間も手間も必要ですが、除湿シートはそういった面で必ず吸い取ってくれますので便利でしょう。
マットレスに湿気を閉じ込めてしまわないよう、習慣を改める努力をした方がよいでしょう。
ベッドの除湿:汗の季節に必要なこと
季節によって、ベッドの除湿で注意しなければならないポイントが違うことをご存じでしょうか。
暑い時期のポイントは、汗の水分と塩分です。
夏の汗は水滴状で量も多く、寝具に吸い込まれやすいのが特徴です。
そして、汗に含まれる塩分は吸湿性が高いので、一度汗を吸いこんだ布地はいわば「吸湿シート」のようなものになってしまい、単に乾かしたところですぐまた湿気を吸い込んでしまいます。
また、マットレスが吸い込んでしまった塩分は、洗わない限り抜くことができません。
最近はマットレス洗浄をしてくれる専門業者も出てきましたが、まだ一般的ではありませんし、数万円かかってしまいます。
ですから、極力マットレスに汗を吸わせないようにしましょう。
そのためには、例えばベッドパッドを二重にしてその下に除湿シートを敷くなど、工夫が必要です。
また、除湿シートも洗えるものにして、こまめに洗うのもいいでしょう。
除湿シートを2枚買って交代で使う、という方法もあります。
汗をかく時期は湿度の高い季節でもありますから、それでなくても湿気を吸い込む条件が整っています。
夏場は、起きたらベッドの上のタオルケット等を干すことはもちろん、可能な限りマットレスに汗を吸い込ませないように工夫しましょう。
ベッドの除湿:寒い時期に必要なこと
冬の寒い時期に気をつけたいポイントは、ベッドの下の面にできる、「結露」です。
結露と聞くと、びしょびしょの窓ガラスを思い出す方も多いかもしれませんが、原理は同じです。
暖かく湿った空気が冷たいもの(例えば窓ガラス)にぶつかって、目に見えない水蒸気がくっ付き合って大きな水滴になるのが結露です。
窓ガラスと同じように、ベッド下の床面が冷たければ冷たいほどベッドの木枠が冷え、マットレスとの間に温度差ができて結露するのです。
冬場の結露でお悩みの方は、ぜひ除湿シートをマットレスとベッドの間に敷きましょう。
マットレスの中の湿気は、重力によってゆっくり下に落ちてゆき、最終的に底の部分に溜まっていきます。
湿気の受け皿を下に作ることで、上から下への自然な流れで、効率よくマットレスを除湿することができるのです。
この場合は、多少値段が高くても吸湿量の多い除湿シートが向いています。
なぜなら、除湿シートを乾燥させるために、マットレスの上げ下ろしが少なくてすむからです。
また、除湿シートは、ベッドの木枠が吸い込んだ湿気も吸着してくれますので、ベッドにとってもいい効果が得られます。
除湿シートの乾燥のさせ方
除湿シートは、天日干しが基本です。
ですが、そう毎日都合よく晴れてくれる訳ではありません。
そんなとき、薄手の除湿シートなら、一日室内につるしておくだけでも乾燥させることができます。
梅雨時など乾燥に向いていない時期なら、布団乾燥機を試してみましょう。
冬場ならこたつの中に入れても、乾かすことができます。
また、エアコンの前につるしておくのもいいでしょう。
つる下げることができないなら、エアコンの前に椅子を置いてその上に掛けておきます。
もし、エアコンの季節でもない、という場合は、扇風機を使いましょう。
ベッドにも風が届くようにすれば、ベッド自体も乾かせます。
布団乾燥機やこたつなら30~40分、エアコンや扇風機なら1~3時間、マーカーの様子を見ながら乾燥させます。
マットレスの下に敷いている除湿シートを乾燥させるときは、本などをはさんで隙間を作り、扇風機で風を送ってマットレスを木枠ごと乾燥させましょう。
ただ、時々はきちんと天日に干して湿気を放出させる必要があります。
吸湿能力の高いものは何リットルも水分を含んでいるので、乾かすのに一見時間がかかりそうですが、そういうタイプは湿気を排出する能力も高く、天日で3~4時間干せばいいように設計されています。
重たくなるのがネックですが、そこは頑張りたいところです。
除湿シートで快適なベッドライフを
除湿シートには布団乾燥機のような即効性はありませんが、敷くだけでおだやかに湿度を保ってくれるアイテムです。
除湿することでカビやダニを予防するだけでなく、ベッド本体やマットレスの寿命も延ばしてくれます。
目的や生活のサイクルによって、必要な除湿シートのタイプとその使い方は様々です。
各ご家庭に合った使い方を見つけて、快適なお休みタイムを手に入れましょう。