押し入れを占有するお布団が邪魔で「物が入らない」、なんてことはありませんか。
そのような場合は、布団圧縮袋でコンパクトにして収納するのが一般的です。
しかし、できるだけコンパクトにしようとして、無理に圧縮してはいないでしょうか。
また、時間が経ったら圧縮袋の中に空気が入っていた、なんてことはないでしょうか。
そのような失敗をしないように、ここでは圧縮袋を正しく使う方法についてご紹介します。
布団圧縮袋を正しく使うには?
押し入れにしまったままのお布団が邪魔だと感じる方もいることでしょう。
もし、このように邪魔だと思ったのなら、ぜひ布団圧縮袋を使ってみてください。
場所を取っていたお布団が、びっくりするくらい小さくなります。
しかし、単にお布団を圧縮袋に入れて空気を抜けばいい訳ではありません。
間違った方法でお布団を圧縮してしまうと、思わぬ事態に見舞れます。
もし、直前まで使っていたお布団を圧縮袋に入れるなら、その前にしっかりと乾燥する必要があります。
人は一晩にコップ1杯分の汗をかくといわれています。
お布団の中に湿気を残したままにして圧縮袋で密閉してしまうと、カビが生えてしまうことがあります。
そのため、圧縮袋に入れる前は、天日に干すか布団乾燥機をかけて、しっかり乾燥させる必要があります。
また、布団圧縮袋の空気を完全に抜いてカチカチにすることもよくありません。
それは、お布団が圧縮されると、それだけ中に入っている綿のふんわり感が失われるからです。
短時間なら圧縮から戻せば、時間をかけることで元に戻りますが、長期間圧縮した状態が続くと綿のふんわり感がなかなか戻らなくなってしまいます。
圧縮袋から出して使うときは、すぐに使うことはせず、天日に干すなどして綿をふわふわにしてから使いましょう。
布団圧縮袋を使うなら圧縮のし過ぎに注意
先ほども簡単にご紹介したように、布団圧縮袋の空気を完全に抜いてカチカチにすることはよくありません。
布団圧縮袋の空気を抜く方法は、掃除機を使うの一般的ですよね。
しかし、掃除機を使って限界まで空気を抜いていませんか?
確かに掃除機の吸引力は強力ですが、その吸引力はゴミを吸い込むための機能であって、布団圧縮袋から空気を抜くのには適していないのです。
さらに、空気が無い状態で吸引を続けると、掃除機のモーターを痛める原因にもなります。
また、掃除機によっては、吸引できなくなると自動で停止するタイプもあります。
では、どのくらい空気を抜けばいいのでしょうか。
布団圧縮袋を使う際は、厚さが空気を抜く前の1/3程度になるのがちょうどよいといわれています。
それは、空気を抜きすぎると綿の繊維が潰れて戻らなくなるばかりか、お布団の布にシワが残ったりするからです。
カチカチになるまで圧縮しなくても十分コンパクトになるので、くれぐれも無理しないでください。
なお、布団圧縮袋の他に衣料品用の圧縮袋にも使える電動吸引ポンプも販売されています。
こういったポンプは、掃除機のように強力に吸引できませんが、これでも十分です。
そのため、圧縮袋をよく使われる方は、こういったポンプを活用されてはいかがでしょうか。
布団圧縮袋に羽毛布団を入れる方法
羽毛布団を布団圧縮袋に入れるのは基本的によくないとされています。
知っている方もいるかと思いますが、これは羽毛布団に入っている鳥の羽の軸がお布団の布を突き破り、穴を開けてしまうからです。
なお、一般的に売られている羽毛布団には、とても柔らかい羽毛のほかに硬い軸がある羽根も入っています。
そして、中には羽毛より羽根の方が多い羽根布団もあり、こちらは圧縮するとより穴が開きやすいので注意が必要です。
とはいえ、羽毛布団に対応した圧縮袋も販売されています。
このタイプは、羽根が突き破るほど圧縮せず、適度に空気を残してコンパクトにしまうといった方法で、羽毛布団でも使えるようになっています。
ただし、見た目は一般的な布団圧縮袋と同じです。
空気を抜きすぎないように、説明書をよく読んで使ってください。
なお、羽毛布団を押し入れにしまっておく間にも注意したいのは、カビやダニの発生です。
また、羽毛特有の臭いも気になってきます。
そのため、圧縮しても邪魔にならないシート状の抗菌防臭材を、布団圧縮袋と一緒に入れておくといいでしょう。
布団圧縮袋から上手に空気を抜く方法
布団圧縮袋にお布団を入れて、空気を抜く方法にはコツがあります。
まず、袋にお布団を入れたら、しっかりチャックを閉めましょう。
このチャックが閉まっていないと、圧縮状態と保てません。
チェックをしっかり閉めるコツは、雑巾などで濡らしながら閉めることが密閉を高めるコツです。
さらに、チャックが2重になっているタイプは密閉度も高くなっています。
また、圧縮袋によっては、チャックをしっかり閉めるための器具が付いています。
こういった器具を使ってしっかりと閉めてください。
次に、掃除機などを使って空気を抜きます。
もし、圧縮袋に専用の空気抜き穴が付いている場合は、そこに掃除機の吸い込み口を当てます。
また、100円ショップで売っているような安価なタイプは、チャックの端を少し開けて、そこから空気を抜きます。
この場合、袋を吸い込まないように注意してください。
最後に、空気を十分抜いた状態で、空気抜きの穴を締めます。
この場合、専用の空気抜き穴が付いているタイプは簡単にロックできるのでおすすめです。
布団圧縮袋をお布団以外に使う方法
布団圧縮袋は、お布団以外の収納にも使えます。
例えば冬の寒い時期に活躍した毛布は、夏の間は使いません。
そのまま押し入れに入れるとかさばるので、冬用のお布団といっしょに圧縮してコンパクトにしてしまいましょう。
先程にもご紹介したように、お布団を圧縮する際には湿気に注意が必要でしたが、毛布の場合も湿気は大敵です。
使ってそのまま圧縮袋に入れてしまうと、お布団と同じようにカビが生えることもあります。
圧縮する前に天日で干して、乾燥させてから圧縮しましょう。
他にも、毛布と同じようにかさばる、タオルケットやクッションなども圧縮袋でコンパクトにすると、押し入れのスペースを有効に使えます。
なお、圧縮方法はお布団の場合と同じです。
また、空気を抜きすぎないで、1/3程度の厚さを心がけてください。
ただし、大きなお布団用の圧縮袋に、毛布といっしょにセーターなどの冬物衣料を一緒に入れて圧縮するのはおすすめできません。
圧縮袋の中に段差ができるときれいに圧縮できず、変なシワができたりします。
そのため、冬物衣料を圧縮するなら、衣料用の小型のタイプに平らになるように丁寧に畳んで入れて、別々に圧縮してください。
圧縮したお布団を上手に戻す方法
最初に簡単にご紹介したように、圧縮したお布団を戻すにもコツがあります。
安価なポリエステルを使ったお布団は圧縮してもすぐに元に戻りますが、木綿の綿を使った従来のお布団は圧縮するとなかなか元には戻りません。
また、柔らかい綿を使った掛け布団は、圧縮しても元に戻りやすいものの、綿の硬い敷布団はそうはいきません。
そして、圧縮した敷布団を使うと、以前より寝心地が悪くなってしまいます。
そのため、敷布団はできるだけ圧縮せずに保管するのがおすすめです。
とはいえ、圧縮したお布団を元に戻す方法を実践すれば、かなり元に近い状態に戻せます。
まずは、圧縮袋からお布団を出してすぐに使うのは控えてください。
そして、使う前の日から天日に干したり、布団乾燥機にかけたりして、お布団をふわふわな状態に戻しておきましょう。
また、布団圧縮袋の中に、防虫剤を一緒に入れている場合は、お布団に臭いが移っていることがあります。
その場合も、天日干しで解決することができます。
防虫剤は揮発性なので、干しておくだけで臭いが飛んでくれます。
このように圧縮袋から出した場合は、天日干しや布団乾燥機にかけましょう。
そして、使用する前は、風通しのよい場所にお布団を干しておきましょう。
布団圧縮袋を使う正しい方法とは
これまでご紹介したとおり、布団圧縮袋を正しく使うには、過度に圧縮しないで、気密を高める工夫が必要です。
また、圧縮する前にはしっかり乾燥し、圧縮から戻したら綿の弾力を戻すように天日で干すことも重要です。
布団圧縮袋を正しく使って、押し入れスペースを有効利用しましょう。