「最近、なんだか疲れやすい!」「寝付きが悪くなった...。」こんなお悩みがある方は、副腎疲労が原因かもしれません。
あまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、忙しく働く方に多く見られる症状です。
今回は、睡眠や精神に影響を及ぼす副腎疲労についてお伝えしていきます。
副腎の役割!副腎疲労の原因は?
まず、副腎についてご説明します。
副腎とは、腎臓の上にある三角の形をした臓器のことです。
身体をバランスの良い状態に保つために、必要不可欠なホルモンを作り出す役割を担っています。
このホルモンのは、コルチゾールとアルドステロンというものであり、コルチゾールは、血糖や血圧を調節するなど、ストレスから助ける役割があります。
一方、アルドステロンは、身体の塩分量や水分量を調節する役割があります。
また、副腎は、男性ホルモンと女性ホルモンを合成する役割もあります。
このように、人間の健康に重要な役割を持っている副腎は、疲れて機能が衰えてしまうと、さまざまな症状を引き起こします。
では、副腎疲労は何が原因で起こるのでしょうか。
副腎疲労の主な原因は、ストレスです。
次の章では、ストレスが原因で起こる副腎疲労のメカニズムや睡眠への影響についてお伝えします。
副腎疲労のメカニズム・睡眠への影響
1章では、副腎が健康に大きな影響を与えることと、副腎疲労の原因がストレスだということをご説明しました。
では、ストレスがかかると、どのようなメカニズムで副腎疲労が起こるのでしょうか。
まず、副腎からストレスに対抗するホルモンが分泌されます。
これでストレスを緩和しているのですが、ストレスが過度にかかったり、栄養バランスが崩れたりすると、副腎の機能が衰えてストレスに対抗できなくなってしまうのです。
さらに、ストレスと戦ってくれるホルモンであるコルチゾールは、主に朝に分泌されます。
そして、夕方から分泌される量が徐々に減っていき、夜は副腎が休んでいる状態です。
しかし、ストレスが多いと副腎の休む時間が少なくなってしまい、そこに食生活での問題などが加わると、副腎疲労が起きてしまうのです。
副腎疲労が起こると、睡眠や精神状態にも大きな影響を及ぼすことがあります。
睡眠の質が下がり、朝、起きられなくなったりするのです。
次項では、副腎疲労の主な症状についてお伝えしていきます。
あなたはいくつ当てはまる?副腎疲労の主な症状
ストレスと食生活の問題によって、副腎の休む暇がなくなり、副腎疲労が起こるということがわかりました。
では、副腎疲労が起こると、どんな症状が出るのでしょうか。
主な症状を6つお伝えします。
①めまいや立ち眩みがする
②ささいなことで怒るようになった
③虚無感がある、楽しいと感じない
④アレルギーの症状が重くなった
⑤落ち込みやすく、絶望感を感じる
⑥睡眠の質が低下し、朝起きるのが辛い
これらの症状が多く当てはまる方は、副腎疲労を起こしている可能性があります。
ただ、自律神経失調症の症状とも似ているため、判別がつきにくいです。
しかし、どちらにせよ症状が気になる方は、医師に相談しましょう。
副腎疲労の症状は、他にも低血糖や月経不順、性欲の低下などがあります。
これらの症状が、副腎疲労が原因で起こっているかどうか調べるには、病院での唾液検査が有効です。
唾液中の、ストレスに対抗するホルモンであるコルチゾールの値を調べることによって、副腎疲労を起こしているかどうかがわかります。
次の章では、副腎疲労のもう1つの原因である食生活の問題について、お伝えしていきます。
副腎疲労を引き起こす食習慣!睡眠不足も注意
これまで、ストレスが原因で副腎疲労が起こるとお伝えしてきましたが、副腎疲労には、精神的なストレスの他にも、睡眠不足や偏った食習慣が原因の場合もあります。
この章では、見直した方が良い食生活についてお伝えします。
お砂糖や甘いものは、食べると幸せな気分になりますが、食べ過ぎると、血糖値に影響が出ます。
特に、朝に甘いものをたくさん食べると、低血糖になりやすく、副腎から血糖値を上げるホルモンが大量に分泌されます。
この活動が副腎疲労を引き起こしてしまいます。
また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、副腎を刺激し、アドレナリンを分泌させる作用があります。
アドレナリンが分泌されると、血圧や血糖値が上昇するのですが、この活動が1番、副腎を疲れさせます。
ただ、眠気覚ましなどで、1日に何杯もコーヒーやお茶を飲んでいる方は、急に飲むことをやめようとすると危険です。
それはなぜかというと、急にやめることで、頻繁に上昇していた血圧や血糖が上昇しなくなるため、低血圧や低血糖のような症状が出る可能性があるからです。
徐々にやめることで、そのような副作用的症状は出にくくなります。
また、睡眠不足は副腎を休ませることができなくなるので、こちらも危険です。
副腎疲労を引き起こす食習慣!睡眠にも影響が
糖分やカフェインの摂りすぎの他にも、副腎疲労を引き起こす食習慣があります。
それは、加工食品や化学調味料の摂りすぎです。
一時期、ベーコンやウィンナーなどに発がん性物質が含まれているとして問題になりましたが、それに加えて、加工食品に含まれる保存料が、副腎疲労を引き起こすとされています。
保存料には糖分が多く入っている場合があり、先ほどお伝えしたように、血糖値に影響が出てしまいます。
また、化学調味料(うまみ調味料)は、そのすべてが添加物で出来ています。
自然のうまみではないため、脳に直接働きかけて、「美味しい」という感覚を引き出しています。
これは、刺激とともに、中毒性もあることがわかっています。
そのため、この脳への刺激が神経伝達に支障をきたし、精神を不安定にさせてしまう恐れがあるのです。
精神が不安定になると、睡眠の質が下がる可能性もあるので気を付けたいところです。
他にも小麦粉を使った食品は血糖値を上げる作用があり、腸が弱っているときに摂取すると、炎症を起こす恐れもあります。
副腎疲労回復に良い食習慣!睡眠もしっかり取ろう!
お伝えしてきたように、副腎疲労は、ストレスと食習慣、そして睡眠不足などの生活習慣が原因で起きます。
副腎疲労を改善するには、まず食習慣を見直すことが大切です。
そこで、副腎疲労に良いとされる食材をいくつかご紹介します。
まず、最初におすすめしたい食材が、香味野菜です。
ニンニクやしょうがなど殺菌・解毒作用がある野菜が副腎疲労に良いことがわかっています。
本来であれば体内に入ってきた有害物質は肝臓が解毒するのですが、肝臓が弱っていると解毒しきれず、副腎に負担をかけてしまいます。
ですので、肝臓の解毒作用を補うような形で、解毒効果のある食材を積極的に摂ることで、副腎への負担も軽減されます。
また、副腎がホルモンを作り出す際に大量に消費する成分がビタミンB軍なので、豚肉やうなぎ、玄米なども効果的です。
さらに、おすすめしたい食材は、緑黄色野菜です。
その中でも、ホウレンソウに多く含まれる葉酸は、血や新しい細胞を作る際に重要な成分なので、積極的に摂るようにすると良いでしょう。
また、食生活だけでなく、睡眠をしっかり摂ることで、副腎が休めるようになります。
バランスの取れた食生活を送っていると、おのずと睡眠の質も上がっていくので、相乗効果で副腎疲労を回復しましょう。
副腎疲労改善には食習慣の改善と睡眠が不可欠!
これまで、副腎疲労についてお伝えしてきましたが、参考になりましたか?
副腎疲労は、うつや生活習慣病の原因となり、万病のもとなので、早めの対処が必要です。
食習慣を見直し、副腎疲労に良い食材を積極的に摂り、しっかりと睡眠を取って、副腎を休ませる時間をつくりましょう。