今の世の中では、年齢に関係なく睡眠が思うようにとれなくなるという方も増えてきています。
睡眠をしっかりとらないと、翌日の体調にも響いてきます。
では、なぜ睡眠をしっかりととれない状態になってしまうのでしょうか。
そこで、睡眠が浅くなる原因や、夜に目が覚めて起きることがある方に向けての対策などをご紹介していきます。
睡眠が浅く起きる原因とは!?
睡眠が浅く、夜になんとなく目が覚めて起きる、という経験は、老若男女を問わず誰でもが経験としてお持ちだろうと思います。
この寝付けが悪い状態の症状である、不眠症にはいくつか種類があります。
原因もそれぞれなので、ご自身がどの種類の不眠症なのかを確認してみましょう。
まず、簡単に不眠症の種類についてご説明しますと、
「一過性不眠」
「短期不眠」
「長期不眠」
の3つあります。
もう少し詳しくご説明していきましょう。
●一過性不眠
気持ちの変化や環境の変化によって、不眠の状態になることです。
環境の変化で言いますと、施設に泊まることや枕が変わることで眠れないなど、いつもと違う環境になることで眠りづらくなることです。
また、気持ちの面に関しては、失敗や気になることが不安に変化し、睡眠を妨げる原因になったり、次の日が楽しみなど気分が高揚する状態でも眠りにつきづらくなります。
他には、就寝前のコーヒーやお茶(特に、玉露)なども、人によっては一過性不眠になる原因にもなり得ます。
そして、症状としては、長くは続かず一過性のものと言われています。
そのため、回復も早い傾向にあります。
睡眠が浅く目が覚めて起きる「短期不眠」
●短期不眠
精神的に考えることが重くなっていることや、体調不良が原因で起きる不眠です。
精神的なもので言えば、例えば、仕事の内容で考え込み過ぎること、家庭内の問題など、直ぐには解決できないことようなものです。
この不安が、睡眠を浅くし、深夜ですら神経を覚醒させて寝起きの状態をすっきりさせないものになります。
起きると、何となく気だるさすら感じられる日が続き、気持ちも次第に内向きになりがちです。
また、体調不良などは、病気もありますが、他にも腰痛や皮膚の痒みなども考えられます。
痛みや痒みが、睡眠を浅くする要因になるのです。
ただ、環境や状況が好転しくると、次第に精神的な不安も解消され、また元の睡眠状態に戻ることのある不眠と言われています。
症状としては、1~3週間ほどの不眠のケースが多いでしょう。
重い要因で睡眠が浅くなる「長期不眠」
●長期不眠
基本的に1ヶ月以上の不眠の状態のことです。
原因としては、喘息、リウマチ、心疾患、高血圧、糖尿病の病気や、精神疾患であるうつ病や認知症などが多いとされています。
ここまでくると、病院で診てもらう方も多くなり、治療薬を処方してもらう場合も少なくありません。
また、ここまで長期的に睡眠がとれず夜に何度も目を覚ますと、体力が減っていき、体調不良にも関わってきます。
そして、更に不眠を煽る結果になってしまうことになるのです。
そのため、長期的に不眠に感じることがあるようでしたら、ご自身で治そう、治るまで待つ、ではなく、医師や薬剤師に相談することを強くおすすめします。
不眠で体調不良が起きるだけでなく、精神疾患を併発することがあります。
恥ずかしいことではないので、医師や薬剤師に相談に相談しましょう。
夜の睡眠が浅く起きる場合の対処法~その1~
一過性不眠と短期不眠は不眠であると言っても、短期間のケースが多いので、深刻な症状でないことが多いです。
状態にもよりますが、対処法としては、問題となっている環境や心境の不満を緩和することでしょう。
場合によっては、深刻なケースもありますので、その場合は、睡眠薬などの服用が必要になることもあります。
しかし、気持ちの高揚やちょっとした病気でしたら、体調の回復や時間が解決することも多いです。
そのため、この一過性不眠や短期不眠の場合は、睡眠を誘い熟睡できて、朝に気持ち良く起きることができるよう工夫をすることで、不眠を緩和できる可能性があります。
また、長期不眠の場合は、ちょっとした工夫で緩和されないことも多いですが、少しでも工夫することで、少し楽になる可能性があります。
そこで、次のような方法をご紹介しましょう。
(1)カーテンを工夫する
カーテン等をしっかり閉め、光や音が入らないようにしましょう。
また、遮光カーテンを使うと、より快適に眠れます。
(2)ご自身にあった寝具
マットレスや枕など寝具を性能の良いものにするというのも良いでしょう。
また、腰痛の方は、硬めのマットレスを使うと良いと言われており、一見柔らかいものが良いように感じても、人によってあう寝具が異なることがあります。
また、枕はオーダーメイドなどもあるので、探してみるのも良いでしょう。
(3)食事の工夫
夜眠る前に、気持ちをリラックスさせるハーブ系のお茶を飲むのもおすすめです。
カモミールなどはリラックス効果があるとされているので、お茶を飲むことで睡眠がしやすくなるでしょう。
また、バナナ(1本)と牛乳(200ml)なども睡眠に良いとされています。
理由は、睡眠ホルモンと言われる「メラトニン」の生成を促すからです。
夜の睡眠が浅く起きる場合の対処法~その2~
(4)日中に15分程度の仮眠をとるようにする
睡眠不足が続くと、どうしても日中に眠気が出て、仕事に不活発なところが出てくる恐れがあります。
そんな時は、昼食後の休憩時間に15分程度の仮眠をとることをおすすめします。
昼の仮眠で、脳の疲労も回復でき、気分もリフレッシュしやすいです。
(5)入浴、軽運動を取り入れる
よく言われていることですが、中心部の体温(深部体温)が下がると、人の身体は自然と眠くなるようにできているとされています。
そのため、夜の寝る前に、30分程度の軽い運動(ストレッチ)をしたり、夕食後のウォーキングをすると睡眠がしやすくなります。
また、寝る1時間前までに、38~40℃のぬるめの湯船に浸かります。
お風呂から上がって、汗がひくころにお布団に入ると睡眠に入りやすくなります。
(6)眠る前にスマホ・パソコンをやらない
寝る1時間前には、スマホやパソコンを辞めるようにしましょう。
一説によると、スマホから発せられるブルーライトを見続けていると、脳が覚醒状態になってしまうとも言われています。
そのため、睡眠がしづらく、眠りも浅くなることがあります。
朝に気持ち良く起きるためにも、寝る前のスマホは避けた方が良いでしょう。
重度の不眠は睡眠薬で夜にしっかり眠れるように
長期不眠のところでも挙げましたが、精神疾患などの影響で不眠症になることもあります。
先ほどの対処法を行っても改善されないケースもあるでしょう。
夜に寝つきが悪い、睡眠が浅い、朝起きるまでに何度も目が覚める、熟睡感がないなど長期的に見られる場合は、やはり、心療内科とか神経科の専門医に相談することをおすすめします。
場合によっては、睡眠薬を処方してくれます。
中には睡眠薬は怖いものと考えている方もいるでしょう。
しかし、それは昔の話であり、今では改善されてきています。
そして、効果の持続性は、長短時間型(2~4時間)から長時間型(24時間以上)まで分類されるようです。
また、漢方薬の服用も良いとされています。
様々な生薬がありますので、評判の良い漢方内科を受診することをおすすめします。
ただ、漢方は体質改善から入りますので治療には時間がかかります。
しかし、その分、薬の体への負担は軽減されます。
もし、睡眠薬が心配な方は、漢方を服用してみてはいかがでしょうか。
不眠の時の対処法は人なりに
「一過性不眠」「短期不眠」「長期不眠」と様々な不眠の状態に関してご紹介しましたが、不眠の原因は人それぞれです。
したがって、その人なりの対処法があると考えて下さい。
ただ、1週間の不眠の状態は、精神的にも肉体的にもかなりの負担になります。
もし、眠りが浅いと感じることがありましたら、早めに改善するためにも今回ご紹介した対処法からでも行ってみて下さい。
また、長期の場合は、医師に相談して、しっかりと睡眠を取れるようにしましょう。