近年、睡眠障害を発症する子供が増加しています。
睡眠障害は、大人の病というイメージが強いですが、なぜ子供まで睡眠障害になってしまうのでしょうか。
今回は、子供の睡眠障害について、その原因と対処法まで、詳しくお伝えしていきます。
そもそも睡眠障害って何?さまざな症状がある!
冒頭でもお伝えしたように、近年、睡眠障害を発症する子供が増加し、問題になっています。
睡眠障害と一言で言っても、その症状はさまざまです。
まずは、睡眠障害の症状についてお伝えします。
この睡眠障害の主な症状は、「入眠困難」です。
悩み事や不安な事があると寝付けない、という方がいるかと思いますが、その寝付けない状態が30分から1時間以上続くことを指します。
子供が入眠困難に陥ると、その不安やストレスから、泣いたり暴れたりすることがあります。
いわゆる赤ちゃんの「夜泣き」とはまた違うので、注意深く見守る必要があります。
眠れないことで、泣いたり暴れたりする子供は、大人が気づきやすいので早く対処できますが、おとなしいために眠れなくても静かに泣いていたりする子供だと、発見が遅れ、症状も重症化する危険性があります。
「構ってほしくて泣いているだけだ。」などと軽く考えず、以上のようなことが毎日続くようなら、睡眠障害を疑った方が良いかもしれません。
子供の睡眠障害は深刻!1歳から注意しよう!
先ほどもお伝えしたように、子供の睡眠障害は、赤ちゃんの夜泣きとは違います。
赤ちゃんのうちは、睡眠の基礎的なリズムができ上がっていないので、夜泣きをしていても深刻に捉える必要は、あまりありません。
睡眠障害が疑われ始めるのは、睡眠のリズムができ始める時期の1歳くらいからと言われています。
この時期は、入眠困難の症状が出ているのか、体力が有り余って興奮して眠れないだけなのかの見極めが、大変難しいです。
ですが、睡眠障害を発症している場合は、入眠困難の症状以外にも「途中覚醒」という症状が出る場合があるので、こちらにも注意しましょう。
途中覚醒とは、いったん寝たにも関わらず、途中で起きて遊び始めたり、泣いたりすることを指します。
子供は敏感なので、ちょっとした物音や刺激で起きてしまうことがありますが、通常であれば、いったん起きたとしてもすぐにまた眠ります。
しかし、途中覚醒の場合、起きたあと遊び続ける、泣き続けるといったことが1時間以上続いたり、何度も目を覚ましたりします。
入眠困難と途中覚醒、両方の症状が出ている場合は、睡眠障害の可能性が高いと言えます。
子供の睡眠障害は自然と治ることも!医師に相談することが大切
子供の睡眠障害の症状は他にもあり、先ほどお伝えした、途中覚醒に似ている「夜驚症」と呼ばれる症状があります。
これは、寝ている途中で目を覚まし、極度の不安や恐怖に襲われ、泣き叫んでしまう症状です。
大人の睡眠障害では、ほとんど見られず、子供に多く見られる症状です。
夜驚症の場合は、比較的、わかりやすい症状なので、深刻化する前に速やかに医師に相談しましょう。
大抵の場合は、自然と治りますが、夜驚症は、心拍数の上昇も見られることがあるので、症状を抑えるお薬を処方してもらうなどの対処をした方が良いでしょう。
また、日常生活で大きなストレスを抱えているかもしれないので、同時に生活も振り返ってみましょう。
そして、夜驚症の他にも特徴的な症状があります。
聞いたことがある方も多いと思いますが、「夢遊病」も子供がなりやすい症状です。
夢遊病とは、脳が未発達な時期に起こりやすく、熟睡時に起き上がって歩いたり、話し始めたりする症状です。
夢遊病も、脳が成熟するに連れて自然と治る場合が多いので、あまり深刻に捉えなくても良いのですが、歩き回ってケガをしたり、窓を開けて外へ出ようとしたりと症状が重い場合は、医師に相談しましょう。
子供のシグナルを見逃さないで!睡眠時以外の行動
子供の睡眠障害が疑われるときは、睡眠時だけでなく、日常生活も注意深く観察する必要があります。
なぜなら、これまでお伝えしてきたような比較的わかりやすい症状の他にも、「眠りが浅い」「悪夢にうなされる」といったように、睡眠の質が低下し、慢性的な睡眠不足に陥っている場合もあるからです。
子供は、睡眠不足の状態に陥ると、日中にさまざまな問題行動を起こすことがあります。
これは、大人も同じだと思いますが、睡眠不足に陥るとイライラしたり、注意力が散漫になります。
大人は態度にあまり出しませんが、子供は大人ほどストレス耐性がないので、睡眠不足になりストレスがかかると、泣き喚いたり、暴れたりといった行動を起こします。
このような行動が頻繁に見られるときは、頭ごなしに叱りつけず、落ち着いたタイミングで、その行動を起こした理由を聞いてみましょう。
子供は、まだ自分の問題を自分自身で解決できないので、暴れたりすることで大人にSOSを出しています。
子供が睡眠障害を発症している場合は、このように睡眠時以外にも何らかのサインを出している可能性が大いにあるので、1日を通して観察してみましょう。
子供の睡眠から見えてくる発達障害の可能性
これまでお伝えしてきたように、子供が睡眠障害を発症している場合は、何らかのサインを出している可能性が高いです。
そして、睡眠時や日中の問題行動が見られたとき、睡眠障害の他に疑われる障害がもう1つあります。
それは、発達障害です。
発達障害とは、生まれつき、脳の一部に何らかの障害が見られ、その障害が日常生活に症状として現れる病です。
近年、この発達障害の子供が増加していて、メディアでも頻繁に取り上げられるようになったので、ご存知の方も多いかと思います。
実は、発達障害の子供の多くが、睡眠に問題を抱えているとも言われています。
発達障害を引き起こす原因として、通常であれば、成長過程で作られるはずの睡眠のリズムが、うまく作られていないことが挙げられます。
発達障害の症状の1つに、「行動の切り替えが難しい」というものがありますが、睡眠も同じで、起きている状態から睡眠状態にスムーズ切り替えることができないため、睡眠障害が起きやすくなります。
また、発達障害の二次障害として、睡眠障害の症状が出ることもあります。
このように、子供の睡眠障害には発達障害が隠れていることがあるので、心配ならば、早めに医師に相談しましょう。
子供の睡眠障害を改善する方法とは?!快眠できる環境作り
これまで、子供の睡眠障害や発達障害についてお伝えしてきましたが、なぜ、近年になってこの2つの障害が増加しているのでしょうか。
一説によると、子供の睡眠障害には、スマートフォンやゲームなどの使用が大きく関わっているそうです。
スマートフォンやゲームの画面を見続けることで、脳が興奮状態になり、寝る時間になっても、眠くならなかったり、睡眠の質が下がってしまうのです。
これは深刻な状況で、子供に睡眠障害が疑われる場合は、早急に環境を変える必要があります。
これは、発達障害にも言えることで、環境を整え、睡眠の質を上げることで、症状が緩和される可能性があります。
環境を変える第一歩としては、寝る3時間前からスマートフォンやゲームの使用をやめさせることです。
寝る前は、極力、強い光で目や脳に刺激を与えることを避け、興奮させないようにします。
また、両親の都合などで、子供の寝る時間も遅くなることがあるかと思いますが、夜更かしも睡眠の質を考えると、良くありません。
スマートフォンやゲームの使用は避け、早めに寝る態勢を整えましょう。
また、お風呂も寝る直前に入ることは避け、できれば寝る2時間前に入るよう習慣付けましょう。
子供のサインを見逃さず、睡眠障害は大人が改善してあげよう!
これまで、子供の睡眠障や発達障害についてお伝えしてきましたが、参考になりましたか。
子供のサインを見逃さず、早め早めの対処を心掛けましょう。
まだ未成熟の子供にとって、睡眠はとても大切なので、大人が快眠できる環境作りを行うことが大切です。
また、お伝えしてきた症状は、あくまで一例で、障害の原因などは一説ですので、参考程度に捉えて頂けると幸いです。