ウォシュレットを取り付けようと思ったとき、「トイレにコンセントがない」ということがあります。
信じられない、と思う方もいることでしょう。
しかし、トイレにコンセントのないお家や賃貸のお部屋は、まだまだあります。
そんな場合に、ウォシュレットが使えるようにする方法について、ご紹介します。
ウォシュレットが欲しいのにコンセントがない!?
今の日本では、ウォシュレットは自宅に欠かせない設備となりつつあります。
そのため、新築の家やマンションのトイレには必ずコンセントが付いており、ウォシュレットが取り付けられるようになっています。
ちなみに、ウォシュレットが初めて販売されたのは1980年で、「ウォシュレット」というのは最初に製造したTOTOの登録商標です。
そのため、他のメーカーでは「シャワートイレ」と呼んでいたりします。
しかし、今の日本ではウォシュレットという名称が定着していますよね。
このような設備の一般世帯普及率は、77.5%(2015年3月、内閣府調べ)にも達しています。
とはいえ、古い家やアパートのトイレでは、コンセントがない場合もあります。
しかし、諦めてはいけません。
コンセントさえ増設すれば、簡単に取り付けられます。
最近では、賃貸物件でも工事は可能のところも多いです。
ですが、ユニットバスに付いているトイレでは、そもそも近くにコンセントがありません。
それでも、温水洗浄便座を使う方法はあります。
次項から、それぞれの取り付け方法についてご紹介します。
トイレにコンセントがないならどんな工事が必要?
トイレにコンセントがないなら、増設しなければなりません。
コンセントを増設するには、大抵は近くのコンセントからトイレまで配線を伸ばす方法と、ブレーカーのある配電盤から配線する方法とがあります。
工事が簡単なのは、トイレの近くにあるコンセントから引く方法です。
近くのコンセントから壁に沿って細いモールの中に配線を通すことで、見栄えはよくありませんが、工事は短い時間で済み、費用も安くなります。
状況にもよりますが、工事は実質1時間程度、費用も材料費込で1万円程度で済みます。
また、壁の中の構造にもよりますが、壁の中を配線できるかもしれません。
ただし、壁に貼り付けたモールの中を通すよりも工事に時間がかかります。
さらに、その分の費用が多めにかかります。
ウォシュレットは、機種によっては家電製品の中でも意外に大きな電力を使います。
そして、水回りにあるコンセントは、消費電力の大きなドライヤーや、乾燥機を使っていることもあります。
そんな消費電力の大きな家電とウォシュレットとを同時に使うと、ブレーカーが落ちたり、コンセントから発火する危険性があるのです。
もし、消費電力の大きなウォシュレットをご購入するのなら、配電盤に1回線を増やして配線するのがおすすめします。
ただし、この方法も工事に時間がかかり、部品台なども含めると費用も数万円程度かかるので注意してください。
ウォシュレットの消費電力に注意
もし、今ウォシュレットを買おうと思ったら、その消費電力にも注意することをおすすめします。
それは、ウォシュレットの機種によっては、消費電力が大きなタイプもあるからです。
もし、価格の安いウォシュレットをご検討されているのなら、消費電力はそれほど大きくはありません。
このタイプは大抵の場合、温水のタンクを備えております。
また、その中の水を温めるヒーターが付いています。
そして、このヒーターの部分が消費電力を大きくする原因となります。
なお、温水タンクを備えたタイプの最大消費電力は、大抵は300Wから400Wです。
しかし、高機能タイプは、消費電力が大きいので注意が必要です。
例えば、TOTOのアプリコットシリーズは人が近くに来ると自動でフタが開いたり、自動で洗浄まで行う機種です。
さらに、このタイプは温水タンクを備えていないので、小型で軽いという特徴もあります。
ですが、冷たい水を瞬間的に温水に変える機能が付いており、その最大消費電力は1000Wを超えています。
これでは乾燥機やドライヤーといっしょに使うと、ブレーカーが落ちる可能性もあります。
そのため、コンセントがないトイレにこのような高級機種を導入する場合は、配電盤から電気工事することを考慮してください。
さらに、旧機種から高級機種に買い替える場合も、既にあるトイレのコンセントの見直しが必要なことがあります。
賃貸でトイレにコンセントがない場合は
ウォシュレットを使いたいのに、賃貸物件でトイレにコンセントがない場合はどうでしょうか。
もちろん、ご使用を我慢するのも1つの方法ですが、不動産屋を介して大家さんに申し入れするのもいいでしょう。
今は、家のトイレにウォシュレットが付いていることも多くなってきています。
そのため、ウォシュレットを付ければ、借りてくれる人が増える可能性もあります。
そういったことは、大家さんにとっても見逃せない点でもあるのです。
そのため、うまくいけば、大家さんがトイレにコンセントを増設してくれるかもしれません。
もし、引っ越し先のお部屋のトイレにコンセントが無かったら、下見した際に、入居を条件に不動産屋さんに交渉してみてください。
また、大家さんの許可をもらえば、ご自分で費用を負担して工事を依頼することもできます。
通常、お部屋を出る際に、そういった自分が工事した箇所は現状復帰するのが普通ですが、付加価値を高める工事なら、そのままでいい場合もあります。
ただし、ウォシュレットに交換した元のトイレのフタは無くさないようにしてください。
トイレのフタは現状復帰で元に戻して返すのが基本的なマナーです。
コンセントがない場合は天井からも!
賃貸物件には、トイレにコンセントを増設する工事ができないケースもあります。
とはいえ、そんなコンセントがないトイレでも、天井には必ず電灯が付いていますよね。
ここから電気が取れるかもしれません。
ホームセンターをよく探せば、「二股ソケット」と呼ばれる器具が売られています。
これは、1つの電球のソケットを2つ電球を取り付けるためのソケットで、片方をコンセントにするアダプターも売られています。
天井の電灯のソケットに、この二股ソケットを指せば、トイレの中でコンセントを確保できます。
後は、ウォシュレットの取り付け位置まで延長コンセントを伸ばせば、コンセントのないトレイでもウォシュレットが利用できます。
なお、この方法では、トイレの電灯スイッチを切ってしまうと、ウォシュレットの温水機能が使えません。
この場合は、スイッチを入れたままに工夫しましょう。
さらに、電灯には、人を感知して点灯するLED電球に変更すると、トイレに人がいない間は自動的に灯りを消してくれます。
このように、コンセントがないトイレでも工夫次第で、ウォシュレットがご利用できます。
電源不要のウォシュレットもある!
狭いスペースを有効活用したお部屋では、トイレがユニットバスの中にあるかもしれません。
小さなお風呂と洗面台、そして、洋式トイレの3つがセットになっているユニットバスでは、コンセントがないのが当然で、増設もできません。
しかし、このタイプのユニットバスでは、トイレのすぐ近くの洗面台でお湯が使えます。
そして、このお湯を利用した電源不要のウォシュレットが販売されています。
なお、このタイプの構造は簡単で、すぐ近くの洗面台の止水栓からお湯を分岐させ、その勢いを利用して洗浄を行います。
そのため、予め洗面台でお湯が出ることを確認した後に、ウォシュレットの洗浄で利用する、といった使い方になります。
このタイプは構造が簡単なことから価格が安く、さらに取り付けが簡単なのがメリットです。
また、狭いユニットバスの中でも使いやすい小型のコントローラーなのもいいですね。
さらに、構造上濡れても問題ないので、ユニットバスの中でも安心して使えます。
ウォシュレットを使いたいのにコンセントがない場合の工夫
今の時代、ご自宅のトイレでウォシュレットを使えるのは当然になってきていますよね。
もし、トイレにコンセントがないのなら、ウォシュレットを使えるように工事しするのもいいですよ!
また、賃貸でも大家さんに断れば、コンセントの工事は可能かもしれません。
もちろん、工事ができない場合もあります。
ですが、工夫次第でウォシュレットが使えるようにする方法はたくさんあります。
ぜひ、諦めないで、トイレにウォシュレットを取り付けてみてください。